2024 晩秋の渓とエノキタケ

アメマスの遡上する渓流 雪化粧して冬の様相だが、鮭の遡上が極端に少なく、アメマスの反応はごく僅か

本命はエノキタケの採取ではあるものの、道南のアメマス釣りもタイミングが重なっており、ロッドを振りつつキノコを採取するというパターンが多い。この釣りについては鮭の産卵でこぼれる魚卵を捕食している事の多いアメマスを狙うというもので、エッグを用いたルースニングが圧倒的である。ルアーも全く反応しないわけではないけれど、マッチ・ザ・ベイトに反したルアーは一投目勝負である事が殆どで、苦戦を強いられることが多い。

今回については半日ロッドを持って反応があったのは4回ほどであった。しかし、最大のチャンスは入渓した直後の一匹で、こちらは完全に不意をつかれた感はあるものの釣り人としての僕のミスであった。残りの反応は最終的に食いにはきたものの、かなり厳しい状況で改めてこの釣りの難しさを感じた気がする。同行した釣友の話によれば平日に知り合い数人も入っている様な事も言っていたので、スレている可能性もあった。その中でも僅かとはいえ反応してくれたのだから、最終的には自分の腕としかいえないけれど、大雨などによる増水後は違った結果になる可能性もあり、その意味でもタイミングが全てと言えるのかもしれない。

羆の徘徊した跡は多数見受けられるが、この足跡は雨と降雪前のもの

エノキタケ 気温が上がり、雪が溶けたので何とか形にはなったが、寒さに強いキノコとはいえ、雪に埋もれると採取は困難だ。

遡上が少ないとはいえ、遡上した痕跡は認められる。頭部だけが河川敷に残されていた。熊の捕食後だろうか。

これはムキタケ。エノキタケ同様に晩秋の頃に発生する。ムキタケは薄茶色の個体と僅かながらに写っている右上の様な灰色っぽい個体が存在する。それほど好みではないキノコだが、灰色っぽいそれは歯ごたえがあり美味しい。

エノキタケは河川沿いのように一定の水気がある場所に発生することが多いけれど、倒木があれば山麓や下手をすると自宅の庭でも発生する。発生時期は遅く、霜が降りるような季節になってからだ。この時期はエノキタケの他にムキタケや多少タイミングが異なるけど、ナメコの発生時期と重なる事が多い(とはいえ、ナメコは数週間早いと思うが)。

基本的にこの時期のキノコは倒木に発生するキノコとしてはエノキタケが圧倒的に多く、毒キノコであるツキヨタケはほぼ見かける事がない。僅かながらにニガクリタケは生えている事があるだろうけど、傘が茶色く、ヒダは白から薄茶色、柄が黒い(幼菌は上部は白っぽい場合も多い)ことが特徴のエノキタケと見間違える事はないと思う。その意味では安心して採取できるキノコではあるのだが、例年採取している場所も羆の出没が多い場所であり、採取も安楽ではない。

エノキタケ この倒木でのエノキタケは少し早いのだが、1週間後では遅い。キノコのタイミングは難しいのだ。

エノキタケ群生 久しぶりに見事な群生をみつけた。 老菌で見かける事が多いのだが、成長期で食べ頃のこうした群落は幸運である。

道南の秀峰 駒ヶ岳 エノキタケ採取場所からとても遠いのだが、北海道新幹線の工事関係者が多いのか、近場の宿は満室が続いている。

この時期は訪れた事のない別渓流 アメマスは既に降海してしまったようだ

居着きのイワナが数匹遊んでくれたが、この数匹で満たされた気がする。

エノキタケの成菌 市販のエノキタケと全く異なるのが、この種である。ここまで傘を広げると傘裏が変色してくる場合も多いのだが、こんかいは裏が真っ白の成菌が多く、まさに採取タイミングがバッチリであった。

駒ヶ岳と並び、道南の秀峰とされる羊蹄山。