X100F 感度別画質比較

見にくいが、赤枠部のトリミングを行って画質評価を行ってみた。

X100Fのセンサーは、X Pro2 / X-T2 / X-E3 と同じものである。画質のサンプルも既にネットで多く公開されており、今更感もあるけれど、大抵の場合はJPEG保存の画質を比較しており、RAWで記録した際にどれだけディティールが残っているのか?あるいはノイズはどれくらい出ているのか?という比較がしにくい。

そこで備忘録的な記録として、ISO感度別に撮影したJPEGとRAWの比較を行ってみた。ファイルサイズが大きくなるので、比較はオリジナルサイズである6000×4000の画像を、上の写真の赤枠部(3000×2000)にトリミングを行い、一枚の画像の左半分がカメラのJPEG保存画像、右半分がRAWをLightroomでノイズ低減をせず保存したものを配置している。

※サンプルはかなり重たいので、別ページに保存してあります。https://north-trout.com/main/?page_id=13181

その結論からいうと、あくまでも個人的にはだが、十二分に高性能なセンサーであると判断している。拡張感度のISO25600でも思った以上のディティールが残されており、大伸ばしして紙に焼くという使い方以外は十分だ。また、ノイズの形も揃っており、見苦しさを感じにくい。

ISO3200程度では等倍で比較すれば画質は落ちているけれど、画像エンジンは上手にノイズを消し、且つ、ディティールを残した処理をしている。超高感度域のJPEG保存では別メーカーのカメラでは更に低ノイズかもしれないけど、恐らくはRAWレベルでは、それほどノイズ量が少ないわけではないと思う。後はカメラメーカーの味付け次第だろう。

スマートフォンや普及価格のコンデジと、一眼レフやミラーレスの差はレンズ性能と共に、こうした部分にあるのだと思う。もっとも、鑑賞媒体がタブレット程度であれば、ここまでの画質は不要と感じる事も確か。但し、X100Fの様な単焦点レンズでは、被写体を大きくする為にトリミングを行う事も多くなると思うので、トリミング耐性という意味では高画質は十分意味があるし、4K大画面モニタでの鑑賞となると、こうした高画質は無意味ではない。

僕自身もスマホのカメラで撮影するし、スマホも出来れば高画質のカメラが欲しいと考えているけど、同時に所詮はスマホと感じる事も多い。レストランや酒場で手軽に撮影する場合はスマホで十分だし、SNSなどの連携も素早いので非常に便利なのは確か。それでも、撮影時の設定変更やそれこそ感性の世界になるけどフィールの問題など、スマホが今のデザインであれば、やはりこうしたカメラの敵ではないと同時に思う。もっとも、それを必要と感じるかは別の話だろう。