人によってはこれからが本番であろうニセコのタケノコ(チシマザサ、ネマガリ)は、個人的には今回で最後かなと思っている。これから本番を迎えるとは標高が700mを超える界隈で、例年多くの車がパノラマラインを埋め尽くす辺りの事だ。平日に行動できればと思うけど、今のところ土日しか動けない立場なので、路駐が当たり前のあの喧噪は正直勘弁して欲しいと思うのだ。
三週連続のアタックではあるけど、今回の天気予報も雨。到着したときは曇りであったけど、1時間も経たないで結構な降雨になってきた。これで雷でもあれば即時撤退という事になってしまうけど、幸いな事に単なる雨だけのようだ。前日は真夏日になっている暖気は少し薄れた様だけど、濡れて寒いと感じる事はなかった。それでも、長靴の中にも浸水するようなずぶ濡れとなり、場所の移動も断念するほど下山時は戦意喪失していた。
ニセコ高原はワイスに限らず、殆どの場所がチシマザサに覆われている為、タケノコ狩りを含めアプローチには”道”は不可欠である。釣りの藪漕ぎでもネマガリタケが立ち塞がった事は過去にあるけど、タケノコ以外であの藪に入ろうとは全く思わない。場合によっては50mを進むのに1時間掛かったと言われても、斜面や生え方で納得できるのがネマガリダケの藪なのだ。
それ故、主要な道道や林道を含め、山麓にある登山道や遊歩道はタケノコの狩場へ誘うゴールデンロードなのだ。
笹を含む竹類は伸びるのがはやく、訪れるタイミングが難しい。もっとも、ある程度の幅で次々と生えてくるものなので全く駄目という事はないけれど、先週の状況から今週はバッチリかなと考えていた今回は、降雨という事はさておいて、結局はこの1週間の気温が上がった事で想定以上の成長を見せているようだ。
コシアブラはある意味で番外編ではあるけれど、先週のニセコので採取してから冷蔵庫に1週間保存しており、香りは多少落ちてきているにしても写真のような食べ方では採ったばかりと全く遜色はない。この山菜については鮮度が重要で香りなどは直ぐ落ちるという人と、日持ちする山菜だという人もいて意見が分かれる。今回試してみた結果、採取場所や程度の問題はあるにしても、僕は1週間程度であれば十分美味しく食べられると感じた。
このコシアブラ御飯は見た目以上に香りがよく、美味しい食べ方である。この山菜を居酒屋さんに持ち込んだ時、このコシアブラ御飯で小さなおにぎりを作り、山菜が食べられるという客に振る舞っているけど、非常に評判が宜しい。
このご飯はともかく、天ぷら種としても優秀で、その苦みはウドと並んで春の山菜では双璧かなと思っている。個人的にはタラの芽は食べなくても諦められるけど、コシアブラだけは外せないと感じるくらいだ。もっとも、こうした苦みが苦手な人も多いだろうから、その意味では嗜好品と言えるのかもしれない。
それでも、写真のコシアブラ御飯だけは、機会があれば試してみる事をお勧めしたい。