数日毎に状況が変わっていく山菜の移り変わりだけど、タケノコも同様であり、2週間も間隔が開いてしまった今回は採取場所が決められずにいた。ただ、昨年同様に斜面を登り、標高を変えていけば何とかなると考え、一気に中腹まで登る事にした。
登山道なのかスキー場が有った頃の管理道なのかは判らないけれど、車両が入れる幅はないため登山道だと思われる小径が山の中腹へ延びている。この道を利用し、山の斜面を登るという事になるのだけど、このスキー場(かつての国設ワイススキー場)はニセコの中でも特に斜面が初心者向けである事で有名であった。
逆に中上級者には面白みに欠けるコースではあるのだけど、スキーが流行った頃でも周辺の著名なスキー場に隠れ、土日でもリフトは並ばないという穴場でもあった。もっとも、この事が経営を圧迫し、事実上の廃業となってしまったのだろうけれども・・・。
ただ、この緩やかな斜面は山菜狩りには有利であり、快適なルートだと思う。ただ、気温次第ではあると思う。特に土曜日は日中は30度を超えるような真夏日で、山菜狩りの様な重装備(勿論、擦り傷や虫対策である)では熱中症の危険もあるかもしれない。
太ければ美味しいというわけではないけれど、節が詰まっている寸胴的なものは美味しいと感じる。そうしたネマガリダケは僅かに頭を出していて、地中に埋まっているようなものが多い。その意味では上の写真(生えている写真)は少し遅かったと思うけど、これくらいなら十分上等ではある。
登山道沿いにコシアブラの木が生えていたけど、まだ若い幼木であった。勿論、採取はしないし、する気はないけれど、一枚の葉だけを頂いた。香りを楽しむためだ。
標高を調整したことにより、タケノコの出方はそれなりであったけど、入りやすい場所は既に先行者が採取しているようだ。進み方向はともかく、左右に移動するだけで生え方は全く違うのだけど、そこがこの山菜の難しいところで、とてもじゃないがルート変更は難しいという生え方をしている藪も少なからずある。それでも核心部では一気に数が出たので、安楽な採取としては上々であろう。
昨日は仲間に採取してきた事をアナウンスした結果、いつもの居酒屋さんでタケノコ祭りになったのだが、僕は最近殆どアクセスしていないSNSへ写真を仲間が投稿していたようなので、ちょっとのぞいてみたけど、ネマガリダケの場合は炭焼きが一番人気みたいだった。
素材が良いので、茹でても焼いても、あるいは揚げても美味しいのは間違いない。特に炭で焼くと非常に甘い香りがするのは魅力的ではある。ただ、味も炭焼きや一番美味しいか?と聞かれたら、個人的な評価ではダントツで天ぷらである。
天ぷらが優れているのは、甘さを一番感じる食べ方だと感じること。あと高温で揚げるからだろうか、根元の食感がサクサクというかシャリシャリと感じる独特の噛みごたえを味わえる。恐らくだけど、高温で揚げる事で多少は固い根元部分に十分な火通しが出来るからではないだろうか。
但し、この天ぷらにするタケノコは生が大前提である。それ故、食べられるチャンスは自分で採取しにいくか、知人からその日採れたタケノコを貰えるなんて環境じゃない限りは味わおうと思っても、ちょっと厳しいんじゃないだろうか。
通販では生のネマガリダケなども流通しているけど、採取後どんどん根元から固くなっていくと言われる事を理解していると、通販の生ネマガリダケなど冗談としか思えない。それ故、市場にも流通しにくい素材なのが生のネマガリダケなのだから。
まあ、どちらが美味しい云々はともかく、鮮度がものをいう食材であるのは間違いないので、昨日の夜は居酒屋さんを訪れた他のお客様は本当にラッキーだと思うよ。食材提供が僕云々は全く言わなくても良い事なんだけど、本物の味を味わえた事は素直に嬉しく感じる。
調理はお店(正確に言えば、二代目である若)にお任せするしかないけど、自分で採取するものについては余裕があれば今後もお店に進呈が良いようだ。
但し・・・。僕は好きで持ち込んでいるから対価は一切要らないけど、調理代くらいは請求した方が良いような気がするのだが・・・。まあ、それはともかく、生ネマガリの天ぷらは美味しいです。ウドでもあれば甘いタケノコ、苦みと香りのウドなんて盛り合わせも出来たんだけど、ウドが流石に伸びすぎて今年は無理でした。昨年は何とか採取出来たんだけどなあ。