2010 知床の夏

モイレウシ湾は、渡船による渡しの玄関口であり、広い湾が形成される天然の良港。
渡船によるカラフトマス釣りの帰りは、知床の自然を眺めながら。
フレッシュランのカラフトマス♂
知床観光ではお馴染みのオシンコシンの滝。
台風一過の羅臼にて。

多くの観光客で賑わう知床は、釣り師にとってもカラフトマス狙いのメッカである。魚影の数が多い事もあるけれど、自然に囲まれた場所で竿を振る贅沢を、知床はかなえてくれるからでもあると思う。

羅臼を出発し海岸線を北上すると、相泊という小さな漁港で道は行き止まりとなる。相泊はウトロ側の知床林道が通行出来ない事を考えると、知床半島の先端に最も近い地である。カラフトマスの瀬渡しは、この相泊を起点とする事が殆どで、盆の頃は多くの釣り人が相泊を目指すのだ。

瀬渡しの釣りは、現在のところ相泊に近い場所から、モイレ ウシ、ペキンの鼻、崩れ滝、滝の下と四つの場所があり、海が穏やかであれば希望の場所へ行く事が出来るけど、一般的なのはモイレウシであろうか。遠くへ行くほど釣れそうな気がするのは、人間の性であるけど、実際の釣果は距離と一致することはないと思う。ただ、恐らく何処のポイントもタイミングがあり、それを外さなければ瀬渡しでしか味わえない知床のカラフトマス釣りが楽しめると思う。

今年は13日と14日の両日に、渡船を予約していた。ところが台風の影響で初日が欠航となり、翌日14日にモイレウシへ入った。お盆休みという事 もあり、また年々瀬渡しの情報が多くの釣り人に知る事となり、ここ数年は釣り場は大賑わいだ。それでも、半島基幹部の多くの釣り場とは違い、最低限の節度 は保たれている様に思える。

半島先端部とはいえ、混雑している釣り場でポイントの移動は容易な事ではない。その為、最初の釣り座をどうするかが重要だ。また、河口の位置や形状でも回遊ルートが変わる事がある。今年のモイレウシは昨年同様に河口が二カ所。どちらも好ポイントに見えるけど、昨年も今年も早朝は片方の河口に群れが入りやすい様だ。ところが、海は干満という要素がある。このため、潮位により、群れの入り方が変わる事も覚えていた方が良いと思う。

今年のモイレウシも釣りはじめて三時間は、アタリは皆無であった。ところが日が高くなると魚群はこちら側に寄る様になり、撤収直前は早朝とは反対の様相となった。ところが、この時間になると魚はなかなか口を使わないのだが。その他にモイレウシは左右の岩場も好ポイントである。但し、潮位が高い時や波がある時は無理は禁物。それとヒグマにも注意が必要だ。今回も帰り際にヒグマが出没した。人が多いので、そうそうは襲わないと思うけど、油断は出来ない し、釣りの最中も緊張感を持って望んで頂きたいものだ。