2022 アメマスと春の使者

気温が下がる夜間はいまだ積雪の可能性があるのだ。

明け方にかけて平野でもうっすらと積雪するかもという予報であった金曜日、早朝に自宅を出発して道南を目指した。途中の山間は道路こそ出ているものの、木々は霧氷の様に真っ白となり、交通標識にも雪が張り付いていたので風もあったようだ。

ギョウジャニンニクの生えている斜面も最初に訪れた場所はうっすらとではあるが雪が積もり、その間から最初に目にしたのはフクジュソウ。北国の春を告げるスプリングエフェメラルである。

ギョウジャニンニクについては、過去の経験からタイミングが丁度良いと読んでいたけど、多かった降雪に影響も無かったようで食べ頃のものが多く顔を出していたと思う。殆ど人も入る事はなく、僕も昨年は採取しなかった場所なので太いギョウジャニンニクもそれなりに残っていたと思う。

フクジュソウ スプリングエフェメラルの中でもいち早く花を咲かせる。

ギョウジャニンニク 道南では3月下旬から4月上旬が旬である。

写真のギョウジャニンニクは伸び方も太さも上々の個体で、山へ行けばそれなりに生えているものだけど、市場で買うと結構な価格で売られていたりする。沢山採れるかどうかは趣味の場合、場所とタイミング次第だけど、結局は引き出しの多さが物をいうとは思う。でも、僕はシーズンにいくらか食べられれば良いかなと考えているので、少ない引き出しから場所を選ぶ今のスタンスで大丈夫かなとは思っている。

砂防ダムに囲まれた川だが、魚道が機能しており、堰堤間でもアメマスが釣れる。

当初は砂防ダムの湛水部を狙っていたのだけど、魚信は皆無であった。タイミング的には雪代が入り増水している時に良い釣りが出来ているので、今回についてはタイミングが明らかに遅かった模様。それでも遊び程度なら下流の深場数カ所で反応があったので、魚の顔を見るという目標であれば十分だ。

このギョウジャニンニク狙いの道南アタックは、アメマスとサクラマスのシーズンに重なる。特に後者の釣りについては、日帰りだとギョウジャニンニク採取時間も考えると、時間的にちょっと厳しいかなと感じている。若い頃ならともかく、流石に無理はきかない歳になってきたので、来年以降コロナが落ち着いてくれれば、安宿にとまって道南行脚という形で楽しみたい。

例年ではこの時期に雪は殆どないのだが、今年は残雪が目につく。

フクジュソウとギョウジャニンニク

ギョウジャニンニク 太いのだけを探して摘む。

ギョウジャニンニクに似ているが、バイケイソウであろう。下に1本映っている赤い袴をまとっているのはギョウジャニンニク。

この時期話題になるのは、ギョウジャニンニクと間違えて毒草を誤食した事故だと思う。多くの場合、イヌサフラン(毒)が話題になるけれど、野生の行者ニンニクとイヌサフラン(毒)が同じ場所生えている事はありえない(自生はしていないので)。しかし、バイケイソウ(毒)などは同じ場所に生えている事も多く、芽の頃は非常に紛らわしい。葉の形やハカマの色で判別は出来るけど、生えてくる時期も同じなので注意が必要だ。

スズラン(毒)については自宅の庭にもあるので生えてきた頃を観察してみた事があるけど、ギョウジャニンニクを何度も採取している人間であれば区別は大丈夫だとは思う。ただ、ハカマの色が赤かったりと確かに紛らわしいのも事実。ただ、ギョウジャニンニクと混生していたとしても、微妙に時期は違うような気がする。但し、スズランについては自生地を訪れた事がないので断言はできない。

いずれにしても自分で採取してきたものについては、自己責任で可食かどうかを判断する必要があるという自覚は必要だろう。まあ、自生している行者ニンニクは切り口から強いニンニク臭がするので大丈夫だとは思うが、保証は出来ないという書き方しかできないのだ。

短いなれど太い上物のギョウジャニンニクである。

僅かだがエゾエンゴサクも咲いていた。カタクリとイチゲは、まだ蕾であったが気温が上がれば開花すると思う。

洗ったギョウジャニンニクをカップ麺に入れ、普通にお湯を注ぐだけ。これ以上入れるのであれば、袋のラーメンが無難であろう。

写真レベルの量であれば洗ったギョウジャニンニクをカップ麺にのせ、お湯を注ぐだけで手頃なギョウジャニンニク入りラーメンの完成である。更に大量に入れたいという場合は袋入りのラーメンの方が無難だろうけど、常識的な量であれば数分の湯通しで十分加熱されて美味しいと思う。

ギョウジャニンニクの豚肉巻き

ラム肉と一緒に。味付けは塩と胡椒のみ。