2025 盛夏の道東にて

野付半島にて 鹿は普通に見かけるが、立派な角を持つ牡鹿に出会うには運が必要かもしれない。

最近は道東を訪れる観光客も多い。インバウンドもそうだけど、国内旅行としても北海道は相変わらず人気があるようだ。食に関して陸の物はともかく、海産物は正直かなり怪しいと感じている北海道ではあるのだけど、漁獲が減っているのに需要が増大しているから価格は高騰する一方である。もっとも、食べ物以外でも需要が増えている事から、旅先の宿も一昔前に比べると数倍が当たり前になっている。

この状況が未来永劫続くかと言えばそんな事はないだろうとは思うけれど、羆の増加など釣りの環境を含め、今後の釣行が増える要素が少なくなっていく気がする。まあ、そろそろ体力を使うような釣りは次世代の釣り人に頑張って貰い、自分は量より質を求めた釣りを楽しんでいきたいと感じるようになった。

ハマナス 野付半島にて 盛期は6月中旬くらいだが、この種は秋口まで花をつける株も多い。

野付半島は日本最大の砂嘴(さし)と言われており、地図では小さな海老のような半島ではあるけれど、実際に訪れてみるとかなりの規模である事は間違いない。独特の地形やトドワラやナラワラなどの立ち枯れた木々の光景が有名だけど、内湾側は湿原でもある為、野鳥や鹿などの野生動物も多いので動植物の観察にも向いている。

でも、何よりも荒涼とした雰囲気がこの地の魅力である。そんな半島も初夏の頃は多くの野草が花を咲かせる。今回は既に花のピークは過ぎ、ハマナスやフウロソウが咲いているという感じではあるものの、ここでしか見られない風景に訪れた満足度は高い。

もっとも、「何もない」と感じる人も多いのだろうと思う。それは価値観の違いなので仕方がない事だし、この地は僕は好きだと公言するけれど文句なしにお勧めというつもりもない。それでも自分のサイトの写真をみて少しでも良いなと感じて貰えた人は訪れても良いかもしれない。

エゾカワラナデシコ 野付半島にて この花が咲くと盛夏にも関わらず、秋を感じてしまうのは自分だけだろうか。

ナラワラとサギの群れ 野付半島のナラワラも倒木が目立ってきた様だ。

野付半島 先端のトドワラこそ行かなくなったが、半島の雰囲気は根室の春国岱と並び、自分の中で双璧の地である。

野付半島 牝鹿が牡鹿の様子を眺めている

阿寒湖の夜明け 肉眼では山の稜線が辛うじてという明るさだが、最近のスマホはこれを手持ち撮影出来るは感心する。

盛夏の阿寒湖は表層水温は軽く20度を超え、冷水性のアメマスにとっては深場に潜る時期になる。もっとも、表層でアメマスの姿が見られないかと言えば、ワカサギを飽食している為、群れを追って表層に姿を現すことも多い。もっとも、これらを狙って表層で喰わすのは非効率的ではある気がする。全く釣れないわけではないのだけど、本物のベイトが周囲に多くいる状況下では喰わすテクニックは必要になるような気がする。

この時期の釣りは深場を狙った釣りと書いたけど、実際の深さは10m前後である事が多い。基本的にはルアーを真下に落とし着底させ、アクションを加えながらリトリーブを行う。時にはキャスティングを行うのだけど、いずれにしてもルアーを着底させるのは基本である。

釣りを始めて数時間は魚の反応もよく、時には複数のアメマスがルアーを追ってくる光景も珍しくはない。最終的にバイトに持ち込むにはジャークなどのアクションは必要だけれども、ただ引きでも釣れない事はない。この為、子供と一緒にという楽しみ方も出来るとは思う。

ルアーは大昔はスプーンなども使ったのだけど、最近はジグミノーかジグの二択だ。今でもスプーンで釣れないわけではないけれど、それを使い続けると極端に釣果は落ちると感じる。スプーンの場合はその形状からイレギュラーな動きを出しにくいからかなと分析しているけど、ワカサギを偏食するようになってきたという桶屋氏の話を考えると、細長いシルエットが有効なのかもしれない。

カラーについては何でも釣れるのだけど、この釣りだけはリアルカラーに分がありそうな気がする。本来僕はリアルカラーは好き嫌いで言えば嫌いな人間ではあるけれど、この釣りだけはワカサギをイミテートした方が反応は良いように思える。もっとも、天気や水温、時期によっても変わるだろうから絶対ではないのだけれども。

阿寒湖のボートフィッシング 夏場の釣りとして最近は人気があるらしい。もっとも、釣りとしては微妙な立ち位置であるとは感じている。

阿寒湖のアメマス ほぼワカサギだけを食べているような事を聞いた。食性が昔と変わってきているとか。

僕はこの釣りで殆どの場合はネットは使わず、手が届く範囲でフックを外してしまう。それ故、毎年決まったアングルの写真しかない。多少の良型が釣れたとしても、基本的なスタンスは同じだ。理由は複数あるのだけど盛夏という事もあり、早々にリリースしたい気持ちが強い。その意味では沖縄の釣りで使ったフックリムーバーは非常に有効だったと思う。僕のはスタジオオーシャンマークの製品だが、最近はパクリ的な商品も多く発売されているので、こだわらなければそれで十分かもしれない。

阿寒湖のアメマス コンデジではこれが限界。腹のディティールが飛んでしまっている。コンデジでも現像前提でマイナス補正しないと厳しいか。