夏季休暇の後半となり、最後の平日を有効に使おうと、札幌近郊の渓流を訪れてみた。平日だから無理に早く向かう必要もないし、日帰り釣行出来る距離だから、帰りの煩わしさも皆無である。
久しぶりの道央渓流だけど、やはり大都市圏近くの川は多くは望めない。それでも、ポイントをしっかり攻めれば、そこそこの魚は出てくれるのも、やはり北海道の渓流である。今現在、放流がどれくらい行われているのかは判らないけれど、イワナはそれなりの数は出てくれたので、河川環境は一定のレベルに保たれていると思う。但し、丘陵地帯を流下する川であり、いつ訪れても、多少の濁りがある川だ。
今回は前日に地図を確認し、ある区間・・・橋から橋を釣り上る予定を立てていた。移動用の自転車を脱渓する橋の欄干に固定し、車で下流へ向かった。この直線距離は約1.5km。川の蛇行もあるから2kmくらいだろうか。朝7時に入渓したので、当初は3時間程度。掛かっても、昼頃に橋まで釣り上れると考えていた。ところがウェーディングしながら釣り上がり、深場は藪漕ぎして巻くという事を繰り返しても、昼になっても脱渓予定の橋にたどり着かない。
結局、橋に到着したのは、午後三時。飲み物は持参したけど、途中飲まず食わずで7時間も釣りをしていた事になる。ポイントは多いけど、魚もスレている事は間違いないので、ポイント毎に色々試しながら釣り上ったとはいえ、時速300mというレベルだから、朝一で入って正解だったと思う。途中、土手の上にある道路に出ることも出来なくはないけれど、猛烈な藪漕ぎを100m以上行う必要があり、この時期にそれは出来れば避けたい事の一つだからね。
今回釣れた魚は、イワナ(アメマス)、ヤマメ、ニジマスの三種。一番、魚影が濃かったのはイワナであり、次にニジマス、最後にヤマメといったところだろう。オショロコマも生息している筈だけど、今回は1匹も釣り上げていない。
北海道では餌釣りであればヤマメ、ルアーやフライであればニジマスが好きという釣り人が多い。そして、それを否定するつもりはないけれど、僕は基本的なスタンスとして在来種であるヤマメやイワナ(アメマス)が好きで、それ以外を狙って釣るという事は年々少なくなっている。
今回は久しぶりにニジマスを釣り、ゲームフィッシングの対象としては、確かに面白い魚であることは再認識した。ただ、やはり外来種であり、現在の何でもあり的な放流には、僕は否定的な考えを持っている。釣りたいから、放流するという発想は、大昔のバスと何ら変わらない。だからと言って、駆除すれとも思わないけれど、釣り人や業界のモラルに頼らず、しっかりとした指針、ルールは必要だと思う。
現在、この川にサクラマスあるいはアメマスの遡上があるのかは判らない。下流にあるダムに魚道が設置されたという話も聞いているけれど、この川は岩盤底が多く、産卵には適していない様な気がする。何れにしても、イワナ類は放流は皆無なので、ネイティブといっても良いと思うけど、ヤマメについては正直何ともいえない。しかし、新子の姿は皆無であったので、恐らくは放流された残りだと思う。写真は写せなかったが(ぶら下げた後、逃げ出してしまった)、9寸(尺はないと思う)ほどのヤマメも出たので、それなりの数は生息しているようだ。
渓を遡行していて、ある倒木にナラタケが発生していた。まだ8月上旬だけど、水際であったので気温が上昇しても倒木付近は冷えているのかもしれない。殆どが幼菌であったので、採取はしなかったけど、タモギダケの時期にこんな事もあるんだと感心した次第。