久しぶりに長丁場の連休となり、盆の頃はカラフトマスを狙うとして、その前に道東の海岸線でウミアメを狙おうと考えていたけれど、波が高くサーフの釣りは断念となってしまった。加えて、かなりの降雨があり、付近の河川も増水と濁りでとても竿を出せる状況ではない。ただ、この降雨で多くのアメマスは遡上を開始した筈だ。タイミング次第では面白い釣りが出来そうである。
海も川も厳しいという事で旅のついでに西別川の最上流域を訪れた。この流域は濁りには強いものの、やはり若干の濁りが入っているようだ。また、例年は川底を覆い尽くすほどのバイカモが見られる流域だけど、今年は食害なのかバイカモが激減していた。復活する事を願っているけど、減少したままであれば西別川の最後の聖域も失われてしまう様な気がする。
尾岱沼は晴れていても異国間溢れる荒涼とした風景が広がっているけど、夏の間は湿原に多くの花を見ることが出来る。ただ、訪れた時は風が強く、草木も激しく揺れていた。そんな中で目に入ったハマナスの花を手持ちで接写してみた。写真自体は良いとは思えないのだが、荒涼とした風景と対比させる色は出ていると掲載してみた次第。
忠類川は、鮭やカラフトマスを河川で釣る事が出来る河川だが、道東におけるアメマスとオショロコマの境界線的な位置へ流下している。また、河川規模が大きい事からサクラマスの遡上も多く、上流の橋から流れをみると多くのサクラマスが群れていた。サクラマスはカラフトマスよりかなり早く、初夏の頃に遡上を行う事が多いようだ。また、カラフトマスは婚姻色が入ると背中が黒く、腹が白いツートンカラーとなる為、サクラマスと区別しやすい。
斜里岳の北側は天候が良く、畑作地帯となっている。十勝地方と同じくビートやトウモロコシ、小麦や馬鈴薯など多くの作物が作られている。知床半島を境に気温差も大きく、今回は斜里で28℃を示していた時、根北峠を下りた標津では20℃と気候が全く違うのだ。それ故、半島を横切ると風景が全く異なる事に気づく筈だ。
知床では当初は崩れ滝を目指していたが、同乗した釣り師の多くがタモを持っていないという事で比較的足場が低い滝ノ下へ向かうこととなった。相泊では霧が僅かに出ている感があったけど、ペキンの鼻を境にして半島先端部は霧を避ける様に風が流れていた様だ。故にモイレウシやペキンの鼻は霧や雨、崩れ滝や滝ノ下は時折晴れ間の出る天気となった。
ペキンの鼻から流れた霧は国後方面へ向かっていた。それ故、青空が見えていた滝ノ下にいても国後島の姿は全く見ることが出来なかった。海洋に突き出た知床半島ならではの事なのかもしれない。
今年は知床に限らず、カラフトマスの回遊が遅れているようだ。また、奇数年は不漁年と言われており、知床先端部における事前状況は決して明るいものではなかった。それでも今回は滝ノ下へ渡った殆どの釣り人がカラフトマスを釣る事が出来たのは、運に恵まれた様だ。それでも、やはり群は薄く、朝一番を外すと非常に厳しい状況であると思う。船頭曰く、少しずつ良くはなっているという事なので、盆後半から月末にかけてアタックする釣り人の幸運を祈るばかりだ。
今回の知床では結果的に三回当たって、二本のカラフトマスをランディングすることが出来た。普通であれば、貧果と言える結果だけど、先に書いたとおり今年の状況では今回の釣果は上々だと言えるかもしれない。やはり、この釣りは群次第で釣果が異なる。それ故、魚の都合で行ける人が好漁を得るのだろうね。
瀬渡しまで行い、坊主を食らうと流石に厳しいけれど、僕は知床を訪れるのは先端部の風景を楽しみたい事が大きい。釣果だけであれば、知床にこだわる必要は薄いのだからね。今回は釣果はともかく、訪れた先端部のみ晴れ間が広がるという運にも恵まれた。ペキンの鼻より基幹部方面は、濃い霧で山の半分以上が霧に覆われている状況であった様だ。10時半頃、帰港し羅臼へ向かうと徐々に雨が降り出し、午後は夜半までかなりの雨が降っていた。その意味でもタイミングは悪い状況の中でベストであったのかもしれない。