2008 道東の大河 2

ジグの超遠投にて

下流域は、太平洋岸特有の霧に覆われる事が多い。その風情は、十勝ではなく根釧のそれだ。

三週目となる十勝川は、木々の葉も落ち、徐々に初冬の様相を見せ始めてきた。今週は先週遠征後半の不調を引きずっているのか、初日・二日目ともに魚の出は非常に厳しいものがあった。昨夜、仲間と話した中で魚が居な くて釣れないのか、居ても喰わないのかという話題になった。僕は居ても喰わないと感じたのだが、今日の釣りで追いを目撃したので、居ても喰わないというの は信憑性がありそうだ。反応する魚が居るという事で何とか型は見ているのだけど、そのアタリも遊んでいる様な反応が多く、今ひとつ波に乗れていないのが現 在の十勝川ではないだろうか。勿論、波に乗れていないのは川ではなく僕なのかもしれないのだが・・・。

十勝川でアメマスの釣れる流域は、千代田堰堤から下流に限られる。大まかに言うと、十勝川温泉から少し下流より河口までが、アメマスの釣り場である。地図上で計測してみると、流 れに沿った距離は40kmを超える。池田付近では、十勝らしい大陸的な風景だけれども、河口が近づくと芦の姿が目立つようになり、河川敷の木々と共にその景色は根釧地方と共通するモノトーンの世界である。大津に寄るため、堤防沿いを南下していると、道路に黒い支柱の様な物が見えてきた。やがて、近くに近づくと支柱に見えたそれは大鷲であった。大きな羽を広げ、ゆっくりと飛び立ちやがて霧に覆われた空に溶け込んでいった。