後良川河口は、西表島の中でも好きな場所の一つだ。特に潮が引いてマングローブの根が水面から出て、砂地が見えるようなタイミングが良い。河口故に自然の曲線美とヒルギが点在するが、僕にとってはたまらない。
大原を出発し、水牛車で有名な由布島を通り過ぎると、やがて道路は小高い海岸線を走るようになる。海の景色はこのあたりが僕は好きだな。ここも満潮時よりも干潮に向かう頃合いの頃が浅瀬の水底の茶色から沖の青に変わるグラデーションがとても印象的。
西表島の風景は僕は大きく三つに分類されると思う。珊瑚礁をはじめとした海の風景、河口に展開する汽水域の風景、そしてマングローブを中心とした森や林の風景だ。勿論、集落の風景や山中のジャングルや植物など様々な景色があるけれど、河口の特殊性を除けば山と川そして海が連鎖した自然環境という事になるのだと思う。数日前にまとまった雨が降ったらしく、砂で沿岸部の海は多少の濁りが入っていたようだ。
セマルハコガメは昨年も出会ったけれど、意外にも歩くのが速いカメであり、撮影することはかなわなかった。人が近づくと警戒して首や手足を完全に閉じてしまうけど、少しの間待っているとゆっくり首を出し歩き出す姿はユーモラスでもある。個体数が減少している種の様で天然記念物に指定されていると同時に絶滅危惧種にも指定されている。
サガリバナは6月下旬から7月上旬が開花時期と言われているけれど、昨年は僅かにそれを見られたというレベルであった。今年については、訪れた6月28日の仲間川では正に旬であったと思う。ガイド氏曰く「今年は多いですね」とのことだ。蕾の状態から二週間後くらいに、もう一度ピークが訪れるかもしれないとも言っていたと思う。7月三連休辺りも面白いかもしれないね。もっとも、外れても責任は持てませんが。
この花、白(僅かに黄緑色をしているが)とピンクの二種があるようだ。訪れた時は2:1で白が多かったと思う。どちらも綺麗だけど、ピンクの方が希少価値が高い様な気がする。早朝クルーズでこの花が連なって咲き乱れているのは、本当に美しい。また、甘い独特の香りが川を漂っている。早朝の潮位が低いため、落花した花は陸地に多く残されてしまっていた様だ。潮位が高ければ、水面に無数のサガリバナが流れていく光景が見られた筈だ。
シロハラクイナは西表島では道路際でもよく見かける鳥である。但し、警戒心もそれなりに強いので、写真に納めるのは意外に難しいものだ。
現在の石垣空港は滑走路が1500mと短く、大型機の発着は出来ない。着陸時は逆噴射で無理矢理止まる感があり、予備知識なく着陸の制動を経験すると驚く事間違いなしだ。現在、白保地区に新しい石垣空港を建設中で2013年3月に開港予定である。LCCの運行も噂されているので、八重山の旅も身近になるかもしれない。