2013 西別川を釣り歩く

西別川の周辺は、その殆どが牧草地だ。

西別川の周辺は、その殆どが牧草地だ。

道東の名流と言われた西別川は、摩周湖を水源とするスプリングクリークである。上流域の美しさは、釣りをしなくても惹かれてしまうほど、清らかな水と多くの梅花藻に覆われていた川である。過去形なのは、理由は判らないけれど、今年の西別川上流の梅花藻が激減しているからだ。鹿の食害などネット上でも話題になった事だけど、本当の理由は僕には判らない。かつての阿寒川も梅花藻が揺れる美しい渓流だったけど、今では殆ど姿を見ることは出来ない。何れにしても、昔とは何か変わってきているのは間違いはないだろう。

そんな西別川もかつては中西別から中春別あたりがフィールドであったけど、年々川が浅くなり、濁る事も多くなり、訪れる事も少なくなってしまった。それでも上流域の美しい流れを見ることが出来ればと、初夏の頃に顔を出すのが恒例となった感がある。

冷涼地とはいえ、6月に桜とは。土手の斜面には、残雪の残っていた。

冷涼地とはいえ、6月に桜とは。土手の斜面には、残雪の残っていた。

春が遅かった今年の北海道だけど、西別川周辺も同じようで、6月だというのにに桜が咲いていたし、何カ所かで日当たりの悪い斜面には雪が残っていた。道東とはいえ、内陸部である西別川の上流はそれなりに気温も上がる筈なのだが、今年はやはり寒かった様だ。

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入渓した場所の対岸には、オオバナノエンレイソウが群落となり、花を咲かせていた。

オオバナノエンレイソウの名前の通り、花はとても大きい。

オオバナノエンレイソウの名前の通り、花はとても大きい。

オショロコマ うっすらとパーマークがあり、朱点も認められる。

オショロコマ うっすらとパーマークがあり、朱点も認められる。

知床のオショロコマは、どちらかと言えば流れの緩い場所に群れでついていることが多いけど、西別川のオショロコマは、不思議と流れがあり、しかし、太い倒木の脇ぎりぎりに定位している事が多い様だ。

川原は殆どなく、独特の流れとなっている。

川原は殆どなく、独特の流れとなっている。

蕗も大分伸びて、葉も大きくなってきた。

蕗も大分伸びて、葉も大きくなってきた。

場所によっては、コゴミ畑になっていた。

場所によっては、コゴミ畑になっていた。

コゴミと西別川

コゴミと西別川

春から初夏にかけて、西別川ではコゴミの群落を見かける。勿論、夏でもそれはあるのだけど、今時期の方が山菜としてのコゴミであるから、好きな人には堪らないであろう。倒木が多い為、秋にはキノコも多い様な西別川である。

上流域だが悠々と流れる。

上流域だが悠々と流れる。

小型だが、既に風格のあるアメマスである。

小型だが、既に風格のあるアメマスである。

上流域における僕のお気に入りポイント。

上流域における僕のお気に入りポイント。

西別川上流の(あくまでも僕にとっては)最大のポイントは、この時期に訪れれば、必ず魚が溜まっているポイントである。深みと流れに変化があり、倒木も多い流れは毎年の様に姿を変えるけど、そういう場所を魚は好むようだ。フッキングはしなかったけど、今回の釣行で最大のアメマスが出たのも、ここのポイントである。

この流芯脇の倒木に、良型がついていた。

この流芯脇の倒木に、良型がついていた。

バンク周りなど、ポイントは無数にある。

バンク周りなど、ポイントは無数にある。

遡上した大型は、皆無であった。

遡上した大型は、皆無であった。

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牧草地の中に、立派な桜がそびえ立っていた。

藻琴山より屈斜路湖を。日広峠よりも、僕は好きかも。

藻琴山より屈斜路湖を。美幌峠よりも、僕は好きかも。

西別川上流域は、地名でいうと標茶町虹別より上流域である。付近にはキャンプ場もあるし、少し走れば宿も少なくはない。今回は屈斜路湖の湖畔に佇む仁伏温泉へ宿泊し、行程は往復とも旭川紋別道を通り、美幌経由でアタックした。距離的には阿寒湖を経由した方が近いけど、道東を訪れるのに同じ道ばかりだと正直飽きてしまうのだ。そんな寄り道をしていると、これまで見たことのない景色に出会ったりするものだ。

今回は地図をみて、初めて藻琴峠を走ってみた。山頂付近から見える屈斜路湖は、美幌峠とは違っているし、人工物が眼下に少ないのが嬉しい。美幌峠は広大で北海道らしい景色が楽しめるけど、僕はこちらの方が好きだね。わざわざ寄ることもないと思うけど、静かに景色を楽しみたいのであれば、こちらもお勧め出来る。