然別湖の湖水に住むオショロコマを、地元ではミヤベイワナと呼んでいる。学術的にはオショロコマの亜種であり、本来はプランクトン・イーターである。難しい話はともかく、ダム湖を除き、止水に生息するオショロコマは僅かな場所でしか生息が確認されていないようである。
現在、レギュレーションが決められ、釣りを楽しむ事が出来る然別湖だけど、釣りとしてオショロコマはそれほど楽しいものではない。でも、この美しい姿を見てしまうと年に1度はこの魚に会いたくなってしまうのだ。
然別湖の湖岸は湖上からそれをみると、阿寒などと異なり何故かしら暖かさを感じる。標高的には然別湖(810m、阿寒は420m)の方が遙かに高いのだが、十勝という土地柄なのか広葉樹が多いからだと思う。もっとも、音更湾などに上陸してみると、シャクナゲのような高山植物が非常に多い。
帯広に宿を求め、翌日は同じ十勝の海岸線へ向かった。初夏のこの時期、様々な花が咲き乱れているからだ。若い頃、このような場所へ興味はなかったのだが、十勝海岸は素朴な自然が残されており、観光客も少なく、癒やしを求めて訪れたくなる。