量販店で並んでいるディスプレイの色が個々で異なるように、ディスプレイの色は出荷時のセッティングや経時変化で変わってしまう。だから、デジカメ画像をパソコンで調整するという場合、ディスプレイのキャリブレーションは必須と僕は考えている。
最近はカラーマネジメントのできるディスプレイも認知が上がってきており、かなり価格もこなれてきたのはありがたい。昔はEIZOやNECの一部の製品しか無かったけど、ある意味でプロ用の器材の為、高性能だけど非常に高価な代物だったもの。もっとも昔の非常に高価から、単なる高価になったくらいのレベルではあるけれども。
これまで使っていたディスプレイはNEC PA241Wというモデルで、一応は24インチの大きさがあるので今でも使えない事はない。でも、やはり経年劣化(僕の場合で7年ほど使った)でバックライトの色むらが目立つようになったり、元々のパネル性能で白がギラつくディスプレイだったという事もあり(加齢もあるんだろうけど…)、眼の疲れを感じるようになったので、そろそろ新しいディスプレイが必要かなと考えていた。
製品の選択にあたってはコスパと性能を考え、今回も前回同様にEIZOの製品は選択から外した。また(欲しいけれども)4K製品はもともとが高額なので早々に見送り、数年前からコスパを武器に普及してきたBenQのSW270Cを導入することにしたもの。価格は9万円を少し切るくらい。
更に廉価なSW2700PTというモデルもあり、このモデルは発売当時に非常に好意的に受け入れられた製品だったと記憶している。基本的にこのモデルでも今でも十分とはいえるけど、SW270Cの方が後々は後悔しないと思う。
普通に考えると高い買い物だけど、今年は永年勤続の御褒美が少しだけ出る年でもあるので、事実上は3万円くらいの負担で済む予定だ。
このモデルはWQHD(2560×1440)解像度で27インチ液晶というもの。今では特筆すべきスペックではないけど、この解像度だと廉価な製品だと3万でお釣りがくるくらいだ。やはり、コスパが良いと言っても、通常のディスプレイに比べると倍以上の値段がする。それでも、他をケチったとしてもディスプレイにはある程度の投資をした方が間違いはない。
注意点としてハイエンドのEIZOなどの製品は、ディスプレイにセンサーが内蔵されていたりする。でも、今回の製品は測色機は当然ながら別売である。僕の場合は手持ちのキャリブレータ(i1 Display 2)が対応していたので、そのまま流用したけど、ディスプレイと同時に買うという事であればプラス数万円が必要だ。
安くなったとはいえ、それなりにお金はかかる世界という事だね。ただ、レンズやボディには何十万もかける人は多いと思うので、ディスプレイの価格がこなれている現在は安い買い物だと思うのだが。
ハードウェアキャリブレーションの出来るBenQのカラーマネジメント対応ディスプレイの欠点として、キャリブレーションソフトの作り込みが甘い事と動作が遅いという点が指摘されている。
ただ、今回のSW270Cからは従来のモデルより、キャリブレーションの完了時間は短縮しているようだ。それでも、従来のNEC PA241Wなどに比べると軍配はNECに上がる。
でも、個人ユーザーにとってBenQの製品、特に27インチ以上の製品ではコスパの高さが際立っており、メリットの方が大きいと考えている。