2005 つゆどき九州旅行

阿蘇

霧の米塚

霧の米塚

阿蘇山上へ向かう途中の米塚。塚の名前の通り、規模が小さな円錐形の寄生火山。霧に覆われていたのだが、一瞬だけ霧が晴れその姿を現した。が、数十秒後には、霧が・・。

阿蘇のカルデラはとにかく広大である。

阿蘇のカルデラはとにかく広大である。

阿蘇の外輪山尾根よりカルデラ内側を望む。北海道の広大さとは違った阿蘇独特の風景。その広さ故、短期間の滞在では阿蘇の一部しか知ることが出来ないと思う。阿蘇周辺には温泉も数多く沸いており、数日滞在するのも一つの手かもしれない。

カルデラ外輪山の内側は険しい。

カルデラ外輪山の内側は険しい。

カルデラ外輪山。外側は比較的ゆるやかな山肌だが、内側は場所によってかなり激しく落ち込んでいる。

4

カルデラ内に水田、道路、町があるのが阿蘇である。

カルデラ内側に水田、町、道路がある阿蘇の風景。町を走ると四方八方が山に囲まれているのが判る。

黒川温泉

黒川温泉 山みず木にて

黒川温泉 山みず木にて

初日は黒川温泉に宿泊した。「山みず木」は温泉街より少し離れた場所にある。部屋からは筑後川源流の一つである渓流が見え雰囲気は抜群だ。夜は川の畔に数匹の蛍が姿を現した。宿の方に聞くと、周辺の蛍はこれからが時期だと言っていた。

宿の夜、お遊びでの一コマ。ストロボ光にモミジだけが浮かび上がる。

宿の夜、お遊びでの一コマ。ストロボ光にモミジだけが浮かび上がる。

宿でのお遊びでの一コマ。まだ陽は高いのだがストロボを使用してモミジを撮影してみた。

この時は露天風呂付きの部屋へ。

この時は露天風呂付きの部屋へ。

山みず木」は宿泊だけではなく、露天巡りでかなりの人気宿。露天風呂は全部で三つあり、一つは混浴で残りの二つは女性専用である(差別だよな~)。混浴の露天風呂と内風呂(宿泊客専用)も個人的に高評価だが、一番気に入ったのは部屋専用の露天風呂だ。お湯の温度も自分好みで木々と渓流、夜には蛍を眺めながらの入浴は極楽だった。※(注)2005年当時です。近年ここを訪れた知人の話では、露天風呂の構成が少し変わっている様です。

テラスの上に

テラスの上に

テラスの手摺にて。最初は生きていると思っていたのだが屍であった。自宅にて調べてみたが恐らく「シロスジカミキリ」と思われる。宿の方が善意で置いたものなのか、ここで自然に息絶えたのかは不明(^^:。

今回は千歳~羽田~熊本空港へ。直行便であれば福岡へ飛び、空港から黒川温泉まで約110kmと二時間くらいだ。今回は千歳~羽田間をマイレージの無料チケット。羽田~熊本はバースデイ割引を利用した。直行便の方が乗換の無い分楽だが、問題は到着時刻であろう。

空港から各地へは公共機関利用も可能だが、北海道と同様レンタカーが一番だと思う。レンタカー利用での注意は、北海道の距離感で移動時 間を予測しないことだ。交通量、道路事情が北海道とは異なる。感覚的には倍の時間が掛かると思った方が無難だ(高速道路のぞく)。宿泊は、阿蘇周辺は豊富 に存在する。昨年は杖立温泉に訪れた。ここも黒川温泉同様、昔ながらの温泉情緒あふれる場所だ。

天草

阿蘇を離れ、天草へ向かう途中。のどかな海である。

阿蘇を離れ、天草へ向かう途中。のどかな海である。

黒川温泉を出発し、阿蘇外輪山を沿うように西へ。三角町が九州本土の出口となる。三角町にある海産物屋で鯵の干物を購入した。鯵の干物など何処でもあると思うのだが、三角で売られていたのは丸干しなのだ。値段も安く、一匹あたり100円也。但し、北海道までの送料を考えると一気に200円オーバーとなるんだよなあ。そうそう、三角手前の不知火の海では有明同様、干潟が広がっていた。

天草 上島の風景

天草 上島の風景

三角町から大矢野島、永浦島、前島を経由して、いよいよ上島へ上陸となる。もっとも、橋で繋がっているし、距離もそう離れていないので島を渡ったという感覚は薄い。途中の大矢野島には天草四郎メモリアルホールという施設が国道沿いにあったので、興味のある人は立ち寄るのも良いかもしれない。今日の宿泊は下田温泉近くにある。途中、島を横断する道路沿いには、なんとものどかな風景が広がっていた。

下田温泉付近は美しい海岸

下田温泉付近は美しい海岸

下田温泉近くの海岸は、景観に優れている。広がる海は東シナ海である。今の御時世だとちょっと微妙な名前の海だが、今更そんな事を言っても始まらない。光の加減でエメラルドグリーンに輝くが、その色はやはり北海道とは少し違うようだ。

下田温泉付近は美しい海岸

下田温泉付近は美しい海岸

上の写真の広角版。岩礁だけを見ていると、北海道でも良く見かける海岸線なのかもしれない。でも、全体像をみるとやはり違うのである。

大江天守堂

大江天守堂

大江地区では島原の乱以降も隠れキリシタンとして信仰を守り続けていたとの事だ。写真は大江天守堂。現在でも信者が礼拝を続けている建物。

下田温泉付近 夕方近く

下田温泉付近 夕方近く

これも下田温泉近くの海岸の風景。夕方となり、立体感が出てきているね。コンパクトデジカメで適当に撮影した写真なので偉そうな事は言えないけど・・。

下田温泉付近

下田温泉付近

上の写真同様、下田温泉近くの海岸。少し場所を移動している。海が丸く写っているね。ま、何処の海も丸いとは思うけども。

この日の宿は、五足のくつ

この日の宿は、「五足のくつ」

天草での宿は「五足のくつ」という宿だ。五足の靴という変わった名前は、明治40年に発表された紀行文の題名との事だ。上のキーワードで検索すれば詳細は出てくるので詳しくは割愛します。この宿はちょっと変わっていて、リゾートホテルの様に宿泊棟が全て離れとなっている。写真はフロントやBARのある管理棟。ヴィッラ・コレジオという名前らしいが、建物を遠目で見ると寺にしか見えん。

メゾネットタイプの部屋であった。

メゾネットタイプの部屋であった。

宿泊棟は何種類かあるようで、今回泊まったのはメゾネットタイプというもの。二階建でメインは二階部分か。一階にも部屋があったけど、結局使わなかった

18

ベランダから何とか見える海

上の写真のベランダより、無理な姿勢で何とか撮影した宿から見える海景色。薄曇りの天気で逆光という条件下だったけど、何とか海が写っているね。

瓦屋根の建物は、食事処(淡味・邪宗門)

瓦屋根の建物は、食事処(淡味・邪宗門)

薄曇りの中から一部太陽が顔を出したようだ。手前の屋根は淡味・邪宗門という名の食事処。今思うと、瓦の模様が綺麗だね。

食事処からのサンセット(再掲載にあたり、少しトリミング)

食事処からのサンセット(再掲載にあたり、少しトリミング)

食事中に撮影したサンセット。もっとも、水平線は雲だから正確な表現ではないが。北海道より10度ほど西に位置する天草は当然の事ながら夕暮れは遅い。八時半くらいまで薄明るいのは、かなり違和感を感じる。

天草 宮津付近の海

天草 宮津付近の海

天草 富津(河浦町)付近の海岸線。brogでは宮津と書いてしまったが帰宅してから旅路を調べると富津の間違いでした。

天草から鹿児島方面へのルートは海路もある

天草から鹿児島方面へのルートは海路もある

天草から鹿児島方面へ向かうルートは、熊本へ戻り南下するルート。そして、牛深町からフェリーで長島へ渡り南下するルートがある。当初、熊本経由を考えていたのだが、天草での宿でフェリーで渡っても時間的には変わらないとの話を聞き、急遽フェリーでのルートへ変更となった。船は約30分の所要時間。料金は2460円とリーズナブルだ。

鹿児島~指宿

長島へ上陸

長島へ上陸

長島へ到着。乗船した船は第二天長丸。第二だから単なる天長丸もある。違いは船名だけではなく、第二の方は操舵室が前後にあることのようだ。ちなみに長島は鹿児島県。牛深は熊本県なので船で越境となった次第。ちなみに長島の入港は蔵之元港という港にはいる。名前からして酒か?と思えるのだが地名の由来は判らんです。

道の駅「長島」近くの海岸 海が美しい

道の駅「長島」近くの海岸 海が美しい

道の駅「長島」の近くの海岸線。薄曇りながら非常に綺麗だった。ここで昼食を食べる。食べたのはお勧めと書いてあった「さざえ丼」。味は不味くはないけど、卵とじの為、サザエの味がイマイチ判らん(笑)。

道の駅「長島」近くの海岸 海が美しい

道の駅「長島」近くの海岸 海が美しい

上に同じで道の駅長島近くの海岸線。波しぶきを見ていると結構な潮の動きがあるようです。

鹿児島県阿久根市付近の海岸線

鹿児島県阿久根市付近の海岸線

鹿児島県阿久根市付近の海岸線。この辺りが一番暑かった。車載の気温計で34度。乗車中は日差しを別とすれば涼しいのだが、撮影の為に一歩降りると・・・。

鹿児島と言えば、観光客にとっては桜島であろう

鹿児島と言えば、観光客にとっては桜島であろう

鹿児島といえば桜島です。翌日は曇っていて桜島は見えなかったため、前日遠目とはいえ見えてよかった。不謹慎な事を言えば、ドカンと大噴火してくれると見応えがあったのだが(^^:。

道の駅「喜入」(きいれ)にて

道の駅「喜入」(きいれ)にて

道の駅喜入(きいれ)。白い車が今回のレンタカー。カローラだが、まあまあ良く走ってくれた。但し、トルクはもう少し欲しかったな。登坂車線のあるような場所だとトルクでは登れない。まあ、普段乗っているのが大排気量のディーゼル車という事もあるのだけど。ここから、目指す指宿(いぶすき)まで少しです。

宿の窓からみえる風景(指宿 秀水園)

宿の窓からみえる風景(指宿 秀水園)

宿到着。部屋の窓から見た風景。写真の宿に泊まったわけではありません(^^:。指宿での宿は秀水園。実は今回の旅でもっとも手こずったのが指宿での宿選びだった。結局、ネットの口コミ評価と秀水園のサイトに載っていた「プロが選ぶ日本のホテル100選」なる評価をみて決定した。結果的に満足だった宿だけど、指宿で一番かどうかは別の問題だと思うし、この手の評価は人それぞれ感じ方が違うので参考までに。

珍しい管理者のショット

珍しい管理者のショット

宿での珍しいショット(笑)。人間が写っている画像はデジカメ、携帯共にこれ一枚だけだ。今回、この宿のみJTB経由で宿を予約したのだが閑散期という事もあるのだろう。特別室という部屋に通されてしまった。三つの部屋に分かれており、内風呂は檜風呂。調度品も何かしら高級感が漂う身分不相応な部屋で一種の居心地の悪さを感じたよ(笑)。写真は金屏風の前で殿様気分で(爆)。

天草から指宿は遠い。カーナビやPCの地図で検索すると距離にして300km。所用時間は5時間。観光旅行としては距離がありすぎる。フェリー利用だと距離は200km程度。但し、フェリー乗船時間と待ち時間および道路状況を考えると、宿で聞いた通り同等の時間とみるのが無難だろう。今回の旅は天草を経由しているが、熊本を出発し南下する旅であれば、霧島周辺に宿を求めるのが無難だろうか。

指宿で有名なのは「砂むし風呂」。海岸の砂浜で砂をかぶって入浴する。宿に到着したのは4時。この時点でも気温は30度を超えていて、温泉などと思っていたのだが砂を出た時は思いの外涼しく感じたよ。砂むし風呂を出て、シャワーで砂を洗い、湯船に入るという流れだけど体験して気に入ったな。でも、やはり出来れば2月や3月もしくは11月という時期の方が快適に入浴出来るだろう。もっとも、その時期には間違っても特別室など無理だろうけど(笑)。

当日、持ち込んだPCで値段を調べたのだけど4万以上とられる部屋だからねえ。ちなみに今回の宿、大型の温泉旅館だけど料理は非常に美味しかった。それを自慢しているだけの事はあると思う。このクォリティがハイシーズンでも提供出来ているならば文句なしでお勧め出来る宿かもしれない。ちなみに、今回の九州旅行の宿はどこも接客は非常に良い宿ばかりだったよ。何処が一番かは言えないけどね。言えないというより、順番をつけれないというのが正しい表現かもしれない。

宿の形態も違うし、訪れる客層も違うと思われる。なんと言っても、好みもあるから評価は難しい。それでも、今回訪れた宿は誰が泊まっても不満を感じる事は少ないはずだ。部屋、料理、接客、雰囲気は一定水準以上のものがあるし、そういう宿をネットなり知人なりから情報を仕入れて選んだからね。

知覧周辺

長く伸びているのが長崎鼻

長く伸びているのが長崎鼻

開聞山麓自然公園。写真の右方向に伸びているのが長崎鼻という名の岬だ。長崎鼻にも立ち寄ったのだけど、雲が多く開聞岳の姿は殆ど見えなかったのは残念。開聞岳は別名「薩摩富士」の名前がある。しかし、日本人は富士が好きだよなあ(^^:。ま、それはさておき、長崎鼻からみると海に浮かんだ様に見えるらしいので、ちょっと残念でした。

トカラ馬 

トカラ馬

トカラ馬。開聞山麓自然公園 に放牧されています。本来は鹿児島県トカラ列島中之島にいる馬とのこと。農業需要がなくなり、本土に移住させ種を保存しているとの事です。

開聞山麓自然公園にて

開聞山麓自然公園にて

開聞山麓自然公園内の風景。やはり南国していますね。

知覧町武家屋敷付近

知覧町武家屋敷付近

知覧町の武家屋敷群入り口から。知覧町は薩摩の小京都と呼ばれている町です。

知覧は武家屋敷やお茶で有名だが、戦時中は特攻隊の基地でもあった。

知覧は武家屋敷やお茶で有名だが、戦時中は特攻隊の基地でもあった。

ある武家屋敷の門。歴史の浅い北海道では、まず見かける事のない建物でしょうか。

武家屋敷 枯山水の庭

武家屋敷 枯山水の庭

西郷恵一郎氏邸庭園。枯山水式の庭園。昔、修学旅行で訪れた竜安寺の庭園を思い出しました。何故か僕は枯山水が好きなんですよね。本当の池とかある庭園は綺麗だと思うけれども、枯山水のそれは吸い込まれそうになるような魅力を感じます。なんて書いていると嘘だろ!とか爺とか言われそうですなあ(笑)。

役場前に設置されている水車

役場前に設置されている水車

知覧町役場前に何故か水車がありました。今回の旅行で見た水車はこれで二つ目。一つ目は阿蘇の何処かでだと思うけど、思い出せません。まあ、観光用でしょうけど殺伐としたアスファルトに安らぎを与えてくれるような・・・。ちなみに、この水車に続く用水には沢山の鯉がいました。人の歩く音に寄ってきますが数が尋常じゃないので気持ち悪いくらいです。試しに用水に指を入れたらバイト連発です(笑)。
====
最終日、鹿児島空港へ向かう途中に知覧町という町へ立ち寄る。ここは薩摩の小京都と呼ばれる古い町並みの美しい町だった。町の周辺は茶畑が多く、土産に茶 でも買おうと立ち寄った店が自家栽培、自家製造している農園であった。買うだけの予定だったのだが、茶菓子付きでお茶を出され、畑で放し飼いにしていると いう鶏の卵を持たされた。飛行機だから卵は・・と辞退したのだが割れないように包んでいるから持って行けと譲らない。仕方なく、手荷物として飛行機に二回 も乗せて札幌まで持ち帰った。食してみると黄身の味が濃い良い卵だったな。帰宅後にネットで調べると、こちらの茶園は一番山農園というサイトを発信している。肝心のお茶も美味しく、2000円以上であれば送料無料との事なので利用してみるのも良いかもしれない。

茶園を後にして指宿スカイライン経由、九州自動車道で鹿児島空港へ。短かった九州の旅も終わりだ。熊本から鹿児島と地図上の距離以上に回ったなあ・・というのが実感か。天気は梅雨時期という事を考えると比較的良かったのではないかなと思っている。
阿蘇が霧に見舞われたのが残念だったが、地元の人に聞いたところ阿蘇は霧が有名との事。北海道で言えば摩周湖と似たようなものなのかもしれない。昨年は福 岡~湯布院~高千穂~杖立温泉~福岡というルートで旅をし、今年は熊本~黒川温泉~天草~指宿~鹿児島というルートで旅をした。この中で僕がもう一度行き たいと思う第一番は阿蘇だ。独特の広大さと残された自然は北海道に似ている何かがある。いつになるかは判らないが、いつか阿蘇だけを目的として旅してみた い。

2005年7月3日 自宅にて

2016年2月追記

この当時は今でいうLCCや超割のような格安航空券はなく、その代わりバースデイ割引というものがありました。6月末が管理者の誕生日である為、梅雨の真っ盛りに南国九州の温泉地へ出かけるという、ある意味で暴挙である旅なのですが、それ故にタイトルが「梅雨時:つゆどき」なのです。