鱒屋にとっては、あまり馴染みのない道具の一つに、フィッシンググリップがある。ソルトやバスでは、当たり前の道具かもしれないけど、この道具が欲しいと思ったのが、西表島でマングローブジャックを釣ってからだ。
マングローブジャックの口は、鱒では考えられない歯が並んでおり、ヒレも鋭くとがっていたりする。ランディング後、暴れる魚を押さえてという場合に危険な事もあり、そういう場合に有効だなと素直に感じたのだ。だから、鱒釣りでこれを常用しようとは思わないけれど、一本くらいは持っていても良いかなと考えていた。でも、実際にネットで情報を調べると、誰もが良いと評判のそれは滅多に使わないであろう僕にとっては、高価な代物に思えてしまう。勿論、廉価な製品もあるんだけどね。
だからといって、この手の製品はあまりにも廉価なモノは耐久性などの面でちょっと考えてしまう。そんな時、大阪にあるRAY-ZESTという会社でオリジナルのフィッシンググリップを作っているのを知り、値段も手頃なので頼んでみた。Webをみていても作り手の顔を感じる事が出来たという事もあると思う。また、大きさも希望に適ったということもある。
ちょっと奇抜なデザインだけど、手に馴染み、個人的には値段を考えるととても高品質に思える。また、名入れも今現在は無料で対応しているようで、その点も機能的には関係が無いとはいえ嬉しいサービスだと思う。僕は名前じゃなく、「FLUCTUAT NEC MERGITUR」と文字を入れて貰った。
ラテン語の格言で日本語だと、「漂えど沈まず」。この言葉を初めて聞いたのが、開高健の「風に訊け」だったと思う。プレイボーイ誌上での人生相談を単行本にまとめた本だけど、実際のこの言葉は「たゆたえど沈まず」と訳される方が多い様だ。パリのモットーとして有名らしいけど、それは本の受け売りなのでどうでも宜しい。
歴史的に動乱を乗り越えてきたフランスならではのものだと感じるけど、このグリップにこの文を入れたのは、ある種のおまじないというか魔除け的な意味合いです。水遊びなので、海に落ちても、川に流されても、沈まないで無事に居るようにとの思いが強いかも。
南の島の魚はみんな凄い歯をしてますからね。秤はついていないの?
来年はご一緒したいものです。
西別川さん、こんにちは
秤が付いていて上等なグリップは、一桁値段が違います。常用するなら、そういうのもアリだなと思いますが、そうじゃないので6Kのこれで十分です。