2016 春の道東周遊

道東の平野部では、ギョウジャニンニクが最盛期を迎えている

道東の平野部では、ギョウジャニンニクが最盛期を迎えている

過去に感じていた季節の移り変わりは、その年により前後することもあるけれど、その振れ幅が大きくなってきたと感じるのは僕だけだろうか。釣りという遊びにおいては、これだけ情報が入りやすい世の中になっているのでシーズンインのタイミングは参考になる事も多いけれど、釣果だけを考えているわけではないので、結局は自分の時間と相談しながらのアタックとなってしまう。

今年はそれが極端に裏目に出てしまったようで、行く場所行く場所で魚の反応は極めて悪かった。もっとも、今回の遠征については出発する前から大凡の予想はついており、釣果については想定される結果となったという事だ。釣果だけを目的にすれば、それこそ更に東へ走るか、あるいは禁を破って、厚岸へ流れ込む川の河口へ向かうという事も出来るのだけど、出発前から山菜と帰りに立ち寄る襟裳に用事があった故の遠征だと言えよう。

入りやすい場所は、細いネギが多いが、それでも歩けばそれなりの物も生えているものだ

入りやすい場所は、細いネギが多いが、それでも歩けばそれなりの物も生えているものだ

厚岸の川について話が出たので、少し書いておく。自分自身にも身に覚えがあるから、えらそうな事を書くのも気が引けるのだけど、過去に釣り人が引き起こした行為により、自らの首を絞める結果となっているのが、知床の幌別と噴辺(ふんべ)の駐車場閉鎖問題だ。カラフトマスのシーズン中、釣り人による駐車場の占拠やゴミなどの不法投棄に対し、行政が駐車場閉鎖という実力行使に出たものだ。

厚岸の川で問題となっているのが、国道脇への駐車と鉄道の軌道を歩いてポイントへ向かうということ。ある程度までなら黙認という事も出来るのだろうけど、近年は軌道上で列車を停めたという話も何度か聞いている。でも、そもそも鉄道の軌道へ侵入するという事が違法だと知らない人も多いのだろう。もっとも、例え知っていたとしても釣り人は群れて行動する場合が多いから、理性も何も無くなってしまう状況になっていると思うのだ。昔あったコントではないが、皆で渡れば怖くないという状況だね。

それでも、釣り人の中には自分自身は注意しているから、何も問題はないと思っている人も多いのかもしれない。でも、元々シーズン中はごった返していた場所に、最近はネットで情報が流れ、既に全国区の釣り場だ。混雑は10年前よりも、更に酷い事になっている。

確かに釣り場としては、超一級のポイントであるのは認めるけれど、ここまでゴタゴタがあると釣り場が閉鎖されても文句は言えないし、そうなって欲しいとすら正直思う。心の中では釣り人が原因で釣り禁止は嫌だと思うけど、違法を承知でポイントへ向かうというのは、僕は正直気が引ける。時々、港湾などで立ち入り禁止エリアに釣り人が入った入らないで問題になる事もあるけど、それと図式は同じだよね。

結局、理屈よりも魚を釣りたい、その場所へ行きたいという気持ちがベースにあり、皆も釣っているんだから、俺も(違法だろうが)行くという発想なんだろうな。僕自身は最初の釣りたいはあるけど、行きたいとなると釣果以前に、釣り人が多くなりすぎて行くのをやめた。特に最下流になると、既に釣り人のキャパシティはオーバーしている。平日ならまだしも、土日の混雑には閉口してしまうレベルだからね。

しかも、土日は多くの場合、かなりの割合で遠征組が訪れるから、キャパを越えていようが入ろうとしてくるから、正直もう滅茶苦茶だ。(例え長時間運転して遠征していようが)先行者に遠慮して場所を少しずらすなどの配慮する人も多いだろうけど、配慮など知らんという人も多いわけで、既に釣り場は狂想曲状態になっている。

こうしたフィールドなのに、何も疑問に感じないで釣りをしている釣り師が、僕は正直うらやましいと思う。でも、知床は別として、厚岸のこちらについては、違法手段でポイントに向かうという自覚は絶対に必要だと思う。あとは釣り人の判断しだいだろう。でも、万が一、検挙されたとしても、あるいは人身事故が起こったとしても、または釣りをしない他人からどう思われているのかという事も自覚しているかだろうな。

僕の場合は混雑が嫌で行く事をやめただけなので、その当時に同じ事を思われていたのかもしれない。でも、その当時も少なくとも鉄道だけは配慮していたけどね。国道から歩き出すタイミングまで考えていたもの。

今時期の典型的な湿原の風景

今時期の典型的な湿原の風景

大河の河口にも立ち寄ったが、既にシーズンは終焉であった

大河の河口にも立ち寄ったが、既にシーズンは終焉であった

十勝川の魚影が減少しているのは事実だと思うけど、河口のシーズンは魚が集結することもあり、タイミングが合えば銀色に輝くコンディションの良いアメマスが期待出来る。ただ、それは河口の地形だったり、季節の移り変わりであったりと、大昔からシーズンのピークを読むのが難しい。年によってはGWを過ぎても釣りになることもあったのだが、最近は4月中旬にピークを迎える事も多い様だ。

今年については、釣った限りでは既にシーズンは終焉である。釣れなかったからというだけではなく、釣り人の数もまばらでライズも皆無であった。今回の遠征で少し期待していたのが、十勝川河口だったのだが、今年は解氷も早く、山の雪解けも早い様で早いシーズンインに引きずられる様に、閉幕も早まったようだ。

トイトッキ沼にて

トイトッキ沼にて

トイトッキ沼のサンセット あと二ヶ月もすれば、花が咲き乱れる場所だ

トイトッキ沼のサンセット あと二ヶ月もすれば、花が咲き乱れる場所だ

南十勝の名流、豊似川。既に河口間近だが、澄んだ水が流れている

南十勝の名流、豊似川。既に河口間近だが、澄んだ水が流れている

写真では判りにくいけれど、清流とはいえ、南十勝の大きな河川は雪代が入っており、青白く濁っている。十勝川の様に茶色い濁りは殆ど入る事もなく、これが落ち着いた頃に太平洋でサクラマスの本格的なシーズンインとなると思う。白糠付近のウミアメが川に比例し、極端に魚影が薄くなっているけど、南十勝ではサクラマスを含めると、魚影は比較的安定しているようだ。

今時期でも晴れれば十勝は明るいのだ

今時期でも晴れれば十勝は明るいのだ