2012 盛夏のアメマス釣り

この時期の日の出は4時10分頃。夏至の頃よりは遅いが、まだまだ道東の朝は早い。

この時期の道東は夏至の頃に比べれば少しずつ日の出の時間は遅くなっているけれど、この国の一番東に位置する関係で7月下旬でも4時過ぎに日が昇る。30分前には釣りになる明るさとなるから、この時期の釣行は、殆ど睡眠時間が確保出来ない事になる。勿論それは遠征組の話だけど、例え地元に住んでいても、他所ではあり得ない時間に起きて釣り場に向かう事になるのだ。

コンディションは非常に良い。これは雄だが、個人的には雌の方が多く釣れる気がする。

道東の太平洋は北海道の中でも水温が低い場所で、現在でも10度を少し超えたくらいではないだろうか。但し、アメマスにとってはほぼ適水温と言える環境の様だ。この為、魚の元気良さは特筆ものである。太い魚体と相成って大型のランディングは、かなり運も左右される。もっとも、寄せられればランドするチャンスもあるのだが、今回などはバイトした瞬間に口が切れたアメマスも居たほどだ。ファイト中のバレも多い釣りでそれはシングルフックを使用している事も関係あるかもしれない。フッキングの場所次第では、強烈なファイト故に身切れを起こすという事だ。その意味では例えフックが一つであっても、魚の傷つけている遊びだなと思う。

今回も大型のバレに泣いた遠征だったけど、一本だけはフッキング場所が良かった事も幸いして何とかランドすることが出来た。前回よりも波があったことも楽だったと思う。ただ、この海域のサーフはいがいに幅が狭く、場所によってはサーフ全てが波をかぶっている事がある。そうした場所は、まず捕れないと思うな。まさか左右に引きずっていくわけにもいかないからね(人が少ないから、やろうと思えばやれるが・・・)。

比較的澄んでいる場所だけど、濁っている場所もまだまだ多い。

3時半過ぎから10時近くまでサーフを釣り歩いたけど、今回は大きな群には巡り会えなかった。ただ、車へ帰還途中に1カ所に釣り人が集まっていたから群が入っていたのかもしれない。僕が近づいた時には反応は皆無であったけどね。その意味では群に巡り会うのも運が必要だと思う。それでも広いサーフでは単発的に喰っていたし、岸際近くでも良型のアメマスが跳ねていたり、やや沖合でボイルも認められたので魚も岸寄りしているようだ。但し、岸寄りしたアメマスはルアーへの反応が今ひとつの事が多い。食性が違うのだと思うけど、なかなか喰わない中であるときドカっと喰ってきたりするので、集中力を切らさない事が大切だ。また、信じられないくらいの波打ち際で喰ってくる事もあるので、最後までキッチリ引き切る事も必要だろう。もっとも、波打ち際のトレースは非常に難しいのも確かだ。特に波が高めの時は引き波も加わり、ルアーが翻弄されてしまうのだ。

豊頃町のシンボルであるハルニレの木。実は二本の木が合わさっているのだ。

直接釣りには関係がないのだが、今回の遠征は宿を帯広に求めた。太平洋の海岸線でも軽く25度を超えていた昨日だけど、内陸は30度を超えている。特に夏の十勝は空気こそ乾燥しているものの、晴れの日が多いので肌を刺すような日差しが降り注いでいた。そんな中で車を降り、ハルニレの木を訪れてみた。駐車場は完備されているけど、木は河川敷にあるので炎天下の今時期はかなり暑い思いをすることになる。このハルニレの木は樹齢が約140年ほどらしく、近くで見ると判るけど、二本の木が一体化したようになっているのだ。遠目では形の良い一本の木にしか見えないのだけどね。

この周辺では珍しく観光客の訪れるハルニレの木だけど、個人的には冬の葉が落ちている頃が好きだったりする。木の枝ぶりがはっきりと判るからかな。水墨画調にしたものがwallpaper別館に置いているので、興味があれば見てみてください。

遠征の帰路、芽室町郊外では麦が黄色く色づいていた。

7月に終わりを告げる頃、十勝地方では小麦の収穫が始まる。ヤマメ釣りで南十勝の渓流を彷徨っていた時代には、夜遅くなっても作業灯をつけた巨大なコンバインを良く見かけたものだ。この小麦は収穫時期に気を遣い、徹夜で一気に刈り取るようだ。そんな刈り取りが始まる頃、南十勝のヤマメは銀色から婚姻色に移る季節でもあった。昔は小麦の収穫が始まると、短い釣りシーズンの終焉を寂しくおもったものだ。今はアメマスの遡上ももう少しだと感じる風物詩に変わったかもしれない。