2012 季節外れの降雪

この時期の道東は、晴天が多く、雪が積もった記憶がないのだが。

この時期における僕のメインフィールドは十勝川であり、例年は毎週の様に通い詰めている。ところが今年は季節外れの大雨が十勝川に増水をもたらし、三連休の予定を変更せざるを得なかった。仲間と共に訪れたのは、今では春にしか訪れる事は無い更に東のフィールドである。十勝時代は遡上のタイミングを掴もうと、毎週の様に東へ車を走らせていたけど、札幌からこの地は遠い。この為、ここ数年は春に一度訪れる事が出来ればと考えているフィールドなのだ。

仲間はこの地の釣果情報を教えてくれたりするけれど、この時期は十勝川の事しか考えていないので、如何に釣れていようとも心を動かされる事は殆どないけれど、まさか初冬にこの地を訪れる事になるとは、本当に想定外の事であった。

魚影は濃く、数は伸びるが、型が出ない遠征であった。

初日、明るくなる頃にフィールドへ到着したものの、天候は雪。時折、北風に雪が舞う悪天候であった。本来、秋から冬の道東は晴れの日が多く、過去にこの時期に雪であった事など殆ど記憶にない。そういう意味では、やはり何かが狂っている年であるとは思う。残暑が長く続いたり、季節外れの大雨となったりなど今年の道東地方は例年とは何かが違う様だ。そんな悪天候も10時頃には僅かながら青空も見えるようになった。釣果の方は数は順調に伸びるけど、釣れてくるアメマスは小型から中型までばかりである。その意味では消化不良気味の遠征であったけど、事前に情報でも小粒な魚が多いと聞いていたので、ある意味では順当な釣果だったと思う。

開いている水面には、白鳥が。大鷲や丹頂の姿も見ることが出来た。

岸際は結氷している為、氷を割り前へ進むしかない。

二日目の朝は、道東らしい晴天に恵まれた。但し、この日の冷え込みが強く、前日釣ったフィールドはほぼ全面結氷となり、近くの別フィールドも開いている水面が一部という厳しい状況であった。岸際に張った氷を割りながら前に進み、開いている水面にルアーをキャストするという釣りを強いられる。その意味で今回の遠征は、ギリギリで間に合ったというタイミングであったと思う。止水に近い半汽水の水は、氷点下ともなれば簡単に凍結してしまう。十勝川や釧路川の様な流水とは違うのだ。それも今回、岸に張った氷を見ると厚さは1cm近くもある。暑かった秋と言っても、一旦冷え込めばフィールドは直ぐに氷に覆われるという現実を目の辺りにしたような気がする。

このアメマスは、結氷した岸際の氷の上にいる。

二日目の朝は晴天となり、放射冷却現象なのか、この冬一番の冷え込みとなった。

道東の空は、何処よりも澄んで透明感のある色をしていると、個人的には思っている。この為、道東の朝日も本当に美しいものだ。夏の太平洋岸、晩夏の知床、初冬の十勝川など釣り人の特権までは言わないけれど、空を赤くそめる朝日をみると、しばし釣りを忘れて見入ってしまうほどだ。そんな道東の釣りも、今年は残り少ない。釣り場をソルトへ求めればシーズンオフはないけれど、短いようで長かった今年の釣りも事実上は終焉に近い。そんな寂しさを感じた、今回の遠征であった。