2017 網走湖にて

到着時は、ほぼ満月

網走湖は札幌から約350kmと、とても日帰りで行ける場所ではない。しかも、季節は厳寒期であり、運転には気を遣う。十勝時代は日帰り圏内であったので、年に何度もこの釣り場を訪れたけれど、札幌に戻ってきてから暫くは網走湖を訪れることはなかった。しかし、昔からの仲間が集まるようになり、ここ数年は年に1度、大人の遠足の様に湖上で仲間と顔を合わせる事が季節行事となっている。

暗い時間でも釣り人は湖上に居る

建前上は夜間、湖上に立ち入るのは禁止となっている。しかし、実際はそれなりの釣り人が暗い時間から湖上で釣りをしており、それは黙認されているようだ。結局のところ、何かあった時の防波堤的な禁止なのだろう。

厳寒のオホーツクに集う 大人の遠足である

本州在住であるK氏が持ち込んだ電動ドリル。薄く柔い氷であればハンドドリルで十分ではあるけれど、久しぶりに寒い冬となった今年の網走湖は報道通り40cm以上の厚さがあり、穴開け後半はかなり筋力を使った。これから、どんどん体力が落ちていく年代となり、電動ドリルが魅力的に感じたのも事実だ。

この小さな魚に釣り人は夢中になるのだ

呼人湾でアメマスは珍しい外道

網走湖の標高は海抜0mであり、汽水湖である。昔は周辺の降雨量が多く、殆ど淡水であった事もあるようだが、現在では干満により海水が湖内に流入する。それ故、フナやヤマメやニジマスなどの淡水系魚種は、塩分濃度の薄い女満別側で多くみられることが多い。降海性のあるアメマスについても、どちらかと言えば女満別側で多くみられ、呼人ではヌマガレイやウグイに比べて釣れる事は少ない。

湖上の杭は解禁場所の境界である

気温が低く、テントの外では、瞬く間にワカサギは凍り付いてしまう。

かつては定番であった小川テントのノースガード

写真では小さくみえるが、このテントはかなり昔に買ったもので、当時のワカサギ用テントでは最大級のものだ。本州からのゲストがワカサギ釣りで集まるイベントがあり、出来るだけテントに入れるようにと購入して今に至るのだが、厳寒期でソロで釣る場合は体積が大きすぎ、室温が上がりづらいのが欠点だ。但し、これだけ大きくても設営は非常に簡単だ。

氷上で食べる「おでん」の温かさは有り難かった。

網走湖の午後はオジロワシが姿を現すことが多い。

網走湖の湖岸には国道が走り、石北本線も平行しており、時折汽車が通過する。山側には大きな観光ホテルも並び、自然豊かなという雰囲気ではないのだけど、多くの鷲類もそこに生息している。特に夕方近くになると、餌を求め、湖上を飛んでいる事が多い。これは釣り人が投棄したヌマガレイやウグイを餌としている為だろう。ワカサギ以外の魚を投棄するという行為は正直、褒められたものではないし、自分も湖水に帰すようにしているのだが、朝の湖上にそれらの魚は皆無である事を考えると、網走湖についてはそうした人間の行為も黙認するしかないのかもしれない。

網走湖のサンセット 写真的には大したものではないのだが、好きな景色のひとつ。

網走湖は流氷が接岸すると急激に気温が下がり、まさに厳寒となるのだが、それでも湖上の朝は氷点下15度以下に下がっていた。この気温は気象庁などのアメダス数値とは全く異なる。当たり前の話だが、現在の観測点は市街地にあり、建物からの暖気で市街地の気温は見かけ上は上がってしまうのだ。また、網走湖は数キロとはいえ内陸部に位置しており海の影響を受けにくい。それ故、これからの時期、網走湖では氷点下20度を下回ってもおかしくない。

帰還日に通過した能取湖。