2017 日高路を行く

日高本線の終着駅である様似駅 昨今の状況だと、この地に再び汽車が到着することは難しいかもしれない。

日高本線は、現在のところ鵡川より岬方面は列車の運行は停止している。数年前の台風により、海岸線を走る路線に大きな被害があった事が原因だが、復旧の目処は立っていないどころか、このまま廃止となる可能性が大きい。

慢性的な赤字体質であるJR北海道が莫大な復旧費を払えないという構図だが、周辺の自治体の反対も大きく、公共交通として今後どのような形で決着するのか、未だ道筋は見えないままである。恐らく、最終的にバス転換という形になる可能性が大きいと思うけど、それが決まるのは少し先の話であろう。

そんな様似駅は日高本線の終着駅である。駅から少し東側で線路は途切れているのだが、それは少し前に廃止となった留萌線の羽幌駅と同じだ。駅構内の線路は錆びが浮き、真っ赤な線路が敷設したままとなっていた。

様似駅 駅の周辺は閑散としている

様似駅からアポイ岳を

様似漁港よりアポイ岳を

様似はアポイ岳が有名である。僕は登山はしないけれど、昔からアポイ岳の名前は有名で町もそれを売りにしている。これほどまでに有名なのは、低い標高ながら冷涼な地にそびえる事と、山麓に森林が発達せず、代わりに高山植物の宝庫となっている為だ。

えりも岬灯台

唄で有名になった「えりも岬」は、北海道を縦断する日高山脈の南端となる。実際のやまなみは、庶野(しょや)の辺りで海に没する感があるのだけど、えりも岬は沖合まで岩礁が連なり、これはこれで地の果て感が強い。

えりも岬にて 風が強い事で有名な地だが、昨日今日は風も弱く穏やかであった。

えりも岬はゼニガタアザラシの繁殖地で知られており、沖合の岩礁にコロニーを作っている。このアザラシの保全と相反するのが、この周辺の漁業であり、これは知床のトドと同じ図式だ。立場によって益獣と害獣に分かれる存在であるものの、野生動物であり、自然の豊かさを感じる事が出来るのは確かだ。

えりも岬のゼニガタアザラシ

この時期のえりもは、春ウニが美味しい。

近年、日高地方の春に漁獲されるエゾバフンウニの人気が高まっているようだ。今年はGWの始まりである4月29日に、「えりも うに祭り」が開催される予定らしい。今年で7回目となるこの祭りは、昨年で5500人ほどの来場者があったそうだ。えりも町の人口は5000人を少し切る様なので、町の人口より多い来場者という事になる。写真の三色丼(わがまま丼という名前で提供されている)を食べたお店では、この祭りの日だけは、お店で提供する料理も「うに丼」のみだそうだ。100人レベルで来店者があるようで、他のメニューはとても提供する暇がないとか。

こちらの店では殻で仕入れて、前日に一家総出でうにを剥くそうだ。殻で仕入れた方が安い事と、旨いうにを食べて貰いたいという心意気だろう。数年前からこちらの店にはお世話になっているけど、外れは一度もない。それだけ、この地の春うには美味であるということだろう。

ちなみに日高地方の漁期は基本的に同じだけど、えりも町というのは漁港が複数あり、余程の悪天候ではない限り、全く漁が出来ない事はないそうだ。岬の東西に港が配置されているので、隣町の様似に比べると恵まれている場所だとの店主談である。但し、えりも町までの距離は遠い。近くは新ひだか町でも春うには味わえるので、一般的にはお勧めはしないけど、僕はこの店の心意気が好きだ。