昔のソウハチ釣りは、たとえ船であっても他のカレイと同じく底釣りが多かったと思う。仕掛けこそ今と変わらない様だが、錘を着底させ探っていくというスタイルであったようだ。恐らく、この釣りが一気に広がったのはGPSや魚探が普及したからだろう。また、リールの進化もあったと思う。水深が三桁に届く沖合で浮いているソウハチを狙うのは、ハイテク機器の恩恵ともいえる。
また、浮きソウハチは群となっているのでそれに当たれば、一投ごとに複数枚の釣果となるため釣りというよりは漁に近いかもしれない。このソウハチだがこの時期のこれは干して焼き魚にすると非常に美味である。カレイ類の中では食味が少し落ちると言われているけれど、この時期のソウハチはとても美味しい。ただ、マガレイなどに比べると表面のヌメリが多く、これを完全に落とさないと独特の臭いがする。焼くにしても、大型の刺身にしても、まずはこのヌメリを取り切るかが美味しく食べる下ごしらえとなる。数が釣れる釣法であるため、釣れるがままキープを行うと帰宅後は大変なことになってしまうのだ。
北海道で浮きソウハチは太平洋岸に限られる。釧路・白糠沖も道東に在住していたころ著名な釣り場であった。札幌圏でいえば静内沖のそれは、大型かつ数が出ることで有名だ。周辺の漁港からも、この釣りを行う船が出ているけど、何れも静内沖に集結するので、この海域には特異な何かがあるのだろうね。
今回のオフショアは、室蘭在住K氏の愛艇に同乗させて頂いた釣りだ。船長兼ガイドとして色々な対象魚を釣らせて頂いていることは勿論有り難いけれど、普段はみることのできない景色を楽しめるのも楽しみの1つである。釣り師故にチャンスがあれば、釣りでお返しをしたいと思う。
最近はスマホは当然だけど、デジカメにもGPSが内蔵されている時代だ。故に洋上の何処へ行ったのかが判る。それ故、遊漁船では海域が特定されるという理由でGPS機器は御法度という船も多い様である。その気持ちも判らないわけじゃないけれど、この時代にそれも寂しい話だとは思う。それはさておき、肉眼でも駒ヶ岳が近いなと思っていたけど、ここまで沖に出ていたのだから当然だろう。