朝市めぐり

道の駅 あいろーど厚田 個人的には巷の人気ほど魅力は感じないものの、施設は充実していると思う。

連休二日目の早朝から、石狩と厚田の朝市巡りをしてきた。本命は厚田だけど、石狩でしか買えない物も多少なりとある。市場は見るだけでも楽しいものなので、この2カ所についてはセットとして覗いてみる事が多い。

雰囲気でいえば漁村の雰囲気をふんだんに醸し出している厚田が間違いないし、今日の様な晴れた日には途中の道のりで、北は暑寒別の山々、海の向こうには積丹岳や余別岳、南に目を向ければ支笏湖周辺の恵庭岳など遠望が素晴らしい。

そうした自然の景色は希薄な石狩朝市は、札幌市内から距離が近いというのが最大のメリットだけど、加工品や活魚なども売られており、場合によっては石狩でしか売っていない事もある。下にある蝦蛄などはその典型で、厚田よりも数週間前から店頭に並ぶ事が多い。

厚田朝市 札幌都心から小一時間の距離があるものの、春から初冬まで毎日開店している。

4月下旬になると連休という事もあり、全ての店が開店している。

海産物は低価格だが少量では売っていない場合もあり、この点だけは悩みどころかもしれない。

サクラマス 4kgオーバー 小売りとしては破格値であった

この時期はスーパーなどでも売られているサクラマスだけど、日本海産で良型の物はなかなかお目に掛かれない。廉価な物は太平洋産である事が多く、それらも決して不味いわけではないけれど、連休の頃であれば間違いなく日本海で上がる大型のそれが間違いなく格上である。

更に言えば、この時期に積丹沖で採れるイタマス(板鱒)が最上級だろうけど、流石に朝市などでは売られる事はまず無いだろうし、例え売られていたとしても買える額ではない筈だ。

体型にもよるので一概には言えないにしても、この時期の日本海産であれば最低でも3kgは超える魚が欲しいところで、この位の重さから脂の乗りが一段と上になる。写真のサクラマスは朝市で計ったところ4.1kgとのことだ。流石に買おうと思える価格じゃないだろうなと考えていたけど、業販レベルの価格を口にしたので買い求めたものだ。

このサクラマスについてはルアーなどでも釣りになるけど、個人的にはカラフトマスと同様にそれほど燃える釣りではない。食べると美味しい魚だけどサケマス類の釣りは同業者(釣り人のこと)が多いので、閉口してしまうことが多いからだ。

海の近くに住んでいてという事であれば釣って食べるのも悪くないとは思うけど、遠征して人の多い場所で釣るという事であれば、買って食べた方が手っ取り早いと考えてしまうのだ。

ただ、写真レベルの個体クラスであれば、あまり好きじゃないサクラマスのファイトでも楽しいだろうなあと正直思う。ちなみに同じ鮭類で言えば、フレッシュなカラフトマスのファイトは好きだ。

春蝦蛄 シーズ序盤という事もあり、価格は盛期の数倍レベルだった。悩んだのだが少量を購入したものがこれ。

石狩の朝市に少量並んでいた蝦蛄だけど、店の人曰く、小ぶりのものが多いそうだ。もっとも、石狩湾の蝦蛄は大型である事で有名だ。蝦蛄漁の刺し網の目を大きくしているので、大型しか漁獲されないらしい。その意味で今日の蝦蛄でも本州産に比べると十分な大きさであると思う。以前、伊勢の宿で出された味噌汁の具に蝦蛄が入っていたけど、石狩湾産の半分ほどの大きさだった。

もっとも、昔から江戸前では寿司種としての蝦蛄は、神奈川の小柴で漁獲される蝦蛄が一番と言われているらしい。この手の生き物は生息地により味が大きく変わるので、一番の評価を持つ小柴の蝦蛄は美味しいのだろうけど、石狩湾の蝦蛄と比べてどれくらい美味しいのかは判らない。

ただ、鮮度が良く(ま、活き茹でされるだろうから悪いわけはないのだが)旬の石狩湾産の蝦蛄も文句なしに美味しいと思う。大型なので食べ応えもあるから、尚更なのかもしれないしね。

蝦蛄を食べる時は鋏で身の横を切り取るのだけど、思い切った幅を切らないと失敗することが多い。

春蝦蛄故に雌を購入した。このカツブシが珍味である。