この時期の渓流は既に最終盤であり、魚の反応も今ひとつの事が多い。過去には落葉した時期に竿を振ったこともあるけれど、魚の反応も非常にゆっくりな出方をする。禁漁のない北海道では、降雪による自然の禁漁まで竿を振ることも出来るけど、遅い時期は道南でもアメマス狙いの釣行が主体となる。そんな10月末の土日、数は望めないもののアメマスの釣れる流れとキノコを狙って、幾つかの山を歩いてみた。
比較的温暖な道南地方の平野部でも紅葉が始まっており、少し山間に入ると紅葉は最終盤を向かえていた。林道を走っても、落ち葉に埋め尽くされており、荒れた林道であれば、路肩の様子がわからない。
この時期に道南で釣れるアメマスは、ある意味でマニアックな釣りだと思う。元々、魚影は薄い道南では数は望めないものの、この時期だけは産卵で遡上した鮭の後ろに定位し、こぼれた卵を捕食している事が多いのだ。それ故に鮭の群を探す事が第一で、流れに鮭が居なければ、そこがどんなに好ポイントであったとしても、空振りする確率が高い。
こうしたアメマスは鮭の卵を捕食している為、釣りとしてはエッグを使ったフライのルースニングが一番理にかなっている釣りだと思う。ルアーへの反応も皆無ではないものの、追いは最初の一投だと思った方がいい。最初の追いでバイトすれば言うことはないのだが、実際はUターンされる事が多く、ルアーにとっては厳しい釣りとなる。もっとも、それは最初から判っている釣り場なので、釣れなくても僕はそれで構わない。釣れないよりも釣れた方が良いけれど、自分のスタイルはルアーで釣るというスタンスなので、こうした状況ではそれを受け入れるしかないのだ。
そんな釣り場で、初日は降雨による濁りと増水の影響なのか、ルアーへの反応も想定以上に良かったと思う。但し、せっかくのバイトを物に出来ない事も多く、ランディング出来たのは写真の1匹のみである。
定点観測していた山林では、図鑑でしか見たことのないキヌガサタケを見つけた。既に老菌なのか、全部で3本あったそれは、全て倒れていたけど、特徴的な白い網目の笠は健在であった。
写真のナメコは群生の一部であり、実際には三倍ほどの量があった。ナメコは当たると大きな倒木全てに生えているという事もあるようだけど、僕はそんなレベルの群生はお目に掛かった事はないし、恐らく採取する場所を考えると、今後もそれは難しいと思う。その意味で今回のナメコはまとまった量が採れたアタリであったと思う。
ナラタケのシーズンは既に終わっているのだけど、写真の場所だけは老菌ながら、まだ可食の状態で立派な柄が特徴的であった。