前回の道東遠征でも魚影の少なさは実感していたものの、群次第では釣りになると考え、ホームグラウンドのサーフを歩いてみた。結果的に何本かのアメマスが顔を出してくれたのだが、型も魚影も以前の道東とは違ってしまっている。
ようやくウミアメらしい魚が釣れたのは、更に東へ向かった場所であった。しかし、この釣り場もタイミングがあるようで訪れた日は魚影が濃いとは言えない。坊主を覚悟したが、1匹だけトルクフルなファイトのアメマスが釣れた。ただ、太さはそこそこであるものの頭についた傷のような模様が痛々しい。
2日目は更に東へ車を走らせたのだが、波が想定以上に高く、苦戦を強いられた。また、水草が多く海岸を漂っているようで、写真の澄んだ水とは裏腹に一投毎に水草や海藻が絡まってくるのは閉口してしまう。結局、この場所も長居することはなく、2日目の釣りを終えた。最終日は阿寒湖へ仲間が集結する為、午後は移動をかねて道東の風景を楽しむドライブとなった。
厚岸から東の地は場所ごとに海も陸も、そして道の景色も異なる。そんな道東でも僕は霧多布から根室にかけての景色が好きだ。霧多布周辺の台形のような地形、それより東の海と点在する湿原、根室まで足を伸ばせば、春国岱のような手つかずの自然が残されている。
この時期の阿寒湖は、ボートによる深場の釣りが恒例行事となってしまった。釣りとしては自分でポイントを読み・・・という釣りの一部分を欠いた釣りになることと、キャストもしないわけではないけれど、ほとんど真下を狙うというそれはかなり安楽な釣りの部類に入る。
ただ、この釣りは仲間と一緒に楽しく釣れるのは最大のメリットであろう。また、年によって差はあるけれど、概してコンディションはよく、大型が揃うのは確かに魅力のある釣りである。
この釣りは過去に80cmを越えるアメマスも釣れたことがあると聞き、行くたびに是非とも超大型をと思っているけれど、魚影が濃いこの深場の釣りは狙って大型を釣ることは出来ない。それでも、今日の朝に釣れたアメマスはヒット後の大きな首振りと同時にロッドのティップが水面に突き刺さった。
上がってきたこのアメマスはサイズこそ70cmを切る大きさだったけど、淡水のそれとしては異様な太さである。釣れたアメマスがワカサギをはき出す事も何度かあったので、群れているワカサギを飽食しているのだろう。
道東の海岸線は、ちょっとした場所に花が咲き乱れている。エゾカンゾウはそろそろ終盤だけど、ハマナスだけはどこの地へ行っても、美しいマゼンタ色の花で楽しませてくれる。この道東もカラフトマスが始まれば、既に秋の気配である。一気に夏となり、その短い夏の間に多くの花が咲き乱れるのだ。