2014 大雪の秋

既に冠雪し、紅葉も中腹まで下がっている。

既に冠雪し、紅葉も中腹まで下がっている

全国的にはまだ暑さが残る9月に、初冠雪を迎えるのが大雪山旭岳。間違いなく全国に報道される初冠雪だけど、この頃の紅葉は不思議と一度も訪れた事はなかった。遡上アメマスの時期なので、同じ長距離を走る方角が違っていたのだ。そんな今年は旭川に所用があり、それならばと北へ向かって車を走らせてみた。

旭岳を訪れるのは久しぶりだけど、昔は日帰りでスキーを楽しんだこともある。純粋にスキーを楽しむというだけであれば、道央の著名なスキー場へ向かえばいいけれど、自然の中を滑っているという野趣溢れるという意味では旭岳は別格であった。黒岳にも冬に訪れた事があるけれど、層雲峡という規模の大きな温泉街が眼下に見えると少し興ざめしてしまう。それだけ旭岳は自然豊かな場所であるけど、1600m付近まではロープウェイも整備されているので、誰もが豊かな自然を楽しむことが出来る場所だ。

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旭岳のハイマツ

ロープウェイ姿見駅周辺の紅葉

ロープウェイ姿見駅周辺の紅葉

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常緑樹とのコントラストが美しい

紅葉の季節は天候が大切である。特に大雪山では遠景にも紅葉を眺められる場所なので、霧などがかかると厳しい。もっとも、霧の雰囲気も捨てがたいものがあり、こればかりは運に左右されるのだろうね。霧で何も見えなくても、風向き1つで僅かな時間に視界が広がりという事もあるのだから。

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鏡池にて

ロープウェイ姿見駅付近は既に森林限界をこえ、高山帯となっている。高山帯へ運航しているロープウェイは日本では旭岳のみとのことだ。この森林限界の境目も、地形により真っ直ぐなっているわけではない。それ故に自然の造形美を楽しむことが出来るのだ。もっとも、この森林限界は緯度が高い旭岳は1400~1500m付近らしい。本州では2500m付近と言われているので、1000m近くも低いことになる。旭岳は2291mと本州の山に比べると低い北海道の最高峰だけど、仮に3000mを越えていたら山頂は万年雪や氷河が発達していたかもしれない。

旭岳のチングルマ

旭岳のチングルマ

既にかなり色はあせていたけど、遊歩道脇で目を楽しませてくれたのがチングルマの紅葉だ。まさに大群落と言ってもよい。そんな遊歩道の脇にシラタマノキがひっそりと。

旭岳のチングルマ

旭岳のチングルマ

旭岳のチングルマ

旭岳のチングルマ

旭岳のチングルマ

旭岳のチングルマ

旭岳のシラタマノキ

旭岳のシラタマノキ

旭岳のシラタマノキ

旭岳のシラタマノキ

姿見の池近くの噴気孔にて

姿見の池近くの噴気孔にて

遊歩道であっても、山の霧は嫌なものだ

遊歩道であっても、山の霧は嫌なものだ

噴気孔は旭岳が活火山であることを示している

噴気孔は旭岳が活火山であることを示している

旭岳は気象庁が監視している活火山である。しかし、有史以降の噴火記録はないようだ。もっとも、現在でも噴気孔から水蒸気が著しく立ち上っており、気象庁の観測も行われている。

ロープウェイの車窓から

ロープウェイの車窓から

ロープウェイの車窓からも紅葉を楽しめるけど、そのに点在するダケカンバの姿が好きだ。北海道では標高の高い山は殆どがダケカンバ林となっているけれど、旭岳の山麓は様々な木々が混生しており、そのコントラストが美しい。

麓も少しづつ色づいている 勇駒別湿原周辺

麓も少しづつ色づいている 勇駒別湿原周辺