2011 遅れた開幕

のどかな光景だが、既に濁りが入りつつある。
この場所では、対岸にも丹頂が姿を現した。
相変わらず、大きな尾鰭を持つ十勝川のアメマス。
今年の春は、雪はやや多め。ゆっくりと大地が顔を出す季節。

近年では二月後半ともなると、十勝川下流域の氷が落ちるようだ。在住時は、早い時期で3月の頭に茂岩あたりの氷が落ち、徐々に下流部が開いてくる という形であった。音別や茶路の河口域よりやや早い感のある十勝川だけど、最近はシーズンインと同時に音別・茶路並に釣り人が集まる様になった気がする。今回、旅来のポイント前を車で通ったけれど、車が数十台も土手に駐車してある光景を目にして、正直驚いてしまった。あれだけの数の車があるという事は、釣り場には50名近くの釣り人が居たのでは無いだろうか?確かに有望ポイントの一つではあるけれど、広い十勝川であれだけ集中するのは、ちょっと異様な気が する。

当然ながら僕は喧噪を避け、右岸の上流へ向かった。左岸という手もあるのだけど、この時期は利別川の濁りの影響を受けやすいので、どうしても春は右岸に釣り座を求める事が多くなる。春先に実績のある場所へ向かうと、河川敷に通じる道はまだ多少の雪で覆われていた。無理をすれば車で進入することも出来るけど、スタックの恐れもあり、道道脇に車を停め、身支度をととのえ川へ下る。水の色は、やや濁りがあるものの上々であった。反応は今ひとつだけど、数 投目に沖でヒット。ヘッドシェイクや重さは、そこそこの型だと思うけど、浮くかなというタイミングでフックアウト。その後、二回ほどヒットしたものの、全て寄せの途中で取り逃がしが続いた。ようやく、一匹目をランディング出来たのは、釣りを開始してから二時間ほど経過した時の事だ。

水温がやや上向いてきたのか、沖の反応が良くなってきた様だ。但し、普通のリトリーブでは殆ど反応がない。フォールのみに時折、口を使ってくれるという状況であった。それでも、前半戦よりは、やる気が出ているようで同じポイントで五本のアメマスをキャッチする事が出来た。午後二時頃、遅い昼食を食 べた頃は既に目的は達していた。実質の釣り時間は3時間半ほど。好調とは言えないけど、遅い時間でそこそこ型を見ることが出来たと思えば、自分的には上々の結果だと思っている。翌日も同じ右岸のやや下流のポイントに入ったけど、2本出た後が続かない。水位が昨日より高く、濁りも強くなっている。やはり、遅 かったかなとの思いもあったけれど、一週前は東北の震災で釣りは自粛したから、仕方が無い。そんな釣果よりも、この地で普通に竿を出せることが、どれだけ幸せな事なのかを強く感じた今年の開幕釣行だったと思う。