今年は春が早いとはいえ、記録的な豪雪に見舞われた阿寒湖周辺は、湖岸や林道、あるいは国道の脇にも多くの残雪があった。反面、スキー場のスロープはかなり雪は解けていたのだが、到着した阿寒湖はさすが山上湖を思わせる氷点下の気温。桟橋は凍り、不用意に歩くのは危険である。何れにしても、5月上旬の阿寒湖は、まだまだ冬装備が必要な釣り場である。
現地に到着した際は星空もみえ、雄阿寒もそのシルエットを見せていたのだが、明け方から北東へ雲が流れ込み、雄阿寒の山頂へぶつかり、その雲が斜面を下降していく様子が見えた。少しでも仮眠すべき時間なのだが、その光景をみていると眠さが失せてしまう。日常的な光景ではあるけれど、都会に住んでいると、こうした当たり前の光景も当たり前ではなくなっているのだ。
朝一番に渡船した先は通称「砂浜」である。事実上、最北(実際はもう少し北まで遊漁可能)のポイントで名前の通り、砂の湾が形成されている。モンカゲの時期は浅場でハッチが多いポイントであるそうだが、この時期はルアー向きのポイントだと思う。このポイントの一部は馬の背となり、沖までウェーディングが可能であるけれど、砂浜の場所はヒットポイントは沖であることが多い。
さて、今回の釣りだがキャストをはじめて最初の1時間は魚の反応は全くない。アタリはおろか、湖面にライズが出る事も皆無であった。ただ、少なからずのワカサギの姿があったし、小さな沢が流れ込んでおり、そのうち魚群が入ってくることを期待して文字通りフルキャストを繰り返した。6時過ぎに不連続で4本のアメマスが、パタパタといった感じで上がったが後が続かない。
それでも、ときどき水面に動きを見せる事がある。恐らく、ワカサギがアメマスから逃げているのであろう、僅かなのだが、水面を切るような波が出るのだ。もっとも、だからといってルアーに食いつくまでもなく、長い午前中、フルキャストの連続であった。
午後の遅い時間となり、午前中は全く反応のなかった馬の背へ立ち込む。数投するとリトリーブに違和感を感じ、真横を含めて放射状にキャストを行うとこれが当たり、連発でアメマスがあがった。ライズも時折出ていたのだが、そのライズが湾方向へ進んでいるのを確信した。
関東からのフライマンへ馬の背を譲り、湾をラン&ガンしていくと、やはり群が入ったようである。釣れる時は数匹づつ連続でヒット。もっとも、群といっても大きな群ではないようだ。数匹釣れるとアタリが止まる。暫く、ポイントを休め、再び湾を叩いていくと、また連続で釣れるという繰り返しであった。1度、フォールで食いついたそれは、それなりの大きさであったと思うけど、それはフッキングせず、釣れたアメマスは最大でも50cmあるかどうか。ただ、極端に小さなアメマスは皆無であり、そうした意味では久しぶりに群を捕らえた釣りになったと思う。