天候は下り坂という予報であったが、阿寒湖や西別川の釣りでは、幸運な事に雨にあたることはなかった。しかし、気温は低く、ウェーディングの必要な阿寒湖では、久しぶりに指の感覚が薄れ、背中に寒さを感じる厳しい条件であった。釣行の数日前は湖畔でも20度をこえる陽気であった筈だが、当日の阿寒湖は最高気温も一桁までしか上がらず、北向きの風により体感気温は開幕戦に近いものがあった。
厳しい条件であった阿寒湖だが、18日の早朝は雲も少なく、雄阿寒の奥がオレンジ色に染まる朝焼けであった。渡船で北岸に渡った頃は徐々に雲が多くなり、複雑な空の芸術を楽しめたような気がする。
もっとも、釣りの方は1日を通して反応が薄く、時折ライズがあってもジグですら届かない沖合であった。急激な気温低下とユスリカのハッチ。岸際には昨年よりも多くのワカサギを見かけたのだが、魚が岸寄りしていないのか、水温の低下で活性が低いのか、釣れない原因は判らない。勿論、僕の腕が悪いという事は承知しているけれど、ここ数年で1番状況が悪かった遠征となった。
釣れないとはいえ、そこは阿寒湖で超単発的に魚の反応がある。しかし、群が入れば連発も普通に起きる阿寒湖としては、やはり物足りなさは否定できない。夕方まで粘ったあげく、最後の2匹は狙ってもいないニジマスが釣れる状況では、やはりアメマスの群が外れていると思いたい。
阿寒湖に宿をとり、朝食後の遅い出発で西別川を訪れてみた。複数の孵化場を流域にもつ西別川は、今時期は流域に鮭稚魚を数多く見かける。流域に住む渓魚にとって、鮭稚魚はまさに天からの贈り物であり、美味しい生き餌がどんどん流下してくるこの時期は、ルアーへの反応が薄くなる。そんなタイミングでのアタックだが、予想以上にルアーへの反応があり、前日の阿寒湖での惨敗感を払拭させるだけの釣果が得られた。
実質2時間ほどの釣りであったけど、野鳥の鳴き声が聞こえる中、ピンポイントキャストを繰り返す釣りは、とても濃く、楽しめた2時間であった。本格的なシーズンインは数週間後だと思うけど、今年はその時期にもう一度竿を出してみる予定だ。