2009 道東大河の釣り 5

厳寒期に差し掛かっている今時期のウェーディングは辛い。

口にくわえているのは、小さく見えるが22gの重量級スプーン。

この時期としては、非常にコンディションが良い。

橙から薄紫に水面の色が変わる。冬の短い昼が名残惜しい。

十勝川の下流では、水面が凍り付く少し前、明るい体色で体 高のあるアメマスが姿をあらわす。仲間内では遡上と呼んでいるけど、どういう生態でいるのか確かな事は判らない。僕自身は大型の遡上と呼んでいるアメマスは、早い時期に産卵を終え、河口周辺まで下っている個体が、何らかの理由で再び登ってきたものだと考えている。ちょうどシシャモの遡上タイミングと合っているような気もするからね。そう考える理由は、お盆の頃に川で釣れる産卵遡上群の魚体とは太さのレベルが違うからだ。

ただ、小型中型の光ったアメマスは、本当に海から遡上してきているかもしれない。更に東の地域では、産卵に参加しない群れが初冬の頃に釣れるからね。

そんな事を考えたのは、今回の十勝川では体高のあるアメマスが多く釣れたからだ。勿論、明らかに下りという体型のアメマスも混じるのだけど、餌が豊富なおかげか、隣接するアメマス河川に比べると産卵後の回復は早い様でコンディションは非常に良い。

今回の遠征は水位が安定している為、昨年良かった自称”超ウェーディングポイント”で竿を出してみた。200m以上はある川幅半分までウェーディングが出来るので、そう呼んでいるけれど、何カ所かは似たような釣りが出来る場所もあるので、特別なポイントというわけではない。それでも、車から少々歩くため、好んで入る釣り人は少ないようだ。第一、川半分まで立ち込むのであれば対岸から釣った方が効率は良いし、安全である。特にこれからの時期は水温も気温も一気に下がってくるので尚更だ。それでも、ハードなウェーディングで攻めるこのポイントはバイトが全て沖という事もあり、僕自身の好きな”十勝川の釣り”が出来る場所でもあるのだ。