2015 道東の大河 3

十勝川右岸 降雪の為、どうしてもアプローチしやすい場所を選んでしまう。

十勝川右岸 降雪の為、どうしてもアプローチしやすい場所を選んでしまう。

全道的に大荒れの予報となっていたけど、それは冬型が強まるからであり、そうした気圧配置では道東は晴れる事が殆どだ。但し、予想天気図の等高線の密度は風が強い事が予想され、釣り場に到着した時、左岸での釣りを躊躇してしまうレベルであった。また、季節的には想定外の降雪があり、川へのアプローチも簡単ではない。浦幌町のアメダス数値は10cm以下の積雪深となっているものの、実際には吹きだまりなどにより数値以上の雪が積もっており、スノーシューを装着してアタックするのが正解だったかもしれない。

4WDであれば、進入出来るとは思うのだが、無理は禁物である。

4WDであれば、進入出来るとは思うのだが、無理は禁物である。

体力を消耗する雪上のラッセルを嫌い、比較的川に近い右岸からアプローチする事にしたのだが、このポイントは暫く護岸が続いており、ウェーディングには全く向いていない。こうした護岸は泥が積もり滑りやすくなっている為、普段であれば決して訪れないポイントだが、今回は魔が差したというか、この護岸部の切れ目で足のグリップを失った瞬間、胸まで水に浸かってしまった。

十勝川下流域は流れは緩い。しかし、道東の平野流特有の押しの強さがあり、胸までの深さになると流れに押され、戻ることは出来ない。下流をみると倒木が流れを横切っており、万が一流されても何とかはなりそうである。しかし、そのオプションは最悪の場合だと思った方がよい。そこまで顔が浮いている保証はないからだ。結局、このときは岸に向かって2mほど泳ぐことになった。勿論、泳ぐといっても競泳ではないのだから、いわゆる犬掻き状態である。

結果的にウェーダーへの浸水は両足が膝くらいまでであったけど、当然流れ込む水は下半身ずぶ濡れ状態である。後は腹から両腕も濡れてしまった。幸いな事に気温はプラスであり、濡れた身体が凍り付く事は避けられたのは幸いであった。何とかなった今は笑い話で済むけれど、やはりこの時期の本流は全く気が抜けない。今回は嫌な予感がしていた護岸ポイントに、無理に立ち込んだ事が失敗の原因だろう。それにしても、危なかった。

水の遊びである釣りは十勝川の様な本流もあれば、山岳渓流や湖、海など様々なフィールドがある。でも、例え管理釣り場であったとしても、100%の安全性はない。それが自然のフィールドであれば、様々な危険が存在する。理屈では判っていた事だけど、今回の様な事があると身をもって知るという事になってしまう。長生きしたいとは思っていないけど、こうした形で命を落とすのは、絶対に避けなければいけない。そう感じた釣行になった。

 

このポイントはこの護岸がある故に普段は決して入る事はない場所なのだが。

このポイントはこの護岸がある故に普段は決して入る事はない場所なのだが。

晴天でのどかに見えるが、風が強く、左岸側は釣りにならないレベルであった。

晴天でのどかに見えるが、風が強く、左岸側は釣りにならないレベルであった。

ウェーダーへの浸水、俗にいう沈という状況では、釣りは継続出来ない。暖かい時期であれば、水を抜き、多少気持ち悪い程度で済むけれど、暖かい日とはいえ、徐々に寒さを感じており、身体の冷えを感じながら足取り重く車へ戻った。釣りについては、このポイントに入る前に立ち寄った左岸下流で岸の深みで底を叩いた時に45cmくらいのアメマスが喰ってきた。小型故に抜こうとした時にバレたので写真は無い。その他、着水後のフォールで二回ほど反応があったけど、こちらはどちらも乗らずに先の沈でエンド・フィッシング。夕刻まで粘っていたらとは思っているけど、降雪によりポイントを自由に移動出来ない事を考えると、かなり厳しい結果となったのではないだろうか。

降雪が無ければ、次週の釣りもあったかもしれないけど、今のところ、今回の遠征で初冬の十勝川は終わりの可能性が高いと思っている。次回は氷が落ちた瞬間・・・ではなく、春の連休前かな。かなり博打の釣りだけど、群さえとらえれば、こんなエキサイティングな釣りはないのだが。

青空と既に落葉した木々。何処にでもある風景だが、そんな景色が好きだ。

青空と既に落葉した木々。何処にでもある風景だが、そんな景色が好きだ。

浦幌のハルニレの木もすっかり落葉し、春が来るのを静かに待っている。

浦幌のハルニレの木もすっかり落葉し、春が来るのを静かに待っている。