この時期の道東は夏枯れまではいかないものの、本流のニジマスやサーフからのサクラマスとそろそろ岸よりが伝えられるカラフトマスというイメージが多い。もっとも、渓流域に入ればヤマメやイワナは問題なく釣れるし、今回立ち寄った西別川も最上流域の為、規模的、釣魚的には渓流といえる。
一般の渓流と異なるのが、道東河川であるということ。夏でも中型程度の居着きアメマスや、野生化したニジマスが飛び出てくる可能性もある。それ故、ライトタックルを多用する事も多いのだが、例によってRAPALA CD5を引き切りたいという事もウルトラライトを用いない理由だ。
リップの角度と大きさによるリトリーブ抵抗が大きいCDは、現在のミノーに最適化されたロッドではジャークを多用するCDでは厳しいのだ。
有名な小清水町の原生花園は海側よりも濤沸湖の方が個人的には好みで、放牧された牛や馬が点在する雰囲気もいい。この小清水原生花園で有名なのがエゾキスゲ。独特のレモンイエロー色が特徴だけど、不思議な事にこの地でエゾカンゾウを見ることはない。
知床半島基幹部の野付半島では逆にエゾカンゾウが咲き、エゾキスゲは咲いていないようだ。このエゾキスゲは独特のレモンイエローをしているのが特徴なのだが、エゾカンゾウと同じ花だと認識している人も多いようだ。今回の小清水原生花園ではシーズン終盤なので色が薄いと話している人がいた。
エゾフウロとハマフウロの花は殆ど同じで、がくに長い毛が生えているのがエゾフウロとの事だ。ただ、中間の個体も多い様でなんとも言えない個体もあるのは事実ではある。
サケ釣りで有名な忠類川の中流域に、オジロワシの幼鳥が居た。こちらを警戒しているのは間違いないのだけど、サギの様な警戒ではなく、見通しのきく木を往復してこちらを伺っているようだ。
野付半島も好きな場所の一つで、道東の中でも春国岱と共に異国的な雰囲気を持つ。先端部のトドワラは既に風化が進んでおり、30年前の景色とは全く違っているけど、半島中間にあるナラワラの方が暫くその姿を楽しめそうだ。この周辺は道の周りにも色々な花が咲いており、初夏に訪れたい場所の一つ。
もっとも、異国的な雰囲気は春や晩秋のモノトーンの世界である方がある。それでも初めて訪れるのは初夏の今頃をお勧めしたい場所だ。
直別と尺別のちょうど中間にキナシベツという地名があり、その海沿いに湿原が形成されている。昔はウミアメのシーズン中、こちらを中心に海岸を歩いていた場所なのだが、初夏の頃の花も素晴らしい場所であった。ウミアメ最盛期にこの地名を書かなかったのは駐車場所のキャパが小さく、多くの釣り人が集中するとトラブルが発生するからだ。
このキナシベツというカタカナ表記の他、木梨別や木無別の漢字を当てる事もあるようだ。雰囲気的には根釧のそれだけど十勝側に海岸を少し歩くと直別川の河口があり、河口を越えるとそこは十勝である。