地名の難しさ

アイヌ語の地名をカタカナで記録し、それを元に無理矢理に漢字を当てたのが北海道の地名という土地柄故、どう考えても読めない地名も多い。

北海道の難読地名はネタになる事も多く、ネットでもかなりのサイトで取り上げられているけど、その中で有名なのが道東は釧路町の海岸線沿いにある地名。有名どころは、現地に看板が設置されている。それはそれで、この地を旅する時に楽しみも増えると思う。

でも、一般の人がこのような地名を覚える必要はないし(覚えても構わないけれど)、普段使わないと忘れてしまう。ただ、道東の旅が多いと、この地を通るたびに、「あれ?読みはどうだった?」という事もある。

このサイトでも以前から公開している日本語入力用の地名辞書は、そうした時に自分が便利に使えるようにと作った辞書だけど、当たり前だけど読み方を忘れてしまうと変換も出来ない。それ故、IMシステムの辞書を参照することはあっても、文字入力モードでは使えない代物でもあるのだ。

でも、旅の途中に現在地名をスマホで文字入力したいという場合もあり、そんな辞書の登録データ参照など、現場では正直やっていられない。そんな事もあり、釧路町に関しては、以下の地名を括弧付きで登録したデータを作成してみた。

難読地名(釧路町)反映 北海道地名ファイル

↑ ATOKで書き出したものをZIP圧縮しています。

 昆布森(こんぶもり)、幌内(ぽろない)、来止臥(きとうし)
 十町瀬(とまちせ)、浦雲泊(ぽんとまり)、跡永賀(あとえか)
 冬窓床(ぶゆま:ぶいま)、初無敵(そむてき:そんてき)
 入境学(にこまない)、賤夫向(せきねっぷ)、分遺瀬(わかちゃらせ)
 老者舞(おしゃまっぷ)、知方学(ちぽまない:ちっぽまない)
 去来牛(さるきうし)、別尺泊(べっしゃくとまり)、古番屋(ふるばんや)
 仙鳳趾(せんぽうし)、重蘭窮(ちぷらんけうし)、沖万別(おきまんべつ)
 苫多(とまた)、門静(もんしず)、地嵐別(ちゃらしべつ)
 宿徳内(しゅくとくない)、嬰寄別(あっちょろべつ)

従来と違うのが、以上の地名のみ。本当の読みを入力するのではなく、今回については「くしろなんどく」と入力すると、上記地名が括弧を含めて順番に出力されるというもの。

テキストファイルなので、文字置換で「くしろなんどく」を他の好きな言葉をトリガーすることもできるけど、あまり使う文字列をトリガーにすると、文章入力で誤爆を誘発するので、ある程度の長さと使わないものを指定した方が良いとは思う。

たいした物ではないので、辞書の様に固定ページで公開なんて事もしません。まあ、こんなものを使う人もそうそうは居ないだろうから自分用になるとは思うけど、使いたいというのであれば、上記リンクからどうぞ。

但し、登録方法やカスタマイズ方法など、すべて自力解決出来る方のみが対象です。

※備忘録※

ATOK単語登録用テキストファイル仕様

  • TAB区切りのTEXT [読み(ひらがな)]TAB[単語]TAB[品詞]TAB[コメント]
  • エンコード Unicode(ATOK 2017 WIN 書き出しで、UTF-16LE BOMとなっていた)
  • 改行コード CR+LF
  • ファイル名 iOS のみ「user_word.txt」、他OSは任意名.txt

2 件のコメント

  • なるほど、これらは特別凄いですね、特級。
    アイヌ語は当て字で漢字が振られておりますが、地形等から地名つけられているのが興味深いですね。
    昔、アイヌ語地名に興味を持ち、『アイヌ語地名を歩く』山田秀三さん、『アイヌモシリ紀行』早川禎治さん、『北海道地名漢字解』本田貢さんなどの本を読みましたが、アイヌ語自体文字はなく、読み方をカタカナで
    で当てておりますので分かりにくいですね、ましてや現在は車社会になり、古来の通行道も廃れておりますのでますます分かりにくい。
    その後古本の『北海道の地名』山田秀三さんを入手し、調べておりますが、知津狩シララ・トゥカリー岩の此方、望来ム・ナイー塞がる・川(文字変換が大変)などなど地名の名残があるところもありますが、環境が変化し往時の様子も想像つかない場所も多々あります。
    地名への興味は尽きないですね。Zen

    • ZENさん

      近年はアイヌ語地名もカナに開いて表記する方が多いのですが、釧路町のこの辺りから根室にかけては、漢字のまま運用しているという素晴らしさ?で、とても読めませんし、滅多に行かないので覚えられません。流石に仙鳳趾や老者舞など食い物に関係ある場所は、否応にも覚えますが・・・。

      古地図などを見ていると、例えば知床などでは、国土地理院の地図にも記載されていない地名も一杯あります。動力の無い時代ですから、日常的な移動距離もしれていますので、地形などを良く観察して、そうした名前をつけていたのでしょう。

      残念な事にアイヌ語というのは、限りなく消滅の危機に晒されている様です。また、アイヌ民族は文字を持たなかった様でこれらの地名は全て和人が耳で聞いて、記録してきたものです。こうした事から地名の中にも何を意味するアイヌ語なのか判らない場所もあるそうですね。