最近は大手メーカーもワカサギ釣りに力を入れていており(儲かるからだろうが・・・)、ネットでもこの釣りの情報が増えている。釣り具屋へ行けば、専用コーナーが設けられているほどで、数々のタックルが並んでいたりする。
僕は網走湖と大沼しかワカサギ釣りの経験はないのだが、大沼はともかく、網走湖は道央の感覚で向かうと戸惑うことが多いかもしれない。そんな事を感じるのは、道央圏のワカサギ釣りに関するネット情報や釣り具屋でのアドバイスが、網走湖とかなり違っていたからだ。これでは、網走湖はどんな道具仕立てが良いのか判断がしにくいし、下手にメーカーが発信する情報の通り道具を揃えたりすると、網走湖では通用しない可能性もある。この為、これらの釣り場について、少し書いておこうと思う。
但し、釣りのスタイルもあるし、僕はワカサギ釣りの名手ではない。勿論、こんな事を書くくらいだから初心者ではないけれど、場数だけはそれなりにあるというレベルにあるので、参考程度に読んで欲しい。また、内容が内容だけに、かなりの長文となってしまうので、その点はご容赦願いたい。
【網走湖】
網走湖の釣り場は、[呼人]及び[女満別]の二カ所で開催されている。運営は観光協会が行っており、解禁日や期間がそれぞれ異なるので、事前の確認をお勧めする。
網走湖は網走川を通じて、オホーツク海へ繋がっている汽水湖だ。生息するワカサギは海へ下り、初冬の頃に湖へ遡上してくる。春の産卵期には湖に注ぐ川へ遡上し、産卵を行うという生活を行っている。山上湖のイメージがあるワカサギだけど、こうした生活を送っているのが本来の姿である。この為、天然の個体は、海と繋がっている海沿いの沼などに多くみられるようだ。
淡水だけでも世代交代出来る柔軟性を持ち合わせている魚の為、ダム湖や山上湖などに移植され、今では全国各地の湖沼に生息している。その中でも最大の供給源は、この網走湖であり、その魚影の濃さは日本有数だろう。遡上魚が多いことから、良型が多く、三年魚ではチカの様な個体も珍しくはない。この魚体故に一般のワカサギ釣りとは少し違う道具仕立てが要求される。
[釣り場概要]
呼人(呼人湾)の釣り場は、網走湖の湖口近くにあるため、海から遡上したワカサギが入り込む内湾となっている。このため、アタック時期は解禁直後がベターだ。遡上したワカサギは、遡上当初は呼人湾を回遊し、徐々にワカサギの群れは網走湖全域に広がっていく。こうした地形的な理由で、女満別の会場は呼人に比べると少しシーズンインが遅れる傾向にある。
どちらの釣り場も魅力はあるけれど、初めて行くのであれば呼人をお勧めしたい。この為、タックルについては、呼人を前提に説明する。
どちらの会場も網走湖は人気がある為、土日は多くの釣り人が訪れる。釣り場近くの駐車場にも限りがある為、早めに出かける方が無難だ。呼人会場の場合は、多少歩く事になるが第二駐車場も準備されているので、余程の事がない限りは大丈夫だと思う。
女満別については、何年も訪れていないので、駐車事情がどうなっているかは判らない。心配であれば、事前に観光協会等に問い合わせを行った方が安心かもしれない。
また、網走湖は漁業権が設定されているため、入漁料が徴収される。原則的には到着時に受付で支払う形だが、早朝から湖上に出る場合は係員が入漁料を徴収しにくるので、受付営業前からの釣りも一応は黙認されているようだ。但し、万が一徴収に来なかった場合は、帰還時に必ず入漁料を支払うこと。
[ロッド(竿、リール)]
呼人については、電動リールは不要(あっても意味をなさない)。理由はタナが浅いため、リールの必要性が薄いこと。ワカサギが大型の為、電動のトルクでは負荷が大きすぎ、巻き上がらないことが頻発するからだ。ポイントの水深は1mから1.5m程度。下手すると1m以下の場所で竿を出す事もあり、テバネもしくは、糸巻き用途の小型リール付きの竿が無難。
竿選びについては、僕は穂先よりも糸ふけでアタリを判断しているので、ある程度の柔さであれば正直何でもいい。でも、一般的には、繊細で柔いロッドの方が食い込みが良いし、誘いもしやすい。ただ、魚が大きさが規格外(遡上した三年魚だと15cm近くになる事もある)なので、あまりに繊細な穂先を使うと穂先の破損に繋がると思う。
個人的にはメーカー製の穂先であれば、錘2号、出来れば錘3号程度の使用に対応している堅さ(強度)は、網走湖では有った方が良いような気がする。もし、これよりも柔い穂先を使うという事であれば、胴調子の方が負荷を分散出来るので、破損リスクが低くなるかもしれない。特にテント用に短い穂先を使う場合は、負荷が一部に集中する可能性があるので、丈夫さを第一に考えた方がいい。
その意味で呼人では、あまり高価な穂先は使わない方がいいのかもしれない。極論を言えば、グラスソリッドの安竿でも十分だ。昨年も3号OKのシマノの穂先(高かった・・・)ですら、2日通して釣りをしたら、先端が折れてしまった。もっとも、本当の先端部なので、二番目のガイドをTOPガイドにするように使っているけど(新品よりも強度が上がって、こちらの方が呼人向きかもしれん)。
但し、買う前には判らない事だけど、廉価なプライスで売られている感度の良さそうな穂先や竿は品質に難あり製品も含まれる。安くても全く問題なく使える製品もある一方で、1日の釣りに耐えきれず折れてしまった穂先も過去に何本もある。その意味では大手メーカー製の穂先は信頼性は高いとは思う。但し、ちょっと商売に走りすぎている感はある。そう感じるほど、穂先も用途に分けられ、細分化されているし、高価なタックルになっている。
耐久性を考えなければならないほど、網走湖のワカサギは大型の魚影が濃い。引きも強いので、複数のワカサギが針に掛かると、重たいと感じるほどだ。繊細な穂先の方がアタリは取りやすいけれど、破損してしまっては釣りにならない。
特に外道の魚がかかると、かなり負荷となる。ウグイ、フナ、アメマス、トゲウオ、ヌマガレイも生息しており、特にウグイとヌマガレイは魚影も濃い。
※追記
網走湖のタックルで廉価な物で十分と書く理由の一つは、メーカーやショップ製の穂先や竿は小径ガイドが主流となっているからだ。小径ガイドのメリットも勿論あるのだが、気候的にタックルの凍結を前提とする網走湖では、小径ガイドであるが故のトラブルも発生しやすい。「その他」の項目で理由は後述する。
[仕掛けについて]
仕掛けについては、針は2号から2.5号程度が標準。これよりも小さくても大きくても釣れるけど、針サイズが1.5号とか1号の市販仕掛けはハリスが細すぎるので使わない方が無難だ。個人的な経験では、2号が1番バランスがとれていると感じている。3号でも問題なく釣れるが、シーズン中頃以降は、針の大きさによる喰いの違いを経験したことがあり、2号程度を何セットか持ち込んだ方が良い。
これもワカサギのサイズに関係してくる話なのだけど、釣れるタナが浅いので、ワカサギが少し走っただけで、氷穴の壁に針が引っかかってしまう。このとき、0.2号などという細いハリスは一発で切れてしまう。
最悪なのが、魚を外す時にハリスを引っ張ると、抵抗なく口元で針だけを残して切れてしまうことも多いので、知らぬ間に針つきの魚を作ってしまう。魚が大きいと口の強さも強いということだ。
この為、ハリスは最低でも0.4号、できれば0.6号以上のハリスが望ましいと思う。勿論、細い方が喰いは上がるとは思うけど、解禁直後の網走湖は喰いの悪さ云々よりも、釣っている最中に針が残るかの方が大事だ。スレていないから、実際、食いが悪いと感じる事も少ない。何よりも食べる時の安全性を考えると、切れない強度は必須だと思う。
また、初心者でも型の良いワカサギの数釣りが出来るので、ある程度の数が釣れたら、仕掛けを交換した方が良いかもしれない。交換理由は針先が甘くなってくるからだ。
話をまとめると、2号か2.5号の針(形はお好みでどうぞ)で、ハリスは最低0.4号以上である仕掛けを強く推奨(太い分には全然問題ない)。残念な事に、なかなかこの条件にあった仕掛けは売られていない。また、テントで釣りをするのであれば、針数は5~6本程度が無難。これ以上、針数が多くなると、扱いがかなり厄介でトラブルも多くなる。
もしかしたらの話だが、網走市内の釣具店などで購入した方が良いのかもしれない。地方では御当地仕様として、メーカーに特注している場合も多い。意欲があるのであれば、お手製で仕掛けを作るという手もあるのかもしれない。ただ、あまりに針が小さいので、針結び機などはあった方が良いのかも。
また、下針(錘の先にもハリスが取り付けられているタイプ)は個人的には使わない。有効な場合も多いけれど、ヌマガレイとウグイ率は格段に上がる。下針がなくても、ウグイなどは掛かるので、置き竿はあまりお勧め出来ない。最悪の場合、タックルが湖底に沈む事になる。食事などで釣り座を離れる場合は、仕掛けは底を十分に切っておく事をお勧めする。
[糸(道糸)]
基本、テバネなのでナイロン等で十分。高価なPEラインなどのは不要だし、トラブルの元となる可能性(お祭り時に絡まったり等)もあるので、張りのあるナイロンやフロロで十分だし、トラブルも少ない。タナが浅いので細糸を使うメリットもあまりなく、0.8号程度が無難だろうか。でも、極論を言えば、呼人であれば2号くらいでも問題なく釣りになると思う(要するに極端に細くなければ何でもOK。ある程度の張りと強度を重視)。可能であれば、氷上専用ラインの方が氷結しにくいとは思う。
[餌]
針の大きさに比例するわけじゃないけれど、餌は白サシ、紅サシ(両方持参が無難かな)共に普通の大きなサイズのサシ推奨。ラピッドの様な小さなサシでも勿論釣れるけど、群れが来ていて、連発しているような場合、餌持ちが悪すぎる。魚が大きい事と魚影が濃いので、何度も咥えられるとすぐに皮だけになってしまう。
勿論、餌は新鮮な方が食いは良い。それ故、”こまめ”に交換することも重要だが、それでもラピッド系はあまりにも餌持ちが悪いかなと感じる。小さい故の喰いの良さを取るか、ある程度の餌持ちを取るかは実際に釣ってみて各自が判断して欲しい。
ちなみに仕掛けの中で書くべき事かもしれないけれど、針に余計な飾りなどは無い方がいい。チカ釣りの様なサビキなどが付いていると、明らかに喰いが落ちる。極端な話、餌をつけない空針の方がサビキよりも釣れると思うほど。
ちなみに網走湖での撒き餌は、特に禁止はされていない。使うのであれば、無難なのは生イサダ。ホッケ釣りに使うような着色したアミは、個人的にはどうも好きになれない。但し、これはお好みで。解禁直後は撒き餌などは不要なほど、群れは足下を泳いでいる(勿論、ポイントというか釣り座にもよるけれど)。
[テント]
お好みで。確かに網走湖は寒いが、無くても何とかなるのも事実。釣り会場ではテントのレンタルも行われている(当たり前だが数に限りはある)。レンタルの場合はともかく、自前のテントを張るのであればペグダウンは確実に。何度も突風でテントが飛ばされるのを目撃している。使用するペグは厳寒期は氷が厚く固い為、強度のあるペグを推奨。僕はスノーピークのソリッドステーク、パクリ品だけど少し廉価なエリッゼステークを混在させて使っている。長さは20cmクラスで十分だと思うけど、不安であれば30cm前後のサイズが安心だろう。
また、撤収時は氷が締まり、ペグが抜きづらい場合も考えられるので、ペグ抜きはあらかじめ何かしら考えておいた方が良い。僕はエリッゼステーク発売元で売っているペグハンマーのペグ抜きで抜いている。強度さえ確保されているなら、似たような機能を持つバッタ物で十分。
[ドリル]
ベテランの方は身にしみているだろうけど、刃が切れないとかなり泣きをみることになるので、事前に研いでおくか、スペア刃は持ち歩いた方が無難。
ドリルついでに書くが、穴あけ後は試し釣りを強く推奨する。テント設営は穴の吟味が終わってからでも遅くはない。魚影が濃い網走湖であっても、適当に穴を開け、即テント設営はとてもお勧めできない。
たとえ数十センチの違いであっても、釣果が全く違う場合があるので、試し釣りをして、反応を確認してからテントを設置すべきだ。解禁直後の網走湖の場合、試し釣りの結果はそれこそ30秒誘ってみるだけで十分なのだから。
基本的には他の釣り人から離れた場所に構えた方が良いが、あまり沖に行かないこと。全く自分の世界で釣りをしたいという事であれば、思い切って呼人湾の北岸まで歩いてしまった方がいい。湾のど真ん中は、回遊ルートから外れている事が殆どで、やはり岸沿いの水深が1m程度から深くても2m前後くらいの場所が解禁直後は無難だと思う。そうなると、おのずとポイントは岸沿いになってしまう。
ちなみに観光協会でも、氷の穴開けサービスは有料で行っている。利用したことがないので、詳細は判らないけれど、多くの人は管理棟の小屋近くで穴を開けることが多いようだ。会場内であれば、希望場所に開けてくれると思う。
[その他]
服装については細かく書かないが、氷点下20度程度は耐えられるもの。ただ、経験として服装よりも靴がキーになると思う。足裏が冷えると、とても長時間は耐えられない。ソレルなどの防寒靴であれば言うことはないが、国産メーカーの防寒長靴でも問題はない。ただ、目安として氷点下30度仕様は欲しい。また、水が走っている場合もあるので、それこそソレルなどのブーツよりも、防寒長靴が最強かもしれない。僕の場合は長年使っていた防寒長靴のインナーが駄目になり、ソレルのベアーを現在使用している。
バーナーなどの火器類はガソリンの方が間違いなく安定している。ガスであればプロパンが多く充填されているガスが必要。普通のパワーガスに含まれるイソブタンは、氷点下11度くらいで気化するとされているが、実際には氷点下では火力が明らかに落ちる。早朝の気温が低い条件(場合によっては、氷点下20度を楽々下回る)では、プロパンが必要だ。
同様に野外用のガス暖房器具を使う場合は、最低でもイソブタン充填のガスが必要だ。廉価なノルマルブタンでは、全く使い物にならない。もっとも、着火だけを考えるのであれば、ウェアの内ポケットなどに入れ、缶を温めておけば着火は問題ないけれど、運用時の火力が弱すぎる。OD缶を使うタイプの方がガスの選択肢はあるけれど、費用対効果は低い。
暖房器具として、練炭や炭のストーブはテント内では絶対に不可。換気を良くすれば、大丈夫と考えている人も多いが、毎年のように事故が発生している。死にたくなければ、リスクあるこれらは露天で使うべき。
ただ、暖房はともかくとして、何らかの方法でお湯を沸かす準備はしておいた方がよい。ラインを含む凍り付いたタックルの氷をとかすには、お湯に勝るものはない。冷え込みにもよるが、開けた穴の再凍結も起こるので、それらもお湯を掛けることで釣りやすい穴を維持できる。
湯沸かしについては、テント外に練炭ストーブなどを設置して、ヤカンなどを乗せておくのが一番なのかもしれない。飲用ではないので、水ではなく、付近の雪や氷で十分だし、下手に水を持っていっても凍りついてしまう。但し、荷物も多くなってしまうので、僕は時々バーナーで湯沸かしというスタイルに落ちついてしまった。でも、このスタイルだと燃料は潤沢に用意することが必要だろう。
※追記
最新のタックルで挑む場合、ガイド部の凍結には注意が必要だ。理由は糸とガイドが凍り付いた状態でリールを巻き上げたとき(網走湖の釣りでリールは使わないが、ハンドルが動き、糸が巻かれたとき)、ガイドに糸が凍り付いている為、竿へ負担がかかることになる。
[女満別会場について]
最近、こちらの釣り場を訪れる事がないため、過去の記憶を元に特徴を書いておく。釣り場は女満別湖畔のキャンプ場付近で、湾の対岸に網走川が流れ込む。
呼人に比べると、ポイントの選定がやや難しい。基本は回遊ルートの駆け上がりを見つけることだが、周辺の状況や現地のスタッフに聞くのが無難かもしれない。もっとも、こちらも会場受付近くでは多くは望めないと思う。
網走湖は汽水湖だが、呼人よりも淡水に近く、水の色や透明度も女満別の方が勝る。その分、ヌマガレイが減り、マブナなども多かった記憶がある。いずれにしても、シーズン開幕直後は呼人、シーズン中頃から本格的なシーズンインと考えているけど、近年は解禁が呼人が遅くなっているので、結局は群れの回遊次第だろう。
呼人と女満別を比べた時、一般的なサービスが充実しているのは呼人会場の方だ。逆に女満別会場では、手動のドリルは無料で貸し出ししているなど、静かにのんびり釣るのには向いているのかもしれない(呼人での穴開けサービスは、エンジンドリルだから煩いのだ)。
完全に手ぶらで行く(ウェアまでは貸してくれないが・・・)のであれば、呼人だろう。ここは天ぷら道具までレンタルしているし、暖がとれる休憩室まで用意されているので、観光客であっても気軽に釣りを楽しめる。
【大沼】
[釣り場概要]
釣り場は「じゅんさい沼」「東大沼」など点在しているが、僕が釣った場所は東大沼会場で夏季シーズンはキャンプ場である場所だ。観光客向けには、浅場でテントハウスなどもあり、お手軽だが、本命はかなり沖合の深場となる。水深は5mほどある場所が多いのでリール付きのタックルが有効だ(手返しの問題なので、テバネでも釣れない事はない)。
この釣り場では電動リールも有効だと思うけど、それなりに高価な製品なので、手巻きでも十分楽しめるとは思う。
例年、1月中旬に解禁となるようだが、釣果は2月に入ってから上向くと聞いている。Facebookなどでも情報を発信しているが、手ぶらで釣りの出来る観光客の釣果が主体なので、本命場所の様子はわからない事が多い。直接、漁協へ問い合わせを行った方が無難だろう。
大沼漁業協同組合:https://www.facebook.com/junsainuma
[ロッド(竿)・リール]
年によって、かなり型にバラつきがあるようだけど、4cm~8cm程度が多いと思う。この為、穂先はある程度の柔らかさは必要だ。それでも錘1号負荷以上の竿であった方が使いやすいとは思っている。網走湖と異なり、ラインは伸びのないPEラインが効果的。ナイロンなどでも釣れるが、PE以上にラインの太さと錘のバランスを考えないと、仕掛けの送り込みに難儀するし、糸がふけて釣りにならない場合も考えられる。
スピニングリールでも釣れるが、PEラインを使用するのであれば、ワカサギ専用の電動リールか、手巻きであればスプールの回転性能が良い小型の両軸受けリールが欲しいところ。僕個人はシマノのワカサギマチック(手巻きリール)を使用しているけど、性能には満足している。ただ、それなりの値段がするので、そこまでお金を掛けるなら、他の釣り場でも流用出来る電動リールを揃えても良いかもしれない。
[仕掛け]
針は1号から1.5号などをメインにしているが、2号程度でも全く問題はない。網走湖のように走られる事も少ないので、ハリスは網走湖ほど太いものは要らない。針数は5本程度から8本位までが使いやすいと思う。
基本的には、ベタ底狙いで問題はないものの、浮いている場合はその場判断で浮かせる場合もあるが、基本は錘を着底させる。5m程度とそれなりの水深の為、錘は2号以上がベター。但し、ワカサギが小さくても対応出きるように、仕掛けのスナップには軽い錘を装着し、そのスナップから15cm程度のラインを伸ばし、重たい錘を取りつけて使っている。
錘Bは仕掛けを素早く下ろすの目的なので、2号~3号といった重量のある錘を使用する。このとき、錘Aは道糸及び仕掛けのテンションを保つための物だ。当たり前だが錘Bより軽くしないと意味はない。穂先推奨の号数が無難だが、深さやラインによっても必要な重さは前後するので、現地合わせが必要だろう。錘Bが着底して、錘Bを結ぶライン(緑色のライン)がたわめば、錘Aによるテンションとなる。
もっとも、リール性能や使用するラインのバランスによっては軽い錘でも楽々着底するので、こうしたシステムが必要かどうかは条件次第で判断とは思っている。ただ、太いナイロンラインを使う場合は、ある程度の重さがないと仕掛けの降下に時間が掛かってしまう。そうした時間は釣果に影響を及ぼすので、図のようなシステムは有効である場合も多い。
でも、結局のところ、水深のある場所で仕掛けがスムーズに落ち、ラインにテンション(ピンと張っている状態)が掛かれば、釣りになるということ。これにはラインの質(ナイロンなのかPEなのか)、ラインの太さ、錘の重さのバランスで決まる。ワカサギの繊細なアタリが取れるのであれば、どんなシステムも構わないということだ。
[餌]
網走湖とは異なり、ラピッドなどの小型サシの方が有効。通常のサシを使う場合は半分の大きさに切る手もあるので、高価なラピッドではなくても釣りにはなると思う。また、網走湖ではあまり効かない赤虫なども面白いかもしれないが、使用経験がないので効果は不明だ。
[その他]
網走湖以上に氷上に水が浮いている事が多いことと、氷が柔らかく、通常のペグが効きづらい条件であることも多いようだ。スクリューペグなどがあれば、効果的かもしれない。
比較的温暖な場所であるので、日中はプラス気温になる事も多い。但し、吹雪かれると網走とは違った厄介さがある。
大沼も釣り開始時刻は決められている。しかし、現実では明け方前から湖上を歩く事も多いので、入漁料は徴収時で構わない。本来であれば、入漁料を支払ってからというのが、釣りのルールではあるのだが、この釣り場は時間前から釣っていてもOKという漁協の了解は得られている(密漁等が増えれば、違った対応となるかもしれないが)。
家族でこの釣りを楽しむという事であれば、道央圏からこれら二つの釣り場は非常に遠い。それでも、これらの湖水を訪れるのは、魚影が非常に濃く、アタックする時期を間違えなければ、まず外れる事はないのが魅力だ。
実際、長々と書いているけど、後は現地で自分に合った釣り方を見つけるのが釣果を上げるコツだろうし、それが釣りの全てかもしれない。それでも参考になる部分があればとは思っている。
初心者でも解り易い説明素晴らしいです。
この記事を読めば行った事がない人も安心ですね。
ちなみに網走湖でOKの連釣時のテント通し設営は大沼では厳禁なのでご承知おき下さいませ。
ちょうべいさん
テント設営しっぱなしは駄目という事ですね。コメントありがとうございます。
一般的な釣り場の場合、張りっぱなしは恐らく禁止にすると思います。
網走湖も同じ筈なのですが、昔から夜釣りが行われている場所という事もあるのかも。
安全上や料金徴収の境目など色々あるのでしょうが、オホーツクらしいと言えばらしいですね(笑)。
ワカサギの話は、ネタがないので書いてみたという感じですが、たまには参考になる記事でも書くかなという部分は少しありました。
普段の更新は釣り人からみると、参考にはならないでしょうからね。釣る魚も場所もスタンスも(^^;
あと網走湖は解りませんが大沼はマキエ禁止ですのでご承知おき下さい。
ちょうべいさん
一昨年御一緒した時に禁止と伺っていましたので、承知しております。
ご無沙汰しております、ウチの会社は、12月から新年度が始まるため東京だ会議だ何だが続いておりまして、年内の中川再遠征も駄目そうです。
この間の活動状況、写真とありがとうございます。
あのアメマスは写真見た瞬間に大きいと感じます。ましてや不調の中での一匹ですので、お見事の一言に尽きます。そうですか、太平洋のアメマス不調なのですね。数年前の大雨で川が壊れた影響と思います。
本来産卵場所で、海に降るまでの間暮らす場所が壊滅的なんだと思います、端的に言うと川が土石流で埋まったのだと思います。よく行く南十勝でもいくつかの河川は林道の場所が川になったりでアプローチ出来ないどころか川が無くなった状態です。HO町生まれ、育ちの師匠も経験のないほどの荒れようで、昨年は入らない、入れない川がいくつもありました。
2週間程前、釧路まで仕事で訪れましたが、車から見える範囲、SR川など壊滅的な状態に見えました。
河畔林など回復には10ねん単位時間がかかるとおもいますので、復調を待つしかないのかと思います。
ZENさん
12月に新年度ということは、11月が〆とアメマス時期に重なってしまいますね。勤め先は3月〆ですが、担当業務の取引先は年末11月と12月が繁忙期の為、少しガタガタしておりますが、今のところ休出などは無いので助かっております。
十勝川のアメマスというよりも、道東太平洋岸のアメマスが減少していると気がついたのは2013年の事です。台風による大水の前の話で2012年までは夏には必ず群れに当たったウミアメも遡上アメマスも駄目で、釣り人が騒ぎ出したのもこのタイミングでした。
駆除されたという話が出たのも、2013年の事なのですが、最初に騒がれたのは白糠界隈です。ところが現在は南十勝から根室までの長い区間で明らかにアメマスが減っています。これだけの区間になると、駆除云々では説明がつかないのです。確かに昨年の台風による増水は、川の形を変えてしまいましたが、魚影自体は十勝を釣った感じでは一昨年と変わらない状況です。
そもそも、釧路から東の川は湿原河川なので多少の増水でオーバーフローしたとしても、川は殆ど変わっていないのですが、今年、別寒辺牛川を訪れた友人は坊主を喰らっています。こうなると、根本的に何かが違っているとしか言えないのかなと思ったりもしていますが、本当の理由は魚に聞かなければ判らない事なのかもしれませんね。
釣りの方は年末に道南に行く予定ですが、これは友人との忘年会というイベントに近い遠征で、年明けに予定しているワカサギ釣りが本格的な次回の釣りとなりそうです。