2017 春の北大植物園

北大植物園 シラネアオイ

4月29日から夏季の公開が始まった北大植物園では、既に桜が開花しているものの、シラネアオイは五分咲き程度。北大の校章に使われているオオバナノエンレイソウは開花している株を見かける事はなかった。小さな花を咲かせるエンレイソウやコジマエンレイソウは既に開花しており、エンレイソウ類でもとりわけ花の大きなオオバナノエンレイソウは、育つまで時間が必要なのかもしれない。

それでも、園内は春の陽気に包まれており、これから暫くは多くの花を咲かせる季節となったようだ。

北大植物園 シラネアオイ

渓流を歩いていると野生のシラネアオイを見かける事もあるけれど、この種は人気が高く、盗掘されることも少なからずあるらしい。種から育てる場合、余程の好条件でも開花まで最低3年ほどかかるらしい。それはともかくとして、淡い紫色のそれは可憐で美しい花だ。

北大植物園 エゾノリュウキンカ

エゾノリュウキンカは、この時期になると谷間の湿地など水気の多い場所に良く生えている。鮮やかな黄色の花がとても目立つので、釣りなどでフィールドを歩いていると見かける事の多い花だと思う。こうした場所には水芭蕉も混生している事が多い。

北大植物園 エゾノリュウキンカ

北大植物園 ニリンソウ

ニリンソウはこの時期の山間では、何処でも見られるほど一般的な草花だけど、僕は好きな花だ。大群落となっている事が多く、そんな場所は見応えもある。

北大植物園 アズマイチゲ

北大植物園 アズマイチゲ

アズマイチゲとキクザキイチゲはよく似た種だけど、混生している事は無いようで、それぞれの離れた場所に群落となって咲いていた。見分け方は色々あるらしいが、葉に大きな切り込みが入っているのがキクザキイチゲと覚えておけば判別は出来ると思う。

北大植物園 キクザキイチゲ

北大植物園 エゾエンゴサク

園内の林間にはエゾエンゴサクは当たり前の様に咲いているけど、この種について言えば、北大植物園では大群落ではなくどちらかと言えば、単発的に咲いている感が強い。それ故、滅多にレンズを向けることはないのだが、今回はまとまって咲いている場所を撮影してみた。

北大植物園 キバナノアマナ

キバナノアマナも植物園に限らず、この季節のフィールドでは普通に見かける種だ。聞くところによると、食用にもなるそうだ(葉と鱗茎が食用となるらしい)。

北大植物園 キバナカタクリ(西洋カタクリ)

黄色のカタクリは、今年初めて見かけた種だ。和名ではキバナカタクリという名前がついているが、北米が原産地らしい。園芸用に移植されたものという事で別名で西洋カタクリとも呼ばれているとのことだ。移植種という事で少し抵抗はあるのだが、園内何処でもこれが生えているというわけではなく、きちんと区画を切られた場所に咲いていたので、本来のカタクリと交配して云々という心配はなさそうだ。

北大植物園 ハクモクレン

園内にはキタコブシと共に、ハクモクレンも満開となっている。どちらの花も開花して数日すると散ってしまう様で今が見頃だ。もっとも、これも珍しい種ではないので、わざわざ植物園に見に行くという必要はないだろう。あるとすれば探索路際に生えているので、大きな花を目の前で観察出来るということだろうか。

北大植物園 熱帯睡蓮(ペンシルベニア)

植物園内にある温室では、今時期でも熱帯睡蓮が花を咲かせていた。睡蓮は夏になればそれこそ北海道庁の池などを埋め尽くしているけど、この紫の色は熱帯系の睡蓮独特のもの。個人的には派手な花よりも、淡い色をした花が日本的で好きなのだが、熱帯睡蓮だけは実物を見ると魅力のある種である。

北大植物園 熱帯睡蓮

北大植物園 鴨はブレているが、水紋が美しかった。

北大植物園の景色