週末だけ天候は下り坂で気温も低いというタイミングで、阿寒湖へアタックしてみた。帰宅後、阿寒湖畔のアメダスを確認したところ釣行日は最高気温が7.2度しかなかったようだ。風も強めに吹いており、湖面も波立っている。雲は低く垂れ下がり、雨粒が落ちてきても不思議ではない1日だったと思う。
晴れていれば明るい雰囲気のある阿寒湖だが、雄阿寒岳は裾野が僅かにみえる暗い曇天の釣り場は、残雪の影響もあり雰囲気は冬である。そんな阿寒湖も足下をみると、蕗の薹が春を告げていた。
この日は当初、砂浜へ渡船したのだが、到着暫くは反応があったものの徐々に魚が離れていった様だ。バレも多く、大型かと思えるバイトも多かったのだが、それらは全て寄せの途中でフックアウト。阿寒湖のルールであるバーブレスの影響は否定出来ないとは思うけど、内緒でバーブフックを使おうとは思わない。それでキャッチしたところで、虚しさを感じてしまうのは間違いないからだ。
阿寒湖のアメマスは、全国的に金色アメマスといった独特の体色が有名になったけど、全ての個体がそうだというわけではない。個人的には、普通の体色をしたアメマスの方が好きだけど、これは好みであろう。ただ、金色のアメマスや普通の体色をしていても、この湖水のアメマスはエラブタや頭部にもハッキリとした模様がある個体が多いと感じる。
今回のアタックで良型は全てバレ、キャッチした中ではこれが一番の良型であっただろうか。50cm前後だけど、このサイズが顔を出してくれれば、まずは満足すべきだとは思う。勿論、大型がいないわけではなく、阿寒湖に通っている釣り人はグッドサイズをキャッチしている。
雌阿寒と阿寒富士の麓に位置するオンネトーは、阿寒の景勝地の1つ。大抵は湖岸沿いのパーキングで湖水を眺め、帰って行くのだけど、湖岸の遊歩道を歩いたり、あるいは砂利道だけど螺湾に抜ける林道(一応は道道だが)を走るとミズバショウの群落があり、それを眺めるのも楽しい時期である。
帰還日である日曜日は、前日の曇天が嘘のように、雲一つない晴天であった。風もなく、湖水は鏡のように静かであり、時折アメマスの跳ねる音が静寂を打ち破る。ただ、こういう日はアメマスの活性が低い場合が多く、早朝からアタックした宿の主人は「全然だめ」という事であった。観光向けの天気は勿論晴天だけど、アメマスはやはり多少荒れている日が釣れるし、アメマス釣りらしいという事だろう。
オンネトーの湖水は、天候や時間によって変化する。その意味では、晴れた日に朝から晩まで湖水を眺めるという旅も良さそうだ。もっとも、水を見ていると竿を出したくなるのが釣り師である。ただ、オンネトーは酸性度が強く、魚は生息していない。
阿寒湖の釣りの帰り、意識して通る道が富良野へ向かう国道38号線である。東大演習林脇に数多くの桜が植えられ、咲く時期が遅いため、新緑と残雪の残る芦別岳の組み合わせがここで見られるからだ。