札幌から小一時間の位置する石狩市厚田区。かつては厚田村であった日本海に面する漁村だけど、父親の友人が厚田出身という事もあり、海水浴などでそれなりに訪れていた場所だ。細かな事を言えば、家の造りが良くなったなど近代化している部分はあるけれど、雰囲気は昔のそれと変わらない。
朝市が開催されており、流石に5月になると殆どの店が開店しており、魚種もそれなりに多くなってきた様だ。珍しいところでは撮影はしていないけれど、ソイなどの根魚も結構売られていた。小さなエゾメバル(ガヤ)はプレート一皿で数百円レベルなので、小さくても美味しい煮付けが食べたいなんて人向けか。
その他、鮮魚ではマガレイかスナガレイが目立つ。ちなみにスナガレイは相変わらず安い。マガレイに比べると、味が落ちるという市場評価の為だろうけれど、鮮度の高いスナガレイはから揚げなどでは美味しく食べられる。但し、あまり型が大きいとから揚げ向きではなくなるので、手のひらレベルが無難ではある。
昨年は破格値で4kgを超えたサクラマスを購入することが出来たのだけど、今年は昨年よりも全般的に価格は高めである。変動はするだろうけど、今日の相場はキロ1500円くらいなので、昨年の1.5倍ほど。
このサクラマスは3kgを超えると、キロ単価が上がっていく。ようするにデカいほど高価な魚になるという事なのだけど、その理由は大型の方が美味しいから。特に日本海産の大型(大型の定義は難しいけれど、感覚的には3kg以上であろう)は脂の乗りもよく、日本のサケマス類で一番美味しい(好みではあるにしても、美味しいのは間違いない)と評価されている魚だ。
その意味では今日買い求めたサクラマスは昨年よりも小さい個体ではあるのだけど、体高があり脂の乗りは上々であったと思う。自宅でさばいたところ、腹から20cmほどの魚が出てきた。鱗が大きい魚だったので鰊かなと考えたけど、時期を考えるとボラ系の魚かもしれない。
蝦蛄という生き物は刺し網で漁獲し、活きている状態で塩茹にする為、売られているものはボイルした状態が殆どだ。それ故、朝市でも早朝では店頭に並んでいない事も多く、早い者勝ちの鮮魚狙いと両立が難しいところだ。
昔から厚田を訪れている身としては、蝦蛄も厚田産を推すけれど売られていないものは仕方ない。それ故、厚田朝市の帰り道に石狩新港の朝市で蝦蛄を買い求める事が多い。
石狩については個人的には店によって塩加減の違いが多い気がするけれど、今回の蝦蛄はとても美味しく楽しめた。特に今時期の雌は所謂”カツブシ”を抱いており、甘い身と共に独特の食感と味が楽しめる。まあ、卵については好みはあるけれど、今時期は雌の方が商品価値は高い。