北海道のコシアブラ 2

伸びたコシアブラの若葉 逆光で美しい

極力外出するなと言われている中での山菜狩りは、正直なところ後ろめたさも感じるのだけど、現地までの往復ではコンビニにも立ち寄らず(札幌から食事は持ち込んだ)、人との接触は全くの皆無であるから、ストレス解消と運動に丁度良いのかなと考えている。

山菜狩りとはいえ、先日の道央で沢に滑落して云々という様な場所ではなく、林道脇の平坦な場所なので安楽と言えば安楽である。狙いはコシアブラとウドで、どちらも香りが非常に良い山菜だと思う。

僅かにタラの芽も採れたけど、好みで言えばウド=コシアブラ>>>タラの芽という評価であり、コシアブラとウドが採れれば満足である。特にコシアブラについては天ぷらのみならず、生のままみじん切りに刻み、炊きたてご飯に混ぜて食べるという楽しみもある。

このコシアブラだけど今日の旅程途中に国道脇でも何度か見かけたので、意外に身近な場所にありそうな気もしている。ただ、やはり北海道では一般的ではなく、有っても採取しないという人も多いようだ。

好みではあるけどタラの芽よりも山菜らしいと思うので、見かけたらチャレンジして欲しいと思う。特に採取した時の香りは素晴らしいね。もっとも、香りなどは嗜好で良し悪しは分かれるから、僕が好みと言ったところで他の人がどう感じるかの保証は出来ないのだが。

採取には少し遅めだが、天ぷらなら筆穂と殆ど変わらない

市場で売るなら、更に伸びる前の正に筆の様な芽が珍重されるらしい。でも、これくらいで十分上等なのだ。

これはハリギリだが、この種も潤沢に生えている。

独活(ウド)のタイミングはバッチリであった

昔は独活の採取は殆どしなかったけど、食の志向が変わってきて、最近では採取するのが楽しみになってきた山菜の一つ。林道脇の法面などに生えている事が多いけど、この山菜はタイミングがやや難しいのかなと思う。もっとも、群生している事も多く、しっかり観察すると若い芽を探す事はたやすい。

太く、伸びる前の独活(ウド)。上物である。

ウド畑 贅沢にも、ここのウドは伸びすぎが多いので全く手つかずのまま。

カタクリの最盛期から10日は遅いのだが、一輪だけ咲いているのをみつけた。

コシアブラや独活のシーズンは、カタクリのシーズン後半で間違いないようだ。もっとも普通はエゾヤマザクラやコブシの開花が一般的なのかもしれない。今回はオオバナノエンレイソウも咲いていたけど、流石にエンレイソウは山菜のタイミングは読みにくいと感じる。

しかし、今回のカタクリはある意味で奇跡的な一輪だったと思う。かなり広い範囲を探索したけど、ここまできっちり咲いているのはこれだけしか見つける事が出来なかった。本来はGW開けに咲く事が殆どだけど、今年は体調と緊急事態宣言などの関係で連休中は大人しくしていたのだ。

オオバナノエンレイソウ群落

オオバナノエンレイソウ群落

ニリンソウ フォーカスアウトしているが、エゾエンゴサクもまだ咲いていた

. 独活の皮を剥き、茹でたものを酢味噌で頂く ほろ苦さが美味

自分で作るかどうかは別として、独活は捨てる場所がないと言われている。剥いた皮はキンピラにすると美味しいし、茎や根は言うまでもない。特に若芽の部分は天ぷらにしても美味しいし、極論を言えば生でも美味しいものだ。写真は皮を剥いた後、茎と根を茹でて酢味噌で頂いたもの。想像以上に柔らかく、鮮度も良いので香り豊かでほろ苦さを感じる。このほろ苦さという部分が大人の味と感じる。

右上がコシアブラ、後は独活の天ぷら

コシアブラは茹でておひたしにする人も多いようだけど、個人的には食感がイマイチだと思う。天ぷらにすると、衣をまとう事から香り豊かな上等な山菜の天ぷら種となる。この香りや苦みという特徴は、似た山菜であるタラの芽にはない特徴であり、同じく写真に写っている独活(ウド)にかなわない理由だと思う。

生のコシアブラをみじん切りにし、塩もみをした後に白米に混ぜる

炊き込み御飯を作るレシピは試した事がないけれど、生のコシアブラを細かく切り刻み、塩もみをした後で茶碗でかき混ぜるだけで完成するコシアブラ御飯は、簡単で春らしい食べ物である。

[コシアブラの採取場所について]

具体的な採取場所についての記載は、不特定多数がアクセスするネット上では非公開という事しか言えないのですが、私自身も山菜については友人に教えて貰った、あるいは同行して場所を把握しているに過ぎません。

ただ、コシアブラについてはタラの芽と同様に、人の手がある程度入っている場所に多い様な気がしています。具体的には林道脇や森林内については自然林より二次林の方が生えやすい様です。実際、国道沿いにコシアブラの木を見つけた事もあるので、意外に身近にあるのかもしれません。

なによりも北海道では採取する人が少ないので、口コミレベルでの情報も少ないのが一番の課題なのかもしれませんね。食味については好みもあるので難しいところですが、個人的な感想を言うとタラの芽などよりも香りと苦みをハッキリ主張するので、山菜らしい味と言えるのかなと。特に苦みは大人の味なので、小さなお子様向きではないのかもしれません。

2 件のコメント

  • 季節感溢れる記事ありがとうございます。
    コシアブラは、採取した事ないですね。
    北海道新聞社の北海道の樹木を見ても、木肌からはわかりません。
    触発されて、ウドは採取しました。ゲートのある林道でしたので、MTBを車に積み込みと大騒動でしたが食べごろの物を5株程切り取り採取。
    定番酢味噌、天ぷらと、皮のキンピラ。
    キンピラは、一度湯通ししてから炒め煮にしますが、目が覚める様な鮮烈な味です。日本酒にも合います。
    今年も釣りの師匠から食べ頃のネギを2度ほど大量に送ってもらい卵とじ、ジンギスカン、天ぷらと大量に食しました。在宅勤務だからできた事です。
    一本まんまの天ぷらは、初めてしましたが食べ易くもあり旨かったです。
    季節感のある山菜はありがたいですね、閉じこもりがちな今年は尚更の事楽しませていただいています。来週末は、道南にヤマメ釣りに行きます。 
    丁度フキとワラビも良い時期ですので楽しみ。
    ネマガリタケは、ついでというわけにはいきませんので今年もお預け。道南釣行時に見かけるあの駐車群に突入するのに相当な気合いが要ります。藪の中は密度が高そうな。
    しかし、今年は羆の密度がさらに高いのでは?
    糞など痕跡を今までにないくらい目にします。
    スプレー必携で出かけます。

  • ZENさん

    コメントありがとうございます。
    コシアブラの特徴で白っぽい滑らかな木肌もありますが、一度でも筆穂や伸びた芽を見れば成る程と感じるのかなと思っております。木については、かなり大きく(高く)なるようですが、私が採取する場所では、せいぜい数メートルの高さです。また、タラの様には堅くなく、釣り竿の様に曲がりますし、トゲもありませんので比較的楽に採取は可能です。

    味は食べて頂かないと何とも説明はしがたいのですが、ウドが好きであれば美味しく食べられると思います。

    タケノコはそろそろニセコ辺りはシーズンインなので、一度くらいはアタックしようと目論んでいますが、タイミングが難しいです。それでも、標高の低い場所であればそろそろ出ている筈ですし、商売人ではありませんので程々の量で問題ありません。

    ただ、場所によっては今年は仰る通り、外出自粛の影響で山の野生動物は例年になく活発に林道や麓まで活動範囲を広げているのかなと予想出来ますね。渓流の場合はどうしても熊のテリトリーとなりますので、注意して楽しんで頂ければと思っております。