昔は解禁直後の阿寒湖を訪れたりもしたのだが、ここ数年は解禁直後を外し、二週目か三週目に訪れるという釣りが多くなってきた。解禁直後を外すのは、連休で宿も釣り場も混み合うのを避けているだけなのだが、やはりそれは正解で土曜日とはいえ、僕の釣っているポイントで遭遇した釣り人は午前の遅い時間に二人のみ。
阿寒湖の著名ポイントの多くは、馬の背のように沖合まで遠浅となっている。このため、他の釣り人が居らず、先端までウェーディングを行うと、自分の正面は当然ながら左右へのキャストも可能だ。
阿寒湖へ通う様になった当初はスプーンとミノーを多用していたけど、ここ暫くはジグやジグミノー的なものばかりが多くなってきた。遠くを探れるのがメリットだけど、魚が寄っている時は軽量なスプーンやミノーも使わないことはない。でも、解禁から二週間の間、岸よりはかなり叩かれている筈でマズメは近くまで魚が寄ることはあるけれど、日中は断然遠投が有利だと思う。
そんな今回のヒットルアーの中で、断トツに効いたのが写真のワンダーリーチ。通常のワンダーよりも5g近く重量が重い、18gのシンキングペンシルだ。ワンダーの名前はついているけど、使い方は全く異なり、僕の基本はストップ&ゴー。それも、このストップを数秒入れたりする。実際、フォール中のバイトが一番多く、運が良いと着水で食ってくる。
ワカサギが多い年は葦の間にワカサギが集まり、それを狙ったアメマスが葦際に集まることがある。そんな時はボイルが連発していたりするのだが、今年のワカサギは釣りをしている限り、少ないような気がした。群れは見ないにしても、弱ったワカサギが水面に浮かんでいたりするのだが、今年は一度も見ていない。
湖の釣りで鏡のような水面となると、釣りはかなり厳しくなることが多い。今回は昼前の一時以外は適度な風を受けており(アゲインスト)、湖面の波もほどよかった。しかし、予想に反して爆発することはなかったけど、1日を通して、飽きない程度の反応が続いた日であったとは思う。その意味ではそこそこ満足した阿寒湖だったかもしれない。
北岸へ渡船した釣り人であれば、誰もが撮影する雄阿寒岳だが、時間や霧、雲の要素はあるにしても、似たような写真になってしまう。勿論、写真だけを考えれば周辺の木々や時間帯を選び、納得の1枚が撮れるのかもしれない。しかし、写真好きであると同時に釣り師である。釣りをやめない限り、そんな写真は撮れないと思う。それでも、訪れるのであれば秋以降が良いかもしれない。特に尻駒別は暗い時間から渡船し、雄阿寒に上る朝陽がとても美しいと思う。但し、天候には左右されるだろう。
その年の雪解け具合により、道道が閉鎖されていることもあるのだが、オンネトーから螺湾に抜ける砂利道沿いに水芭蕉の群落がある。それほど珍しくもない水芭蕉だが、この場所は今時期が見頃となるので阿寒釣行時の楽しみの一つとなっている。ただ、昨年の台風による豪雨はこんな上流域まで影響が多いようで、川筋が大きく変わってしまったようだ。
螺湾の水芭蕉を後にして南下すると、牧場が多くなる。その周辺の山々は今が桜の季節だったようだ。新緑の木々の間に、ポツンと咲く山桜はとても美しい。桜の名所にあるような桜並木も綺麗と感じるけど、自然の中で溶け込むように咲いている桜にはかなわない。