半分以上は山菜と宴会が目的なのだが、山が春を迎えており、道南の小渓流で竿を出してみた。一本目は先行者もあり、ポイントに魚の姿は無かった。二本目に入った小渓流では魚影はそれなりであったけど、大場所には岩魚が着いており、短時間ながら楽しめた遡行となった。型も特筆すべきものではないけれど、1本だけ喰わせられなかったけど、尺を超える岩魚がミノーを追ったので、条件次第では良い釣りも出来るかもしれない。ただ、この渓流は道南でも熊が多い場所にあり、その渓相もどちらかと言えばなだらかな川であり、遡行していても少し気味が悪いと感じた。ある意味、渓谷の方が少なくとも左右からの危険が少ない(落石などは勿論危険だが、熊という意味では)。
エンレイソウは比較的小さく、目立たぬ濃い紫色の花を咲かせる。オオバナノエンレイソウやミヤマエンレイソウなどは、白い花を咲かせる為、比較的見つけやすいのだが、エンレイソウは不用意に歩いていると通り過ぎてしまう事が多い。
必ずというわけではないけれど、カタクリが咲いている場所にはギョウジャニンニクも混生していることが多いと感じる。土壌や日の当たり方など似たような場所を好むのかもしれない。しかし、この川に流域におけるギョウジャニンニクの豊富さは、写真のレベルではなかった事をのちほど知ることになる。
シラネアオイは、道南の渓流でよく見かける種だ。ところが、この種は北海道の絶滅危急種にも指定されており、自然に分布している場所は今では数少ない様だ。道南の渓流域に多いのは、開発されずに山が残っているという単純な理由だけのような気がする。ある場所には群生していたりすることも多いのだが、この種は種から発芽したとしても、花が初めて咲くまで5~6年はかかるらしい。そうした成長の遅さが絶滅に瀕している理由の一つなのだろう。釣りや山菜で山へ入る時、この種を見つけたら踏んだり間違っても摘んだりしないように注意したいものだ。
この川の流域はギョウジャニンニクが群生しているのだが、その規模は非常に広く濃い。太い上等な物ばかりだったから、この地へ採取する人間があまり居ないという事なのだろう。熊の濃い場所という事もあるのかもしれない。流石に単独では採取へは恐ろしくて行けないけれど、来年以降に仲間と良いタイミングで再訪してみたいものだ。