現在の西別川は、最上流域のみ昔の面影が残されている。かつて、腰までウェーディングしながら下った中流域は、土砂が入り、浅くなると同時に濁りが強くなってしまった。既に釣り場としてだけではなく、河川としての状況も年々悪くなってしまっている。救いは大規模なダムがなく、最上流まで遡上する魚がいるということくらいだろうか。
この川の現状を見てきた人間にとって、今のこの川は数や型を狙う場所ではない。それでも、例年この時期に西別川で竿を振る。それは、この川の将来に僅かな期待を感じているからなのかもしれない。
最上流域といっても、好んで入渓するのは釣りが出来る最上流域より少し下。虹別の町よりは上流という感じで、毎年のように同じコースを釣り下る。理由は魚影が濃い場所であるということと、ポイントの数が上流部で一番多いと感じるからだ。
かつては「梅花藻(バイカモ)の畑」と言わしめるほど、水面を覆っていた最上流域のバイカモだけど、ここ数年、その数が激減している。中流域では既に壊滅に近い状態で最上流域のそれは最後の砦であったのだ。しかし、昨年訪れた時のその光景は目を疑うほどであった。今年も往年のそれとは違うけど、僅かに増えていたように思える。中流域はともかく、最上流域のバイカモがこれ以上減るような事があれば、恐らく、この川は終焉となってしまう気がするのだ。かつての流れが復活することを願ってやまない。
西別川の帰り、滝川で菜の花畑に立ち寄った。広大な面積の畑に一面黄色い花が咲き乱れているのは圧巻なのだが、写真となると日中はなかなか手が焼ける被写体だと思う。普通の写真では面白みがないので、形良い花をみつけ、蕾を狙ってみたものが上の写真。