2013 遡上アメマスの季節

旧白糠線の橋梁が見える流れで。

旧白糠線の橋梁が見える流れで。

この季節は、言わずと知れた遡上アメマスの季節である。増水するタイミングで上流を目指すアメマスは、多くの場合、群れとなっており、それに当たれば良い釣りが出来る。反面、群れに出会えなければ、釣りそのものが成立しない。今年の僕は、典型的な後者で二つの流域を探ってみたが、遡上の姿は皆無であった。遡上タイミングは年によって前後するのは理解しているけど、九月中旬となっていれば、多少なりとも上流域に魚はいるはずなのだが、魚信はおろか、魚の姿を流れに見かけることはなかった。

更に下流に行けば、恐らくアメマスに出会えるのかもしれないけど、そうした場所は多くの釣り人で賑わっており、そこで竿を出す気持ちにはなれない。入渓点に停められた多くの車を見ると、皆仲良く釣っているのだと思うけど、釣れる釣れないではなく、川では自分のテンポで好きなように釣りたいのだ。その意味では、この釣りは例え魚が居たとしても、朝一番の勝負となることが殆どだ。その時間が自分の釣りが出来る唯一のチャンスだからね。

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二カ所ほど流域をかえ探ってみたが、遡上アメマスの魚影は皆無であった。

本来は他の釣り場の帰り道、ワンポイントで寄る場所である。

本来は他の釣り場の帰り道、ワンポイントで寄る場所である。

下流域に湿原を持つこの川は、多くの支流を集め、原野を流下している。そんな最上流域のポイントは、この時期になると海から遡上したアメマスが到達する。但し、この時期の釣りは本来はあくまでもピンポイントの釣りであり、本命視して訪れる場所ではない。ただ、数時間の釣りが楽しめれば良いという事であれば、ある意味、安楽なポイントなのかもしれない。平野を流れる川と同様に、この川もタイミングよく訪れる事が必要だけど、8月下旬から9月の上旬に群れが到達することが殆どで、後は水量次第だろうか。最上流域故、深場は少なく、渇水時はポイントが正にピンポイント。、このような場所でルアーを振るのは、ある程度の慣れが必要である。逆にその事がこの川の釣りを面白くしているのだが、初心者には全くお勧め出来ない。

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この川ではこれくらいがアベレージ。それでも時折、とても抜き上げられないサイズが出るから気が抜けない。

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秋の気配を感じるが、川の周りは、まだまだ緑に覆われている。

入渓者が多ければ、ボサが踏みならされて比較的キャストもしやすい。もっとも、そのような場所はプレッシャーが高く、なかなか魚が付いている事は少ない。但し、これも水量次第で、増水気味であれば新たな魚が入り込む事も多いので、大場所を含め、マメに探っていくのがこの川のコツであろう。使用ルアーは何でも良いと思うけど、やはり定番のRAPALA CDは不可欠。特に対岸のバンクを狙うには、着水同時にスッと沈み、尚且つ、流速で泳ぐルアーが良い。反対に足下のバンクはシュガーディープなどの潜るタイプをゆっくり逆引きしてくるのが効果的。個人的には、対岸バンクのピンスポットキャストで着水即バイトが面白いけど、流石にそれだけではポイントは少なすぎる。また、浅いと思っていても、小さな倒木周りに身を潜めている事も多いので、狭い川ながらも、広く探る方が結果は出るようだ。

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この時期、咲いている花の殆どはこれ(猛毒の鳥兜)

最上流に近いここでは、遡上アメマスも川の色をしている。

最上流に近いここでは、遡上アメマスも川の色をしている。

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今年は訪れるたびに、霧に覆われている感がある。道東らしいと言えば、それまでなのだが。

釣り終えて、林道を走っていると霧の中に木々や丹頂の姿がみえる。こうした景色は道東独特のもので、僕は決して嫌いではない。また、こうした霧が土地の乾燥を防ぎ、多くの湿原が残されている理由でもある。ただ、同じ道東でも阿寒の霧は、木々の殆どが針葉樹という事もあり、ある意味で日本的ではない景色もまだ道東の一部である。

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これから冬までの間、丹頂は畑に姿を見せる事が多くなる。

阿寒近くになると、針葉樹と霧の組み合わせが多くなる。

阿寒近くになると、針葉樹と霧の組み合わせが多くなる。