パソコンでいえばOSにあたるのが、デジタルカメラのファームウェアである。OSと呼ばないのは、パソコンと異なりハードウェア側を制御するソフトウェアであるためらしいけど、呼び方が異なるだけで操作や機能を実現しているのはベースのハードウェアがあり、それを制御しているソフトという点では同じようなものだ。
Fuji FilmのX-T1など、多くのカメラの新しいファームウェアが本日リリースされた。デジタルカメラではこのファームウェアの更新で不具合が修正されたり、新しい機能が追加されたりすることも多いのだけど、今回のリリースは他社ではあまり例が無いほど、新しい機能や変更が大幅になされている。
そうした点は最初のリリースで作り込みが甘いという事もあるのかもしれないけれど、Fuji Filmは旧品種でも可能な限りファームウェアで新機能をしっかり対応させてくるというイメージが強い。その意味では非常に好感が持てるし、満足度の高い製品群だと思う。NikonやCanonの様なシェアはまず無理だろうけど、こうした点は一眼レフより軽量小型で出てくる絵は上々という事で、改めて(僕にとっては)Fuji Filmへシステムを替えたのは正解だったと思う次第。
勿論、カメラは趣味性のものだから、手持ち機材の優位点や自分のシステムを人に勧める気はないけれど、大昔のアップル製品を使っている様な気分は味わえているかもしれない。僕は元々はMacからパソコンの世界に入った人間・・・今でもMacは所有しているけど、メインシステムはWindows。今のMacは買いたい機種が無くなってしまったのだ。
話は横道にそれたけど、今回のファームウェアは変更点は非常に多い。富士フイルムHP ファームウェアリリースノート
全ての改良が有効かと言われれば、人によって使い方があるからそれは置いておいて・・・・
個人的に有り難いのは、電子シャッターの搭載で従来は1/4000が最高速だったものが、1/32000されたことだろう。晴天下、絞りを開け気味に撮影すると1/4000の速度などは簡単に越えてしまう事があったからね。あと、フォーカスエリアの設定が楽になったことも○だね。そういった細かい部分は恐らくユーザーからそうした声が上がっていたのだと思うし、僕も使っている間に慣れてしまった部分なんだけど、やはり改良された方が使い勝手は良い。
それとRAWが多い僕だけど、平行して記録しているJPEGのフイルムシミュレーションで、クラシッククロームと呼ばれるモードが追加になった。クラシックの名前があるので、昔のフジクロームの色なのかなとも考えたけどそういうわけではないらしい。発色を抑え、コントラストがあがるモードらしいのだ。どれどれと撮影してみたのが、下の写真。
写真は上からスタンダード、ビビッド、クラシッククロームの順
好みや被写体次第だろうけど、意図的に発色を落とし、コントラストが上がっている仕上がりなので例えば神社仏閣や古い町並みなどを撮影するには向いていそうな気がする。いずれにしても、Fuji Filmのこうしたファームウェア提供の姿勢は使う使わないは別にしても、ユーザーも長く愛用出来るという意味で評価したいと思います。