中城城
首里城をはじめとする琉球王朝の遺産であるグスク群は過去にも訪れた事があるのだが、今回はその再訪を行った。2日目の宿は伊計島に決めているので、その途中にある中城城(なかぐすくじょう)を最初に訪れてみた。
中城城は規模が大きく、またこの城は大戦の被害が比較的少なかった様で、戦後も石垣はかなり残されていたとの事だ。もっとも、今でも復元工事が行われているのでその全容は資料で見るのみである。
多くのグスクは小高い山の上に築城されており、例外なく見晴らしはとても良い。
中城城を訪れグスク以外に必ず目にするのが中城高原ホテルの廃墟である。このホテルは1度も営業することなく、建築途中で工事が中止されそのまま放置されているものだ。山の斜面に建てられており、写真でみても判る通り、かなりの大きさと広さ、そして高さがある廃墟である。
伊計島
伊計島は沖縄本島から海中道路を通り、平安座島と宮城島を経由する最奥の島である。伊計大橋の宮城島側には数台の車が停車出来るスペースがあり、海の青さを望む事が出来る。沖縄本島近くの島は架橋されていることも多いのだが、多くの場合、橋では駐停車禁止である。実際は地元の車が停車されている場合も多いのだが、だからといって観光客はそれを真似する事は慎みたい。
写真を比べると一目瞭然だが、ススキとサトウキビは穂が垂れるかどうかで簡単に区別することができる。ぱっと見にはサトウキビもススキににている葉をつけているのだが、冬のこの時期はサトウキビも穂を付けていることが多いので区別はたやすい。
伊計島を訪れるのは二度目の事で、過去は単に訪れただけで宿泊はしなかった。島の奥にリゾートホテルがあったのだが、静かな離島に何故?と感じるほど、初めて訪れた時に感じたことを覚えている。その辺りは事情もあるのだろうけれど、僕の好みとは異なるので今回は同じ伊計島でも小さな宿に宿泊することに決めたのだ。集落の中にあるので、いっとき、そして旅人としてだけど集落の空気や雰囲気を感じる事が出来たと思う。
宿の食事はアレンジはあるものの、沖縄の食材と沖縄の料理がメインである。また、旅人としてそれは嬉しいものだ。土地の景色なども旅の醍醐味だけど、その土地の料理や人々との会話が何よりも旅の思い出になるのだから。
日中は行き交う車も目にするけれど、それでも静かなのが集落である。日が落ち、夜が更けると集落を歩いてもとても静かなのだ。勿論、それぞれの家々では一家団欒はあるのだろうけれど、それを感じさせない静けさがあったと思う。釣り師であれば、そんな静けさは日常茶飯事かもしれないけれど、少なくとも集落という人々が住む場所でそうした静けさを感じることが出来るのは、都会ではまず味わえない癒やしであったと思う。