西表島上原にあるパーラー美々さんは、4年前に初めて訪れた時は恐らく紹介が無ければ通り過ぎてしまうであろう平屋の言葉は悪いがボロボロの小屋で営業していた。でも、この当時からジュース類やソバは評判が高かった。現在ではマンゴー御殿と呼ばれる?2階建ての立派な建物となっており、メニューも増えた様だ。
ここの売りは今の季節はやはりマンゴーであろう。ジュースは500円と飲む前は高いと思うかもしれないけど、量も多く、完熟のマンゴーをミキサーでジュースにしたもので味は一級のものだ。飲んでから、これは安いと思うのだ。
そんなパーラー美々さんは沖縄ソバも美味しい。写真は軟骨ソーキだけど、トロトロに煮込まれているそれは、西表島・・・いや、八重山でも上位にランクされる味だと個人的に感じた。
八重山の初日に石垣島のステーキハウスHAN’Sで注文した、石垣牛のハンバーグ。こちらのお店は那覇に本店があるチェーン店で、過去には売りである1パウンド(450gくらい)のステーキを食べたりしたけれど、流石に今は重すぎる量である。但し、赤身主体なので霜降りのような胸焼けは起こさない。
今回、話の種に石垣牛のハンバーグを頼んでみた。結論からいうと、和牛の産地にあるハンバーグと同様にあまりお勧めは出来ない。やはり、ハンバーグという料理は、赤身じゃないと歯応えが薄れてしまうのだ。石垣牛はステーキか焼き肉が美味しいと思う。食は好みだと個人的に思うけど、歯応えというのはとても重要な要素だと思う。
以前も訪れたことのある居酒屋さんで、本店よりは予約が取りやすいかもしれない。この店を訪れたのは、メニューにノコギリガザミがあるからである。北海道や本州の日本海側で捕れる蟹も勿論美味しいけれど、このノコギリガザミは別の美味しさがある。蟹の味を表現するのは難しいけれど、甘さと旨味が濃厚だとはいえる。マングローブに生息している蟹だけど、日本では高知県と静岡県で漁獲があるそうだ。そのどちらも美味しい蟹として有名であり、南西諸島のそれは少し泥臭いという評価らしい。食べ比べた事はないので、それの真偽はわからないけれど、上手に調理されたノコギリガザミは本当に美味しいと思う。
また、これまでイラブチャーの刺身をあまり美味しいとは感じなかったけど、今回は鮮度が良いのかイラブチャーもミーバイ(ハタの一種)もマグロも美味しかったね。
沖縄県は車エビの養殖が盛んで、生産高は日本一だそうだ。天然物と養殖物の差が少ない食材と言われているけど、上等の天然物と比べた事はないので、その点は僕には判らない。ただ、養殖故にリーズナブルな値段でそれを食べる事が出来ることと、実際に料理を食べても美味しいと思う。特に唐揚げは高温で処理されるので、養殖物にありがちな匂いなどが少ない調理法だと思う。
ハンバーグでは評価が低かった石垣牛だけど、それのスジ肉を煮込んだこれは文句なしに美味しかった。軟骨部分もトロトロになっており味が染みこんで上等の佃煮のようだ。但し、石垣牛故に脂はそれなりにある。
ノコギリガザミは何といっても鋏である。体型に比して巨大な爪を持つ蟹で、動かしている部分だから大型のそれになると大人の握り拳よりも大きな爪を持つ。さすがに、それだけの個体は市場価格も高価故に居酒屋で提供されることはないと思うけど、味は小型の物でも十二分に美味しい。但し、爪を除いた脚は細く、身も少ししか入っていない。脚の付け根はそれなりに肉があるけど、毛ガニなどに比べるとその量は少ないように思える。
スクガラスとはアイゴの稚魚(スク)を塩漬け(カラス)したものだ。かなり塩分が強いので、写真の様にスクガラス豆腐として食する事が多い様だ。この豆腐も島豆腐が使われており、通常の豆腐よりも固さと甘さがあり、バランスがいい。本土以北では木綿豆腐でも代用出来ると思うけど、豆腐が美味しくないとはじまらない料理なので、その点では島豆腐が盛んに作られる離島の味は出せないと思う。