2011 総集編

今年の開幕は、例年通り十勝川。丹頂が出迎えてくれた。

ランディング出来る場所がなく、残雪に持ち上げて。

2011年の開幕は、早春の十勝川。春だけは、アプローチのしやすい右岸を目指す事が多いけれど、北向きの川岸には遅くまで残雪が残るのが難点だ。年の瀬にこの文を書いているけど、2011年の冬は十勝も大雪となっている為、来年の春が思いやられる。

GW直前の極東アメマス。相変わらず、コンディションは抜群である。

夜明け前の釣り場にて。うっすらと水面が見える。

北海道の東の果てへ、アメマスを狙いに遠征した。十勝在住の頃は、毎週のように通っていたものだけど、十勝川が好きになってからは足が遠のいた様な気がする。それでも毎年春の降海時期は野性味あふれる極東のアメマスを狙いに東を目指すのだ。

阿寒湖の解禁

阿寒湖のアメマスは、やはり海へ下る個体とは趣が異なる。

解禁から2週間後の阿寒。この時期もまだ冬の様相である。

解禁日こそ好調が伝えられるものの、その後は厳しい日が多かった今年の阿寒湖。

十勝川の河口域はGW付近までが釣期と言われるけれど、ここ数年はムラが激しく、アメマスの降海も早まっているようだ。そんなGW期間の5月1日が、阿寒湖の解禁日。山上湖である阿寒湖も観光地の側面を持つ。この為、4月半ばから結氷している湖を開ける為、解禁日に竿を振ることが出来る。しかし、アメマスにとっては災難この上ないと思う。解禁直後に阿寒湖を訪れる事が多いけれど、やはり水温的には2週目くらいからが活性が上がるようだ。もっとも、今年は魚の岸寄りが少なく、いずれも厳しい釣りであった。

新緑の道南渓流。この時期の道南は、まさに春の光にあふれている。

アメマスとは違った、美しい渓を歩く楽しさがある釣りである。

道南の渓流は、ある意味で羆の恐怖との戦いでもある。大袈裟かもしれないが、林道での気配を考えるととても単独ではアタックする気になれない。もっとも、この時の釣行では、崩落した林道が1番恐ろしかった。勿論、羆の糞や足跡は数知れず。

初夏の然別湖。山上湖故に早朝はまだまだ冷え込みが厳しい。

湖水産の美しいオショロコマに出会いたくて、この湖を訪れるのだ。

然別湖では湖水型のオショロコマの他に、ニジマスやサクラマスも釣れる。地元の釣り人はこれらを狙ってアタックすることが多いようだが、僕はニジマスやサクラマスは殆ど興味は無い。文字通り、オショロコマに出会いたくて釣りをしているのだ。明るい体色で体高がある然別湖のオショロコマは、文句なしに美しいものだから。

道東の海岸に朝日が昇る。この時期は本当に朝が早いのだ。

道東海岸で釣れたアメマス。やはり、遡上したアメマスとは一味違うファイトをみせてくれる。

道東の海アメマスは、ここ数年で1番厳しかったシーズンだったようだ。当初、僕だけが釣れていないと思ったものだけど、誰もが今年は良くないという。何処に群が居るのか、僕には判らないけれど、最後まで厳しい状況が続いた。

夏の阿寒湖の釣り。ボートより深場を狙う釣りである。

深場で釣れるアメマスは大型が揃う。超大型は出なかったものの、エキサイティングな釣りであった。

昨年は惨敗に終わった、夏の阿寒湖の釣り。この時期は水温が上がる為、アメマスは深場に潜ってしまう事が多い。そんな時期にボートで深場を狙う釣りが、この釣りである。ボトムまでルアーを沈め、ゆっくりとリトリーブしてくると沢山のアメマスがルアーを追っているのが見える。そんな釣りは、そうそう無いだろうな。

知床、滝ノ下から半島基部方面を。滝は見えないが、写真中心部の隠れている場所が崩れ滝である。

海のスプリンターと言えるフレッシュランの雄。カラフトマスの醍醐味と魅力はこれに尽きる。

年々、羆の出没が多くなってきた知床先端部の釣りは、今後どのような釣りになるのか、将来も渡る事が出来るのかが課題となっているような気がする。出没しても不思議ではない場所へ、人間が入りこんでいるのが1番の問題なのかもしれないけれど、僕個人は例え釣りが出来なくても、先端部の風景は見てみたいと思うほど野趣あふれる地なのだ。2011年は豊漁年と言われていたけれど、釣果は最後まで今ひとつであった。そんなカラフトマス釣りだけど、やはり魅力は盆直前のフレッシュラン。それも雄に限ると僕は思う。食の面では雌も魅力的だけど、それよりも雄のファイトが欲しいと年々強く感じるようになってきた。

夏の終わり頃、増水に合わせて一気に遡上してくるアメマスを狙う。

写真ではスレンダーにみえるアメマスだけど、実際にはパワフルな遡上アメマスなのだ。

早春と晩秋は十勝川と決めている川のアメマス釣りも、晩夏頃は道東の渓流に遡上アメマスを狙う。この流れでは、この時期のアメマスこそが、最大の魅力だと僕は思うのだ。晩秋の頃、群れているアメマスを狙うのは風物詩となっているけど、荒瀬からルアーを引ったくるように飛び出してくるファイトを味わうと、晩秋のアメマスはちょっとね。もっとも、この頃は人が多すぎて嫌だという事もあるのだが。

日本海側へ流下する道南の渓流にて。

黒松内近くの山林にて、ナラタケを。

9月の終わりに、キノコ採取を主目的に道南を訪れてみた。初日、ある程度の収穫を得て、二日目は日本海側に河口を持つ比較的大きな渓流の最上流域へ。岩魚が遊んでくれたけど、ちょっとタイミングが悪かった様で魚の反応は今ひとつ。やはり、産卵期近くとなっては、渓流域の釣りは微妙なタイミングだね。

石西礁湖(石垣島と西表島の間)のオフショアにて。

アミメフエダイ。体も紋様から、通称アメリカ(国旗に似ているから)と呼ばれているらしい。

石垣島と西表島の間は、日本最大の珊瑚礁海域で島の頭文字をとって石西礁湖(せきせいしょうこ)と呼ばれている。高速船やフェリーなどの運航がある為、航路こそ深く掘られているけれど、その殆どは深さ数mの浅い海域であり、舟の上から海を見渡すと一面エメラルドグリーンが広がっている。珊瑚礁に生息するロックフィッシュを始め、アジ類も狙えるとあって、楽しい一日であった。バイトには至らなかったけど、真っ青に見えたカスミアジはいつか釣ってみたいものです。ロウニンアジ?タックルがちょっとね。しかも、体力必要そうだし。キャストもリトリーブもフッキングしてからのファイトも、話に聞くと腰に悪そうな釣りだから、ちょっと躊躇してしまいます。

晴れの十勝川は冬であるのに、穏やかな空気に包まれる。

あまり数は出ない十勝川であったけど、型は例年通りだと思う。

今年の十勝川は、台風による大増水で、ポイントが大きく変わってしまった年であった。十勝川へ通う釣り人の多くは、この変化に戸惑いを感じていたようだ。勿論、僕も同じなんだけど、左岸の数カ所は例年通り、魚が入っていてくれたので例年通りとまではいかずとも、そこそこの釣果は上げる事が出来たと思っている。ただ、誤算は12月頭の最終アタックを予定していたタイミングで、体調を崩してしまった事だろう。翌週に順延したけど、既にポイントは氷に覆われていた。