Backup事情2

WHS2011ダッシュボード画面

データの保護(複製化)は先日の同期ソフトが順調に動いている為、一安心というタイミングでWindows Home Server (WHS)2011を導入した。当初、AMD E350のシステムへインストールしてみたけど、転送スピードが予想以上に遅く、これは使えないという判断をせざるを得ない状況となった。今更OSを戻すのも嫌なので、CPUを換装する事にした。Home Server用途なので、使用したCPUはCore i3 2100T。Sandy Bridge世代では、G620Tと並び35Wの低消費電力版だ。正直なところ、G620Tで十分だと思うけど、何処の店舗も売り切れていた。

WHSという製品は、家庭向けのServer製品で知らない人の方が多いかもしれない。これを導入すると、何が出来るのかというと…。

1.家庭内のLANにあるクライアントPCのBackup(OSを含めて可能)
2.NASの様に家庭内でファイル共有が出来る。
3.メディア(音楽、動画、写真)の家庭内配信。
4.WebアクセスによるServerへのアクセス(メディアのダウンロードやアップロードなど)

大雑把に言うと、この4つだろうか。まあ、高級なNASだと思えば、間違いじゃない。僕が導入した理由はバックアップが主目的だけど、実際に他の機能も使っている。但し、2~4については、回線速度が遅いと実用度が下がる。特にWebアクセスで巨大なファイルのやりとりは、現実的ではないと思う。勿論、1のバックアップにしてもバックアップ容量が大きくなると、最初のバックアップは一晩では終わらないかもしれない。

この手の機能は、初代のWHSで実現出来ていた事だけど、2011バージョンはSMBのバージョンが上がり、Windows7がクライアントの場合、ファイルの送受信が速くなるという謳い文句だ。でも、これに関しては実際どうなんだろうだろうねえ。明らかに良くなったのはServer自身のバックアップもとれるようになったこと。また、少し癖があるけど、Macintoshのバックアップも可能になった(TimeMachineの保存先可能)。但し、DEと言われる旧Serverの複数のHDDを一つにまとめる機能が廃止されている関係か、Server自身のバックアップ先は単独専用のHDDが必要になってしまう。専用だから、このHDDにクライアントのバックアップを保存することは出来ない。この為、バックアップの設定次第だけど、Home Serverで保存している全てをバックアップしようとすると、一番容量を食うのがServer自身のバックアップ先になる。

また、バックアップの仕様上、2Tを超えるサイズは不可らしく、現時点で一番容量の大きな3T HDDで運用する事は出来ないみたい。この為、WHS2011のDSP版を買ってきてServerを組み上げるという場合は、HDDの配置は頭に描いておく必要があると思う。

Webアクセスで写真のスライドショーも出来る

上の写真はブラウザでServerにアクセスし、写真をスライドショーで表示しているキャプチャ画像。ServerとクライアントPCは隣同士なのだから当たり前だけど、実際にはルータを介して外部ネットワーク経由で接続されている。だから回線さえ高品質であれば、出先からでも同様の事が出来るのがポイントだ。この手の機能は、一部のNASでも実装しているけど、やはりそこは本物のServerであり、パフォーマンスは段違いに良い。でも、回線速度が遅いとやはり実用上は厳しいかな。それでも、廉価なNASは厳しいどころか「こんなもの使えるか」状態だから、それよりはずっと実用的ではある。

NASを始め、WHSでもカタログやWebでは搭載機能を便利ですよと宣伝しているけど、廉価な製品はやはり実用性が極端に落ちる。NAS製品でも業務用の一桁値段が異なる製品は、例えばOSはLinuxなどではなくWindows Storage Serverだったりするけど、やはりパフォーマンスは実用に耐えるようだ。でも、高価なのでどうしてもという場合には、今回のWHS2011などは使える製品じゃないのかな。まあ、DSP版を使い自分で組む場合は色々面倒なんだけどね。ここまで来るのに、僕も10日ほど掛かっているし(笑)。