夏の阿寒湖は早朝に新子ワカサギを捕食するアメマスを狙う事も出来るようだけど、基本的にはアメマスは深場を狙った釣りが主流となる。勿論、岸からのキャスティングゲームでは無理があり、おのずとボートを仕立てての釣りとなる。
場所さえわかれば自前のボートでも釣れない事はないと思うけど、ポイントは馬の背のかけあがりであり、GPSは当然ながらも定位できる仕組みはどうしても必要になる。トローリングであれば、かけあがりをトレースすることで釣りにはなるだろうけれど、キャスティングタックルで臨む場合は素直に人数を集めてボートに乗った方が無難だ。
ところで自分や仲間の影響もあると思うけど、近年はこの釣りはかなりの人気らしく、土日を中心に予約で埋まっている事が多いと聞く。そんな事もあり、最近幹事をして貰っている釣友が予約を入れるのが1年前。それでも今後の人気次第では先駆けされる可能性も出てくるような気がする。
この釣りをしていると水面で派手なライズに出くわす事が多いのだが、このライズの正体もアメマスである。それ故、ライズの起こった場所にキャストをしたくなるのが釣り人だけど、早朝を除いて大抵は反応してくれることは少ない。このライズの正体は表層を泳いでいる新子ワカサギを捕食するアメマスなのだが、アメマスが定位しているのは水温の低い深場である。
電光石火の浮上と捕食を行い、水底へ戻るというパターンがこのライズの正体である。生き餌に疑似餌を紛らせて釣れないとは言わないけれど、数を狙うならライズは忘れ、湖底を探る事に力を注ぐべきだと僕は思う。
夏場の釣りである阿寒湖のボートフィッシングでは気温が上がる事も多く、表層域の水温はアメマスが生息出来るレベルではない。そんな事もありアメマスは早々にリリースをする方が間違いはないと僕は考えている。それ故、ランディングはリーダーを手で持ち上げ、その状態でフックを外す。これでも遠投して掛けたアメマスはぐったりしている事も多いので、水面まで寄せたらバレてしまうのが自分にとってのベスト。
それでも矛盾は承知だけど僕も写真を撮影することもあるので、完全に(魚)アメマス本位で動いているわけじゃない。それでも、そうした配慮はアマチュア釣り師として持ち続けていたいと思っている。
阿寒湖から野付半島までは120kmほど離れており、気楽に立ち寄るという移動ではないのだけど、僕は野付半島を始めとする根室の原野的な景色が好きで道東へ行くなら立ち寄ってみたいと考えている事が多い。ちなみに道東で120kmの移動は距離数=時間と考えても問題はない。信号がなく、平地であるという事が理由だけど、阿寒湖から野付半島までの移動については峠道を横断する為、2時間半というところだろうか。
野付半島は漁業関係の番屋があるくらいで基本的には自然のままであるけれど、湾の対岸に見える尾岱沼漁港や集落も近くに見えるので、その景色はすべてが自然というわけではない。外洋側は多くの定置網が設置されていたりと手つかずの自然というわけではない場所だけど、それでも独特でここの地しかない景色は自分の自然観にマッチして心地よい。
道東の帰りに立ち寄る事の多い場所が十勝川河口近くのトイトッキ(豊北)原生花園。8月に入るとアキアジ釣りの竿が海岸線に並ぶ場所であるけれど、この原生花園を訪れる人も少なく、素朴で十勝独特の海岸線景色と相まって魅力的な場所となっている。気温が上がる十勝らしく、ノハナショウブが満開の野付半島とは異なり、既にノハナショウブも終焉に近い。
それでも無数と思えるほど咲いているエゾフウロ(ハマフウロも混じっている)に癒やされる場所でもあるのだ。