2010 Lake AKAN

2時台にもかかわらず、雄阿寒の稜線がはっきりと判る。
阿寒湖 大島で釣れたアメマス。平均的に良型が多かった。
晴天無風となれば、湖面は鏡のように静まりかえる。
阿寒湖 大島の森

二週間ぶりに訪れた阿寒湖は、日中は春らしい日差しに恵まれた。気温も軽く10度を上回っていた様だ。深く湖水に立ち込んでいても、寒いと感ずる事はなかった。それでも早朝は道東らしく冷え込み、車載の温度計は-4℃を表示していた。道東の夜明け前を撮影しようと、三脚を持ち漁協の桟橋へ向かったところ、湖水から上る水蒸気で凍結していた。こんな冷涼な地域だけど、道東の朝は早い。この時期の日の出は4時頃だけど、三時前に到着した頃には、雄阿寒の稜線がハッキリと見えていたのだから。

早朝5時、漁協の船で大島へ渡った。到着時は殆どライズは無かったと記憶している。それでも、定番のポイントへ立ち込み何度かのキャストを繰り返 していた時、右手にコツンというアタリを感じ、魚は目の前にいる事を知った。でも、一匹目がヒットしたのは、暫く黙々とキャストを繰り返した後のことだ。それから散発的にライズが始まるものの、ルアーへの反応は決して良いとは言えない。いや、同行した仲間や釣り場で出会った友人達を見ていても、フライへも 反応が良かったとは言い難い。それでも、僕の目の前に魚群が居た様で、朝食前に何匹かのアメマスに出会えた。でも、日が高くなるにつれ、ライズはあるもの のアタリは遠のき、鏡のような湖面は静まりかえっていた。

昼で大島へ見切りをつけ、予報で昼から風を受けるとされている北岸へ向かう。漁協の桶屋氏に状況を聞いても、どのポイントも芳しくないようで「風が出てこないと、釣りにならん」と仰る。阿寒湖に限らず、何処の釣り場でも行楽日和に良い思いをした事がない僕は、その言葉を重く受け止めてしまう。それでも、到着して暫くすると徐々に風が出てきたようで、水面がさざ波立っている場所も出てきていた。でも、風が出てきて直ぐに釣れるわけはない。

何も反応が無いまま、北岸を歩くか粘るかの選択を迫られた。そんな時、ウェーディングを繰り返していた湾で、小さいながらも回遊していたであろう アメマスが顔を出してくれた。粘るしかない。そう決めた僕は、湾とその先の芦の生えている岬で順番にキャストを繰り返した。風も強くなり、適度な波が湖岸を洗う。そんな時、岬の右で不意をつくようなアメマスが連発で来た。魚群が寄ったのか、活性が高くなったかは判らない。でも、恐らくその両方だと思う。持 ち込んだスプーンの中で重量級であるヘブンの16gをフルキャスト。着水同時にジャーキングを入れ、フォールの為の間を開ける。この直後にゴン!とアタリ が出る。悲しい事に乗ったのは三分の一も無いだろう。もっとも、魚の反応があれば、バラシが多くても、楽しい時間なのだ。

最後の一匹を釣った時、同行していた友人を見ると、彼も良型を釣り上げた様だ。この日は彼も苦しんでいた様なので、ラストに結果が出て良かった。しかし、こういう一日は本当に疲れる。もともと、土曜日に釣りをして日曜日は帰還する予定でいたけれど、土曜日一日で久しぶりに本当に疲れた釣行だった。 睡眠不足も理由の一つかもしれない。でも、こうした遠征も後になれば楽しい思い出となる。いつかは良い釣りも出来る事があると思うしね。それを期待し、次回は何時にしようか考える僕は、釣りをしない人間から見れば懲りない人間なんだろうなあ。