北大植物園にて

チングルマ

チングルマ(高山植物園)

大型連休の最終日は夜半から時折、暴風といえる風が吹き荒れていた。天気は非常に良く、行楽日和ではあるのだが、この風では山も海も野遊びには厳しく、尚且つ最終日の渋滞も予想されるため、飽きもせず近場の北大植物園を歩いてみた。

実は連休のはじめにも訪れている植物園だけど、春の数日による違いは大きく、例えば先日満開となっていたカタクリは既に終わっているなど、訪れるタイミングにより、咲いている花が違ったりする。エゾエンゴサクやニリンソウは未だに沢山咲いているし、エンレイソウも然り。しかし、一気に花咲く北国の季節の移り変わりを感じた。

ユウバリキンバイ

ユウバリキンバイ(高山植物園)

ミツバツツジ

ミツバツツジ

ハイマツ(高山植物園)

ハイマツ(高山植物園)

高山植物園は都会に居ながら、珍しい草木を観察することが出来るけど、多くの場合は小鉢に植えられているので、見本市の様相は否めない。それでも、場所固有の花が咲いていたりと、季節により楽しめる場所ではある。

チングルマは大雪山などの夏に、白い花を咲かせ、初秋には深紅の紅葉をみせる種で本来ならば、山へ登り見るべき花ではある。高山植物故、開花時期は大きく異なると思われるけど、初夏の頃に旭岳などを訪れれば、足下に沢山の花を咲かせている筈だ。

シラネアオイ

シラネアオイ

先日の道南渓流では数多く咲いていたシラネアオイだけど、植物園の様な場所では苗を集めて植えられているので、その咲き乱れる姿はこうした場所独特のものかもしれない。もっとも、自然に咲くこの種も山奥には群落を成し、咲き乱れている場所もあるのかもしれない。

シラネアオイの群落

シラネアオイの群落

シラネアオイとニリンソウ

シラネアオイとニリンソウ

ニリンソウ

ニリンソウ

エゾエンゴサクとニリンソウ

エゾエンゴサクとニリンソウ

エゾエンゴサク、ニリンソウ、カタクリは、渓流域で見かける春の代表的な花だと思う。でも、カタクリだけは咲いている時期は、恐らく1週間から10日程度ではないだろうか。ギョウジャニンニクの採取時期に良くフィールドでは見かける様な気がする。

エゾエンゴサクとニリンソウは、その点で言えば、かなり長期に渡り、花を咲かせている様な気がする。特にニリンソウは群落を成すほど数も多い。でも、派手さはないけれど、ニリンソウが咲いている光景が僕は嫌いではないのだけれども。

シダレザクラ

桜三種1

北大植物園の構内にも、桜は何種類か植えられている。種類によって咲く時期が微妙の異なるけど、やはり早いのはエゾヤマザクラとチシマザクラのようだ。ただ、桜については植物園では単独でポツポツ植えられているという感じであるので、他の桜の名所の様にピンク色の花が咲き乱れている景観は望めない。それと近くで見ると、エゾヤマザクラは葉も花と一緒に伸びてくる様で花の色と葉が混じり合ってしまう。

それ故、山間にぽつりと1本咲いているという情景が一番美しいと思うのだ。もっとも、僕は桜はそれほど好きな花ではない。先のニリンソウなどの方が、葉の緑と白のコントラストが美しいと感じる。

桜三種1

桜三種2

桜三種3

桜三種3

新緑の美しい季節になった

新緑の美しい季節になった

植物園の敷地で南西端に位置する温室では、当然ながら北海道には自生していない種が多く生育されている。熱帯性の種やサボテンなども多く、ある意味では博物館という感じであり、普段見ることが出来ない種も数多くあるので、その意味では楽しい場所だ。

その中で写真のネッタイスイレンは、独特の淡い紫色と黄色がとても美しい。道内でも見られるスイセンも綺麗な花を咲かせるけれど、ネッタイスイレンのこの色だけは北国に育つスイレンでは出せない色なのだ。

ちなみに夏になると、温室棟の外で蓮(ハス)の花も開花する。睡蓮(スイレン)と蓮(ハス)は似ているけれど、北海道の場合、野外で見かけるのは殆どの場合がスイレンである。札幌市内であれば、道庁の池であったり、北大構内の池も咲いているのはスイレンである。

元々、蓮は温暖な気候を好むようで、冷涼な北海道には根付かない様である。北大植物園と共に百合が原公園の温室にも蓮があるようだ。

ネッタイスイレン(温室)

ネッタイスイレン(温室)

4 件のコメント

  • 鈴木さん
    しかし綺麗に撮れていますね。私のはCanonのS110(比較するのも何ですが)撮ったものを見比べましたがシラネアオイが白く抜けてますわ。
    温室には行きませんでしたが、家から近くもあり、回数券も買いましたのでちょくちょく行ってみます。場所によっては石山通の車群も見え不思議な場所ですね。石川

    • 石川さん、こんにちは

      私は富士フイルムのX-T1を使って撮影しましたが、植物園の花については、JPEG記録であれば露出補正を行う撮影対象だと思います。遠景であれば大丈夫なのですが、ある意味で接写に近いので白っぽい花、葉、背景の組み合わせによって著しく露出オーバーになったり、アンダーになったりします。

      私はJPEGと平行してRAWでも記録していますので、ある程度であれば、自宅で補正も行えますが、迷った場合はアンダー気味に記録します。トーンが残っていれば、補正も効きますが、白飛びされると救済出来ない為です。

      但し、JPEGオンリーだと、花にだけ露出を合わせると背景が暗いという事にもなるので、ダイナミックレンジの拡大(HDR)も考えるのも手です。

  • きれいですねー。
    チングルマ好きです。
    シラネアオイは、こちらですと剣山のふもとにたくさん咲いていたなー。

    • まあきちさん、ご無沙汰です。

      剣山って芽室から見えるぎざぎざの山でしたっけ?
      シラネアオイは北海道の場合、山で比較的見つけやすいと思いますが、絶滅すれすれの場所も多いようですね。

      チングルマ可愛いですよね。秋の紅葉の頃、大雪山にでも行ってみたいと思うのですが、混んでいるんですよね。